『プリキュアオールスターズDX3 未来にとどけ!世界をつなぐ☆虹色の花』


映画自体の感想の前に、キュアブラックの感想とかその他色々。
戻ってきたよ、DXで航空機ザケンナー蹴り砕いた我らがヒーロー。
(あえてヒロインとは呼びません)
歴代主人公ズで放つ『プリキュア・コラボレーションパンチ』のシメを飾るブラックの拳。
コラボレーションパンチの威力の70%は、ブラックのパンチです。
とにかく肉弾戦でブラックが負けないのは気持ちがいいです。
そして、カッコよさでは史上最高だった『プリキュアマーブルスクリューMAX』
ぐっと顔を上げるシーンで既に鳥肌。五條さんの主題歌で涙腺が崩壊しそうになる。
だめだ、泣くな。目に焼き付けろ。
ダッシュから飛び込みマーブルスクリューMAX! 魔女を撃破!

マブスクで噴き上げた爆煙を吹き払ってS☆S組登場……という流れも美しい。
恒例のフォームチェンジを経てスパイラルスター・スプラッシュ!
巨体を活かしたサーロインの重量級突撃を空中で迎え撃ち、見事撃破。

マッチョ化したムシバーンがフォースセイバーを構えて斬りこんでゆくシーンは燃えた。
ファイアーストライク、エメラルドソーサー、サファイアアローの連続攻撃を次々と叩き斬り、
特攻の勢いがそがれた所へ襲いかかるプリズムチェーンを引きちぎり、
……良くがんばったよ一人で。
シューティングスターでムシバーンを倒した直後のドリームの表情がそう物語っていた。
彼は、これからはキュアドリームの胸の中で生きてゆくのです。
「ムシバーン……お前はオレの強敵(とも)だった……」

フレッシュは……普通だったな。うん、普通だ。
このあとのブラックホール戦で使う必殺技は、ラビング・トゥルーハートでお願いしたかった。

鳩組は、マリンの嬉しそうな「出ましたっ、堪忍袋!」が。一日一回堪忍袋。

スイプリ組は、最高のコンビを自称するフリーズン・フローズンと対決。
全てを凍てつかせるフリージングブリザードを、
二人の熱い友情 ――― パッショナートハーモニーで粉砕。氷人間コンビは蒸発。


さて、映画本編。
響と奏が仲良くショッピングモールを訪れるシーンから映画スタート。
喧嘩する設定? ンなもんテレビシリーズに置いてきたぜ。
クライマックス直前まで「やっぱりリズムがいないと…」「メロディと一緒じゃないと…」って
こんな感じです。
くっついてると喧嘩になりますが、引き離されるとお互いへの依存症状が激しくなります。
ややこしい夫婦ですな!

妖精のどしゃ降りに続くオープニングは、いきなりダーンス来たよ!
大気圏を飛び出して宇宙へ! しかし何故わざわざ宇宙まで踊りにいくのッ!?
一回踊ったら、また大気圏突入して地球へ戻るのかよ。
でもまあ、オールスターズ三作中、最も華やかです。


今回の敵は「ブラックホール」
 (主食はパンです)

ドツクゾーンから砂漠の使徒まで、歴代プリキュアに敗れ去った闇の勢力の邪悪なエネルギー
が宇宙をさまよい、一つに合体したものだそうです。
各シリーズのラスボス自体はは吹っ飛ばされたり(MH&S☆S)絶望を抑え込んだり(5)
結ばれたり(GOGO)自爆したり(新鮮)ほわわーん(鳩)なので、
余り物の詰め合わせみたいなもんか。
オールスターズ一作目のフュージョン、二作目のボトムは、このブラックホールに作り出されま
した。そして今回集合した劇場版ボスも、残っていた邪悪な心を利用して作られた再生怪人。
地球へ来た目的は、この星のどこかにあるプリズムフラワーを枯らすこと。

↑この辺りの説明が、
プリキュア21人の変身、名乗り上げという長いシーンから続けて始まります。
名乗り上げは最初のほうこそ「オオ!来た!」と盛り上がりますが、
持続するのはフレッシュぐらいまでか。スイートの頃には「まだ続いてたのか」てくらい疲れて
る。
なのに、ここから魔女の詳しい状況説明が始まる。
プリキュアたちの「えっ? えっ?」という疑問に親切丁寧に答えていくから説明も長くなる。
そんなダラダラしてたらプリズムフラワーが枯れてしまうやんか……。

【今作の目玉:シャッフルバトル】
敵の策によってバラバラにされてしまう各プリキュアチーム。

「いつも隣にいてくれるパートナーがいない。この状況は厄介そうね」
「ウフフ、全くの他人事でよかったわ」

貴様ら、このバトルの趣旨を理解して離れろ。
頼れるパートナーと引き離された状況をどう打開していくかがポイントです。


第1組<歴代主人公チーム> 砂漠ステージ(虫歯&牛肉)
キュアブラック、ブルーム、ドリーム、ピーチ、ブロッサム、メロディ

一応ブラックが仕切ろうとしてましたが、
「あたしとメロディはこっち、ブロッサムとピーチはあっち、ドリームとブルームはそっちをお願
い」と指示が小学生レベル。現場は混乱。
直後のブルームの吹き飛ばされ方が、一人だけ何かおかしい気がします。
しかし、気持ちの足並みがそろえば
非常に攻撃力の高いアタッカーチームです。
前進あるのみ。障害は全て力ずくで排除する。
キュアブラックを先頭にしたプリキュアコラボレーションパンチで雑魚の大群を粉砕、
空から滝のように降ってくる雑魚の増援をドリームがシューティングスターで蹴散らす、
アタッカーとシールド役を兼ねて前線で活躍するブルーム、
いったん動き出したら止められないのがこのチームの特徴。


第2組<正妻チーム> 海ステージ(魔女&ホモ)
キュアホワイト、イーグレット、ミント&アクア、ベリー、マリン、リズム
(ミント&アクアは、ルージュの代理としてこのチームに参加)

パッションではなく、ベリーがこのチームにいる。テレビシリーズ中に同棲までいったラブと
せつなは破局して、このカップリングに落ち着いたということか。恋愛というものは、時には意
外なドラマを生み出すものなのです。
足場が少なく一時はピンチに陥るも、
マリンから始まった「自分の嫁自慢大会」で全員が気力ゲージを満タンして復活。
知力なんてものはオマケですよ。マジで。
彼女たちは『嫁への愛』で無限に強くなれます。
アクアの<サファイアアロー>とマリンの<マリンシュート>が同じ水属性ということもあり、
さりげなく融合技になってた。


第3組<レモネードの扱いに苦労するルージュを温かく見守ろうチーム> すごろくステー
ジ(トイマジン&男爵)
ルージュ、ルミナス、レモネード、ローズ、パイン、パッション、サンシャイン、ムーンライト

本来なら第2組に参加するはずのルージュですが、
5gogoの第15話『りんちゃんと豆の木』で、うららはのぞみ並みに放置できない娘だという事
を身に沁みて味わってます。
ルージュがいなかったら、この組はレモネードによって壊滅させられていたでしょう。
単純な戦闘では鬼神並みの強さを発揮するローズやムーンライトも、いまいち存在感を示せ
ず。すごろくというゲーム性が、彼女たちの本来の無双性能を奪っています。
特にムーンライトの真の力を引き出すには、状況がもっと殺伐としないと。
『お勉強対決』…? 違う、彼女を輝かせるのは
『姿を消して襲ってくるプレデター100体を1時間以内に皆殺し』とかだ。
あと、すごろくクリアのためにハーティエルアンクションでトイ&男爵の動きを封じますが、
この状態なら、クリアする前にトドメを刺せたんじゃね?


※その他
・シャドウは、前作のウラガノスのポジション。つか、こんな愉快な性格の奴だっけ?
・満と薫は今回はセリフなし。同じくセリフなしで、薫の腰にすがりつくみのりちゃん。
 薫・みのりのカップリングは本当に安定しているなぁ。
・コッペ様がいなかった…


【クライマックス:妖精たちとの別れ】

くるみが卑怯すぎて言葉になりません。泣きそうだな…と思っていたら
ミルクの姿に戻ってかれんにしがみつく。そして泣きじゃくる。反則だ。

そして、えりか。普段は謎の不思議カワイイ生物と化しておりながら、
いきなり女の子に戻る。
コフレとは離れ離れになるけど、心はいつまでも繋がったままだ。
だから笑おう ――― そう思って涙をこらえようとするのにボロボロこぼれ落ちていく。
(だめだよあたし、泣いちゃ……いつもみたいに笑わなきゃ……)

響とハミィ。

「避けようの無い滅びも、嘆きも、すべて響がくつがえせばいいニャ。
 そのための力が響にはそなわっているニャ」

「 ――― だから、お別れの前にハミィと契約してプリキュアになってニャ」

 「ちょっと待つニャーーー…」
 「似てるけど、そのハミィは偽ものニャーーーー」
 「ぬりゃああああああ!!」


ガジガジムシャムシャ…ッッ……ニャップ♪


 「ふ〜〜、偽ハミィは本物のハミィが退治したニャ」
 「…食っちまいやがった」


プリズムフラワーが与えてくれた最後の奇跡で
もう一度だけプリキュアに変身。
21人が放つ渾身の必殺技オンパレードがブラックホールを撃破した。

妖精たちがいなくなった世界。
しかし、こんなプリキュアの結末を誰が望む?
『未来にとどけ!世界をつなぐ☆虹色の花』というタイトルは
思いっきりネタバレでした。

悲しくて悲しくていっぱい泣き叫んだけど……
別れのあとに訪れた未来は ――― つながってました。
あの時は無くなってた虹色の花が、未来にはしっかりと届けられておりました。
映画は終わりました。
けれど、
プリキュアはいつまでも続きます!!