『映画プリキュアオールスターズNewStage2 こころのともだち』のネタバレ感想


●3月20日追記 NS2考察

…とまずその前に、

本名陽子さん ゆかなさん 田中理恵さん
関智一さん 矢島晶子さん
お か え り な さ い。

前回感想書く前に、これを最初に言うべきだった。
(池澤さん、谷井さんがいないのが残念であるが)
さて。
NS2について、もう一度自分なりに色々思ってみたり考えてみたり。


ゲスト主人公を妖精にする事によって、メイン層の年齢により近づけたのかな。
グレル、エンエンはクラスにいる同級生的な立場。

自分が中心じゃないと面白くないグレルは、他人の迷惑を顧みず、
目立つために乱暴に自己主張する。
逆にエンエンは、気が弱すぎて全く自己主張できず、
結果、クラスの輪から身を引いてしまうタイプ。

こんな対極のキャラですが、どちらもその性格ゆえにクラスに溶け込めず、
疎外感を感じています。
そこから今回の事件が始まるわけですが、
この序盤部分……つまりNS2の土台となる部分、
プリキュアというキャラが好きで、そのために映画を観に来たお友だちにはダルイかもしれま
せんが、けれど、この土台が丁寧に作られているからこそ、
その後のエンエンとみゆきのやり取り、グレルとマナ・六花、エンエンとありす・真琴のやり取り
を乗せても全くブレない。
すなわち、製作側がメイン層である観客(小さな子供たち)に届けたいメッセージ(みゆき・マ
ナ・六花・ありす・真琴の言葉)に、充分な説得力を持たせられる。
(もっとも、小さな子供たちがそれを理解してるかどうかは謎。でも、この時は鼓膜を届いてい
ただけの言葉が、幾年か後、ふとした契機に甦って、その子の成長に繋がるかもしれん)

みゆきは「ごめんなさい」と謝るエンエンの言葉を受けとめ、笑顔で許す。
そして、ちょっとしたお願いを託す。
これは、お姉さんが年下の子供を「信じてあげる」という行為。
マナ(キュアハート)はグレル、エンエンたちだけを先に行かせる。
自分たちが盾となって追撃を防ぐ代わりに、道中の護衛はつけない。
これは、お姉さんが年下の子供を(自分と同じぐらいの責任を果たせる者として)「認めてあげ
た」という行為。
「信じて」「認める」 ――― 子供を、一個の心を持つ者として尊重する行為。
子供の精神的な成長を促す大切な糧(かて)だと自分は思います。
ウン、
成田オカーチャンは、本当に子供の事を考えて脚本を書いてる。
神戸牛のステーキをおごってやりたいです。


●「グレルがいないと、ボクは笑えない」
正反対の性格ながら、クラスに溶け込めないという一点から始まった二人の関係が、いつのま
にか親友と呼べるほどにまでレベルアップしていました。
これは「真逆のキャラでも あい通じてる」という『DANZEN!ふたりはプリキュア』の歌詞のごと
しであり、初代ふたりはプリキュアを思い出さずにはいられません。
なぎさとほのか、プリキュアという道が無ければ交差しなかった正反対の二人。
でも、今は解けない絆で結ばれた大親友(つか夫婦)(ひかりという娘有り)。
最初は全然違う道を歩いていた二人だが、
あるきっかけを境に、お互いがかけがえのない存在になっていく。
筋書きは違うけれど、グレルとエンエンも、同じ物語を歩んでいる。
そう ――― MH組が今作でクローズアップされたのは必然。…かもしれない。


●プリキュア祭り
水晶化の封印が溶けてからのオールプリキュア激走感は快感。
パワーで巨大照明パネルを力ずくで押し返す豪快さ。
白兵戦闘においては初代黒白を始め、戦いの中でみせる動きのキレが素晴らしい。
ミラクルライトの支援、キャラクターも劇場のお子様も、この瞬間一心同体。
遠くから眺める自分も心から幸せになれる瞬間です。

(3月20日追記・ここまで)



●DXからNewStageへ

DXがプリキュア総出演の、いわゆるお祭り場であったのに対して、
NewStageは、そこから一歩外側に踏み出した物語。
ゲスト主人公という架け橋を使って、製作サイドの【伝えたい事】をメインの観客である小さなお
子様へと届けるようになりました。
プリキュアは、DXシリーズの頃と変わらずミラクルライトで応援される側でありつつ、ゲスト主人
公との対話を通じて、これから成長してゆく小さなお子様を応援する立場になりました。


今回のゲスト主役は、ひねくれ男子のグレルと、引っ込み思案のエンエン。
簡潔に述べると、前回のゲスト主役である坂上あゆみの別パターン。
マナたちの言葉にあと押しされて、自分の気持ちと素直に向き合えるようになったグレルとエン
エンが、成長という大切な一歩を踏み出し、物語を大きく動かす点は同じ。

ジコチューだったグレルという子供妖精は、エンエンという<ともだち>と心を通わし、
それは多くの<ともだち>へと繋がるきっかけとなりました。
<ともだち>の数だけ心があって、心の数だけグレル・エンエンの世界は広くなっていく。井の
中の蛙から、大海を泳ぐ魚へと成長するがごとく。
もしかしたら世界なんてものは、みんなの心が繋がって出来ているものなんじゃないかな。
……とまあ、劇場出たあとメモ取りつつ、ふとそんな事を思ってみたり。



さて、言いたいことは言ったので、
こっからはネタバレ上等ではしゃぎます。

なぎ・ほの・ひかのMH一家来た! いやっふーっっ!!
ウン、それだけでもういいや…という気分になって、観賞後、静かに死に絶えました。
次回作からは他の組に順番が回ってセリフ無し・出番一瞬という感じでしょうから、
今回はきっちり喜んでおこう。最期の晩餐的に。
うん、まあ、なんてゆーかね、理屈じゃないんだ、DNAレベルでね…嬉しいですよ。
もっぺんいやっふーっっ!!

なぎさの水晶化の封印が左手だけ解け、コミューン形態で飛んできたメップルをキャッチ。
「デュアル・オーロラ・ウェイブ!!」の掛け声に続いて天へと立ち昇る光柱。
こっからMHファンの伝説が復活!

「ダダダダダダダダ…ッッ!」と拳と蹴りによる掃射突撃。紙のごとく吹き飛ぶカゲたち。
巨人カゲの超重量級パンチの一撃を、こちらもパンチで真っ向勝負し、跳ね返す!
これがパワー・オブ・ザ・パワーことキュアブラック。

キュアブラックとタイプこそ違うが、やはり徒手空拳による格闘型プリキュア。
敵が体勢を崩した一瞬を見逃さない ――― 流麗なる投げ技は、ビルほどもある巨人カゲを
大地に叩きつける。
これが白兵戦闘の技巧達人ことキュアホワイト。

今回はハーティエルアンクション ――― ボスにも有効な広範囲麻痺技でカゲたちを捕縛。
この技ある限り、タコカフェでの食い逃げは絶対不可能。
光のクイーンの命=シャイニールミナス。


変身する前も、転んだ娘(ひかり)を母(ほのか)が即座に抱きかかえ、カゲの攻撃を回避。
なぎさがカゲの注意を引きつけ、母娘が逃げる時間を稼ぐ。
このあたりのコンビネーションも嬉しい。
変身前・逃げてる途中のなぎさ・ほのかとの掛け合いや、変身後のブラック・メップルとの掛け
合いが昔のまんまで幸せ。大好きです。
あと、OPの寝起きのほのかがちょっと色っぽかったです。



●本編の感想

今回は、放送中のドキドキ組と一個前のスマイル組がメイン。

カゲによって、パーティがあると騙されたMH〜スイート組のプリキュアメンバー。
変身アイテムを奪われた所を次々と水晶化されます。
残るはスマイル組のみと、まだ存在の知れ渡っていないドキドキ組のみ。

スマイルパクトを奪おうと忍び寄るカゲの魔の手……の気配を察知する青木れいか。
「くせ者!」と一喝して、その手を払いのけます。
さすが妙にハイスペックなだけあります、この人は。

スマイルパクトの奪取失敗 ――― これにより変身されてしまうものの、
カゲにはプリキュア攻略アイテム『プリキュア教科書』なるものがあります。
スマイル組の必殺技を適切に処理して隙を突き、全員分のスマイルパクトを没収。
他のメンバーと同じく水晶化されてしまうみゆきは、
自分のした事を後悔しているエンエンに託す。……希望を繋いで、と。
「ちょっとピンチ。……いやいや、35点しか取れなかったテストの事じゃなくてね。まあ、そっち
もピンチなんだけど……下手したら補習。やばっ、……あたしの勉強の手伝い、れいかちゃん
たちだけじゃ大変かもしれないから、マナちゃんたちに助っ人お願いって…伝…えて……って、
いやいや、そうじゃなくてー

言っている間に水晶化完了。
とにかく笑顔で託しました。この子供の妖精を心から信じて。
そして、その笑顔に背中を押されるように駆け出したエンエン。
ドキドキ組とドッキドキの遭遇。
グレルもここで合流します。
ついでにカゲも襲来。

ハイスペック生徒会長・苦労人・オールマイティな財閥令嬢・元ラストプリキュアと、
もはや普通の女の子とは呼べぬ集団ですが、初めての本格的なボス戦闘ということで、
思うように敵をクシャポイできません。
……なので、ここでも子供の妖精を信じて、彼らに希望を託します。
その結果、グレルとエンエンが崖から落下して死にそうになったり、
そこを助けてくれた巨鳥モードのポップが
いきなり猛スピードで滝壺に突っ込んだせいで溺死しかけたり……。

とりあえず、妖精たちとアイテムを詰め込んだ檻の引き上げに成功。
しかし、檻は頑丈であり、開けられません。
ポップがC4爆弾に変身して自爆攻撃で檻を壊そうとする前に、
エンエンがグレルの腰に差していたオモチャの剣を使うことを提案。

グレンが自己顕示のために乱暴に振り回していたオモチャ、
しかし、誰かを守るため、助けるために勇気を持って振るった時、
それは自己顕示の象徴から、本当の勇気の象徴へと生まれ変わる。
確かにオモチャかもしれない。
けれど、その剣に込められたグレンとエンエンの想いは、プリキュア世界において、奇跡を引
き起こすトリガーだ。


水晶化の封印が解け、プリキュア大集合からの盛り上がりはすごい。
落下してきたヒマワリ太陽の巨大照明パネルを全員の力で押し戻した後、
プリキュア快進撃タイムスタート。
肉弾最強ブラック・ホワイト、間接支援のルミナス。
今や精霊の力を完全に使いこなし、光となって空を駆け巡るブルーム・イーグレット。
妖精たちのピンチをいち早く察知し、即座に防衛ラインを形成するYes5の皆さん等。
プリキュアにとっての脅威であるカゲの水晶化攻撃は、
劇場に来てくれた子供たちのミラクルライト支援が無効化してくれます。
子供たち頑張れ!


そして、ドキドキ組とスマイル組・新旧のコラボレーション。

キュアマーチの弱点は直球な所。
だからといって、軌道の変化するシュートなど撃ちません。
「直球勝負、上等!!」と、腕を組んで見得を切るキュアマーチ。
うわ、格好良すぎる…。しかも、こっから主題歌入ります。
この演出、最高です。
一発の直球シュートが駄目なら、十発、二十発……体力の続く限り飽和爆撃!
キュアマーチ切り込み隊長に続いて、キュアサニー突撃。
巨大カゲを灼熱パンチで押しまくる。敵の反撃に対しては、キュアロゼッタの完全防御。
キュアビューティ・ダイヤモンドの氷系コンビによる合体攻撃。
両手をチョキチョキさせながら、キュアソードを誘うキュアピース。
一応「…よろしく、先輩」と顔を立ててもらい、合わせ技成功。
トドメはキュアハッピー・ハートのハッピーシャワー&心臓光線。
これぞ『ドキドキスマイルミラクルボンバー!』
キュアサニーが熱く命名しますが、キュアロゼッタが普通の調子で「何それ?」と返してきたた
め、サニーはちょっと恥ずかしくなりましたとさ。


●その他

まさかの大阪名物・納豆餃子飴。
明らかに地雷な食べ物に手を伸ばす剣崎真琴。なかなかのチャレンジャーです。
ちなみに、この時のダビィの表情…。
どうなるか分かった上で、真琴をとめません。つか、すっげえ目が笑ってます。
納豆餃子飴の奇怪な味に悶絶する真琴を見て、
可愛い〜〜とか思ってるんだろな、きっと。


プリキュアパーティに出かけるシーン、
フレッシュ組のあの描写は、またラブのせいで道を間違えたんだろう。
美希たんのジト目ツッコミ。
セリフは聞けなかったけど、きっと嬉しそうにラブをいじりまくってた事でしょう。


来海えりかは出現と同時にやりたい放題だった。なんだ、あの目力は…。
水晶化のされ方も、一人だけアレだな。
復活 → 変身してからも、やっぱりいつものキュアマリン。
おでこパンチに、決めゼリフ「やるっしゅ!」
ラスト、おい、こっち見やがった。