『プリキュアオールスターズDX みんなともだち☆奇跡の全員大集合!』のネタバレ感想


「みんな同じ空の下に」……世界の危機にスーパーヒロイン大集結!!

親子連れに完全包囲される中、静かなること屍の如し……オッサンが一人ひっそりと見てきま
した。
大塚隆史監督という事で、見る前から気合入ってました。


映画が始まると、ダンスコンテストの会場へと向かうフレッシュ組が登場。
ラブが道を尋ねようとして、のぞみと邂逅。
のぞみはタコカフェに行こうとして間違え、逆のバスに乗ってしまった模様。りんと夫婦コントし
ながら去っていきます。
ちなみに、のぞみ(キュアドリーム)の立ち位置は、
まだシリーズとしての歴史が浅いフレッシュ組が主役を務めるこの映画を、しっかり支えてやる
<頼れるプリキュアの総大将>といったところでしょうか。
セリフの一個一個に風格があります。
「大丈夫だよ」「いくよ」等の些細なセリフでさえ、のぞみが口にすると不思議とキマる。
「どこにいるか分からない」という意見に対しては、
「この空の下にいるよ」とスケールのデカい答えを返します。ホントすごい子やなー。

深遠なる闇の底で、フュージョン目覚める。全てを呑みこみ、一つにせんと目論み、地球に落
下。落下現場にいたフレッシュ組と交戦。
液体金属状のボディで変幻多彩な攻撃を繰り出します。
フレッシュ組は3ディメンション・トライアングルアタック。大塚監督らしい、映画のスクリーンに
バリバリ奥行きを持たせる高速戦でフュージョンとの初戦に勝利。

タルトはシフォンをラブに預けて、この危機を皆に知らせるべくパルミエ王国まで走っていきま
す。えーと…ほかに移動手段持ってないのか?
走れタルト(by太宰治)、三日後の日没までに帰ってこないと、親友のシフォンは磔にされてし
まうぞ。とゆー事にはなりませんでした。
テレポートできるんだよな、コイツ。そしてシフォンが勝手に消えたせいで、ラブが重い自責の
念に囚われます。
これ、全くラブの責任じゃありませんよね。
勝手に脱走したシフォンはシベリア送りにするべきです。

パルミエ王国は、「横浜みなとみらい」から走っていける距離にあったそうです…。国内かよ。
パルミエ王国では会議の真っ最中。北○鮮の邪悪な気配を感じたナッツが開発した『レインボ
ーミラクルライト』の説明が行われていました。
「北○鮮が人工衛星と偽って弾道ミサイルを発射したら、これを使って撃ち落すナツ」
「どのタイミングで使えばいいメポ?」
「それはアメリカの判断を仰ぐココ」
そこへタルトがゼ〜ゼ〜息を切らして駆け込んできました。フュージョンの尾行付きで。
……つか、あっさり敵の侵入許すなよ。いっぺん滅ぼされたのを教訓に、防衛体制しっかり見
直せよ。
会議場は大パニック。ポルンが身体を張ってルルンを逃がします。おおっエライ子や。

●プリ伍組
のぞみたち、ようやくタコカフェに到着。エサを見つけたピラニアのように目を輝かせます。

屋外テーブルではシホリーナが談笑中。
お帰りなさい、徳光さん。 ―― 祝・志穂&莉奈コンビ復活。

うらら、美味しそうに出来上がってゆくたこ焼きを見ながら
「カレーをかけたら最強かも」
……これはアリかもしれませんが、続くこまちさんの、
「タコの代わりに羊羹を…」
ねーよ。もはやそれはたこ焼きじゃないだろう…。
そして、のぞみ。
「ソースの代わりにチョコレートをかけたら」
美墨なぎさと同種の味覚を持つ人間がここにいました。

空から降ってきたルルンが、のぞみの顔面にスッポンみたいに張り付きます。
追ってきたフュージョンの一部は、ホシイナー形態で戦闘に入ります。
液体金属の特性で物理攻撃の無効化。
ルージュのファイアーストライクと、アクアのサファイアアロー、炎と水による反属性マーブルス
クリューが炸裂しますが、フュージョンはこれを吸収。
お腹いっぱいになったので撤収します。

●MH組
美味しいチョココロネを求めて、パンパカパンへやってきたなぎさたち一行。
なぎさがチョココロネを買い占めます。
「大空の樹」の下で食べようとする所へ、ムープ・フープがすっ飛んできました。
なぎさの顔面に大激突。
追いかけてきたフュージョンの一部はザケンナー形態に。
続いてすっ飛んできたメップルたちも、なぎさの頭部を直撃。頭蓋骨を陥没させます。そんなこ
んなでパートナーが揃ったので変身可能に。
ルミナスは、ムープとフープを抱いて避難。
ブラックとホワイトは格闘戦特化タイプの戦士。拳と蹴りの火力はピカ一です。
超高速で繰り出す拳打蹴撃の猛ラッシュ……そのキレ味は、シリーズ終了後も全く衰えていま
せんでした。
ホワイトの高速回転の流れから紡ぐ投げ技で、フュージョンの巨体を大地に叩きつけます。
しかし、トドメのマーブルスクリューMAXは吸収され、フュージョンのパワーに変換されてしまい
ました。そして撤収。

●花鳥組
咲と舞がアクセサリーを求めてやってきたのはナッツハウス。しかし今日は会議のため臨時休
業です。
二人の話題は、ナッツハウスの人気マスコットの事に……と、そこへマスコット当人たちが逃げ
てまいりました。
「へえ、確かに可愛いわね」
すかさず天然ボケが入ります。たっぷり間(ま)を取ってから仲良く吃驚仰天。
ココナツシロップを追ってきたフュージョンの一部は、ウザイナー形態に変化。パートナーがい
ないので咲たちは変身できません。ココたちを抱えて逃げます。
上空より目標発見。咲の頭部目掛けてフラッピが急降下ダイブアタック! 咲は寸でのところ
で回避。「暗殺失敗ラピ…」
チョッピも来たので変身可能に。
ブルームとイーグレットの精霊バリアでフュージョンを大きく吹っ飛ばし、精霊光を溜めて爆発
的なジャンプ。舞台を空中戦へと移します。
液体金属ボディを全て液状触手に変えて、フュージョンがプリキュアを迎撃。板野サーカス炸
裂!
強襲に失敗したブルームたちは、池の上に着陸。水面上を滑るように後退します。
起死回生のツインストリームスプラッシュは、やはり吸収。フュージョン撤収。

●風月組
キントレスキーがチョココロネを買いに来ました。しかし、彼が来るよりも早くなぎさが買い占め
てしまったせいで、ひとつも残ってません。
キントレスキーはブチ切れます。
「うおおおおおッ、どこのどいつが私のチョココロネを ――― ッッ!!?」
その激しい憎悪は緑の郷をも巻き込んで、全てを滅びの「無」に還そうとします。
咲と舞がいない今、満と薫が立ち上がるしかありません。
「いくわよ、薫っ。メロンパンと……ついでにこの緑の郷を守るために!」
みのりちゃんと……ついでにこの緑の郷を守るために!」
かけがえのないものを守るため、最強戦士へ戦いを挑む二人。
なぎさのせいで、えらいこっちゃ…。

●フレッシュ組
反属性マーブルスクリュー、マーブルスクリューMAX、ツインストリームスプラッシュの力を得た
フュージョンは超戦士モードに移行。
強大なパワーをフルに発揮して、いよいよ世界を呑みこみ始めます。
VSフュージョン2戦目。
威力的に重い肉弾攻撃に加え、凄く厄介なのが、液体金属のボディを瞬時に流体化させての
高速移動。回避力がハンパねえです。
一瞬で背後を取られるフレッシュ組。彼女たちのスピードでは攻防が追いつきません。
フュージョンの主張は、個性の否定。相反するモノが皆無の「完全なる一」の存在こそが全て。
シフォンのことで負い目を感じているピーチが精神的に破れ、フレッシュ組は闇の中に閉じ込
められてしまいます。


☆そして、スーパーヒロイン奇跡の大集結
「みんな同じ空の下に」

闇の爆心地へと向かうのぞみたち一行。アスファルトを砕き、その下から過去に登場したザケ
ンナー、ウザイナー、コワイナー、ホシイナーが続々と登場し行く手を阻みます。

巨大な敵の手に潰された…かの如く見えた瞬間、
『プリキュア5、フルスロットルGOGO!』に乗って、
プリキュア5&ミルキィローズ、主役待遇のカッコよさで華麗に登場。変身バンクは省略です。
そして、ここからはまさにフルスロットル!
レモネードのオーラバースト ―― 美しい輝きと共に敵の真っ只中を駆けるッ、駆けるッ、駆け
抜けるッッ!
ノーバンク必殺技炸裂。火の球乙女・ルージュのバーストファイアーストライク。合計四個の火
球を連続で放つ空対地攻撃。
ミント&アクアの共闘。
ルルンを守るローズの援護に、ドリームのバーストシューティングスター!

ですが、圧倒的な敵軍の数に、戦線が分断されてしまいます。
しかも、レモネードはミミズが苦手だったり、ルージュはお化けが苦手だったり……。
さらにピンチ。航空機ザケンナーなんて洒落にならないものが特攻してきたり(!)

その航空機の非常識な巨体を、蹴り一発で粉砕したのがブラックとホワイトのMH組。プリキュ
ア一番の火力野郎たちです。
『DANZEN! ふたりはプリキュア(Ver.Max Heart)』に乗って、拳一発が対戦車ミサイル
一発に匹敵(!)するという、その凄まじい格闘力を存分に振るいます。
ルミナスはミサイルバンバン撃ってくる翼竜ザケンナーから必死こいて逃げてます。
ミントがエメラルドソーサーで空中からの爆撃を防御。
ブラック&ホワイトがダブルプリキュアキックで翼竜ザケンナーを撃砕。、アクアが貫通力を大
幅にアップしたバーストサファイアアローで前方から来る敵を撃破。

いくら倒してもキリがない。敵軍に追われるドリーム・ルージュ・レモネード。しかもアクアが機転
を利かして空へと吹き飛ばした蛇口野郎の巨体が降ってくる!
しかし安心。
ブルーム&イーグレット登場。精霊バリアで完!全!防!御!
かかる曲はもちろん『まかせて★スプラッシュ☆スター★』
スプラッシュ発射直前の手繋ぎフォームから繰り出した黄金の閃光手刀突き!
精霊の光でパワーアップした拳の砲弾! ここにいない満と薫の分まで暴れてやれっ!
樹の根を触手のように自在に操るコワイナーの猛攻から、バック走で逃げ続けるレモネード。
こけた所へすかさず入るイーグレットの精霊バリアによるフォロー。
突撃したルージュのパンチに続き、ブルーム&ドリームのダブルプリキュアパンチで撃破。


フュージョンが「完全なる一」のみを肯定するのに対して、プリキュアたちは、違い=個性を大
切にしたい。
上手く言えないですが、完成して、そこで止まってしまった一枚絵ではなく、ピースの組み合わ
せ次第で、出来上がる絵が無限に変化していくジグソーパズルみたいな?
闇の中で手を取り合って立ち上がるフレッシュ組。一人じゃないから手は繋げるんです!

14人のプリキュアが揃い踏み、初代からフレッシュまで名乗り上げのオンパレード。
対してフュージョンは巨大化、最終形態である魔神モードに。
破壊エネルギーの放射光が、ドリームを真っ白く染め上げる。
―― 爆轟。一瞬でプリキュアが壊滅状態に……。
だが、ドリームのたこ焼き発言が起点となって、MH組のチョココロネ、花鳥組のアクセサリー、
フレッシュ組のダンスコンテストへと想いのリレーが始まる。
そして、ドリームが立ち上がる ―― それは窮地からの逆転が始まる瞬間。
(この時かかった曲は『みんなの笑顔を守るため』だったと思う。熱い演出だ)
そして、プリキュアたちが死力を尽くす超攻撃ラッシュに出る。
「ちょ〜短編」の使い回しというなかれ。これぞフレッシュメンバーも加わった完全版である。

上空から撃ちこまれるサファイアアロー! エメラルドソーサー! ファイアーストライク!
しかし、フュージョンは巨大な腕で全ての攻撃を打ち払う。そしてフュージョンの反撃が来る!
体内で練成した超破壊エネルギーを口から発射。完全射程内・直撃コース・回避不可!
……否ッ、ルミナスがフォートレス・シールド発動。その攻撃を防ぎきった!

フュージョンの巨体を駆け上がり、フレッシュ組がトリプルプリキュアアタック!!
続いて飛来したMH組のダブルクラッシュ!!
ニ連続で隕石が直撃したような衝撃に、フュージョンの全身が傾(かし)ぎます。

上空でのバトルフォーム換装→ブルーム・イーグレットからブライト・ウィンディへ。
「風よ!」の後押しを受けて、「光よ!」の連携。
強力な技だが、チャージまでに隙がある。
フュージョンの口から超破壊エネルギーの禍々しい光がこぼれる…。狙いは上空の二人。
「 ―― ッ!」
…やらせないっ。ミルキィローズがやらせないっ!
大地にクレーターを穿つパンチの衝撃で、その攻撃を強制キャンセル!
すかさずレモネードがプリズムチェーンでフュージョンの動きを封じ込める。
チャージ完了 ―― 上空より月と風の神性を帯びた光芒が叩きつけられ、
ドリームのシューティングスターがボディへと突き刺さる!

しかし、それでも倒せぬフュージョン。反撃でプリキュアは壊滅状態。
こんな時、レインボーミラクルライトがあれば…。
ちっちゃいお友達限定じゃなくて、
オッサンのオレでも貰えるようになっていれば……!!

シフォンが全員分のレインボーミラクルライトを持って上空にテレポートしてきました。
フュージョンに捕まえられそうになるも、伏兵・シロップ(怪鳥形態)が救出。
奇跡の光がプリキュアを甦らせます……。
……そして……プリキュアの伝説はこの人の歌から始まった!!

プリキュアの決戦を飾るのは五條真由美の歌声だっっ!!

映画の主題歌『キラキラkawaii! プリキュア大集合♪』をバックに、超必殺級のファイナル
アタックが次々と。
エクストリームルミナリオ!!
プリキュア・スパイラルスター・スプラッシュ!!
ミルキィローズ・メタルブリザード!!
プリキュア・レインボーローズ・エクスプロージョン!!
プリキュア・トリプルフレッシュ!!

フュージョンも最大出力のダークカメハメ波で反撃するも敵わず……
個性バラバラの攻撃が想いをひとつにして、勝利へと突き進むっ!
神でさえ防御不可の超閃光がフュージョンを打ち砕き、彼の者の野望に幕を下ろした。

文句なしの完全勝利。しかし、彼女たちの戦いが終わったわけではない。
真の戦いはこれから……そう、ダンスコンテスト!

フレッシュ組は初舞台ということもあって、大勢の観客を前に超緊張。腰の横で両手をピヨピヨ
させるので精一杯……。まあ、どんまい(笑)
観客席には、キントレスキーをシバキ倒して駆けつけた満と薫の姿が。

そして、エンディング。
こまちが四つん這いで尻にナッツを乗せてたり、ドーナツ咥えて変顔になったなぎさを指差して
いたり…。
ラストの集合写真で、シロップがくるみに浮気っ!? 
メップル、りんにセクハラっ!?


代を重ねるごとに単体でも使用可能なきらびやかな必殺技を会得してゆくプリキュアを前に、
一切見劣りしない初代の豪拳。拳の弾幕は健在でした。
まさか、なぎほのの姿がもう一度スクリーンで見られるとは……
幸せすぎる時間をありがとう。
ファイナルアタックのシーンで14人の叫びが重なっていくところは
マジで魂に震えがきました。

大塚監督の映像演出の大集成とも言えるこの映画、
キャラのアクションひとつにも、凄いものを見せてやろうというこだわりが感じられました。

次回作にも超期待です。