『映画ハピネスチャージプリキュア!人形の国のバレリーナ』のネタバレ感想


【10/19追記】

ブラックファング = 不幸の象徴だとすると、
それを打ち破ったプリキュア・ミラクルラブモーションは、
不幸にくじけずに進み続ける心の象徴……とでもいえばいいのかな?

映画では、ブラックファングの術が解けて、つむぎの足は元に戻ったけれど、
つむぎとラブリーたちは、それを確信してブラックファングに立ち向かったワケじゃない。
ブラックファングという不幸が生み出した甘い幻想の向こう側、
険しい道へと進む勇気が芽生えたからこそ、放つことが出来た技。
もし、つむぎの足が治ってなくても、めぐみたちの心は彼女と共に進む。
つむぎももう、自分の不幸にくるまって、
周囲の人たちを拒絶というカタチで傷つけたり、遠ざけたりしない。
イノセントな気持ちで、しっかりと未来を向くだろう。

「みんなの思い、あなた(=不幸)なんかに消させはしない!」

スーパーハピネスラブリーがぶっ放したプリキュア・ミラクルラブモーションが
それのみでブラックファングを倒してしまうのではなく、
ハピネスチャージ全員の特攻で威力を最大までアップさせて倒す演出になっているのも、
「一人なんかじゃない!」という彼女たちの強い気持ちを表しているように思える。

【10/19追記・ここまで】



アバンからバトル。サイアーク戦。
この戦闘で、シャイニングメイクドレッサーの販促ノルマと、
ミラクルライトを使う時の説明を二つ一気に消化。展開速いな。

 
今作では、ゲスト出演として全国的に超有名なゆるキャラが
プリキュアを応援してくれました。
「わー、流川市の魚心くんだー!」と劇場の子供たちも大喜びでした。

場面変わって、ぴかりが丘保育園での人形芝居。
演目は、ずばり『白雪姫』
 
めぐみの操る王子さまが、ひめの操る白雪姫とキスを……。
だが、めぐみの操作ミスにより、人形同士のキスは失敗。
ひめは自分が操る白雪姫と、めぐみの操る王子さまがキスできなかったコトにご立腹。
こうなりゃ人形の国とやらに乗り込んで
そこでめぐみを修行させて最強の人形遣いに!そしてキス!と、ひめの鼻息は荒いです。
……あれ、こんな話だっけ?

おりしも謎の人形を発見。
プリキュアであるめぐみたちに助けを求めます。
了承すると空間ワープ飛行で、人形の国までご案内♪
最後尾の誠司は、いおなのスカートの中身を全力で覗きながら飛行。

ゆうゆうは…、人形たちにハニーキャンディあげてる。
キャラぶれねえなぁ。この子は。

ここまでがアバン〜オープニングまでの流れ。


人形の国・ドール王国で待ち構えていたのは、
謎のサイアークと、謎のイケメン。
特に後者、ひめのハートを串刺しです。

 
 
 
『恋愛係数298 ――― 執行モード = ノンリーサル・パラライザー』

 
「 ――― 執行します」


とりあえず、ひめはプリキュアの恋愛禁止令を守る気は全くなさそうだ。

てゆーか地球の神ブルーよ、こういうのは放置しといていいのか?と思ったら、
出番早々に【人形化】されてしまった。

 
「…うん、皆の期待を裏切らないね、ウチの神さまは」

勿論まったくアテにしてなかったさ。
ドール王国の城では、つむぎが華麗なるバレエを披露して、
めぐみたちを歓迎します。
プリキュアたちも大盛り上がり。
 
大森ゆうこ曰く、
「感動でおなかいっぱい、胸いっぱい」
ゆうゆうは、相変わらずでした。このキャラクター、ホントぶれない。
しかも、
つむぎが最初からめぐみたちをプリキュアであると知っていた事が引っかかりつつも、
何かしらの行動を起こすにしても現時点では情報が少なすぎると判断して、
とりあえず状況に動きがあるまでは、
「楽しみながら、様子を見ましょ」と、同じく違和感を覚えているいおなに提案。
やっぱ、この子は頼もしいわぁ。
登場して、いきなり敵の術にかかって御退場した神さまよりも、ずっと頼もしいわぁ。

いおなをダンスに誘うぐらさん、あんたマジイケメン(♀)。
もしダビィのように人間化できたならば、いおなと良いカップリングになりそう。


中盤、
誠司の【人形化】を皮切りに、ひめ、めぐみ、ゆうゆう・いおなが分断され、
物語が大きく動き出します。
全てを背後から糸引くは、幻影帝国幹部・ブラックファング。
楽しげに見えるドール王国は、実はつむぎから不幸を搾取するための牢獄。

ジークの気持ちと正体に、二重に打ちのめされたキュアプリンセスは
「やってられっかぁー!!」とブチ切れ、サイアークとの戦闘をボイコット。

キュアハニーが「ら〜♪」と歌うも効果なし。
対惑星攻撃スパークリングバトンアタックで
ドール王国を焦土に変えても戦闘は終わらない。
無限に復活するサイアークに対し、戦術的撤退を強いられるハニーとフォーチュン。
リボン、ぐらさん、グッバイ。

つむぎの件で戦意喪失した熱血特攻隊長キュアラブリーを復活させるのは、
もちろんキュアプリンセスの役目だ。
「落ち込んだり後ろ向きになったり逃げ腰になるのは、ラブリーらしくない!」
貴様は何だ! 親切な人間砲弾・愛乃めぐみじゃねえか!
落ち込み、進むべき道を迷うめぐみに「あなたはどうしたいの?」と訊ねて、
めぐみの答えに応じるように「あなたは一人じゃない」と仲間が心を重ねる場面は、
NewStage2のグレル・エンエンとマナたちが合流する場面を思い出します。
皆に元気付けられてキュアラブリーは再び立ち上がる。
再び城へ戻ろう! 特に策は無いが、難しい事は体当たりで吹っ飛ばすぜ!


 
「世の中には、やっていい事と悪い事があるの!
 他人を不幸に陥れて、それを食い物にするなんて……全くいただけないわ!

珍しく怒りを露わにするキュアハニー、
しかし彼女の個性(胃袋的な意味で)は揺るがない! ホントこの子は!

つむぎを助けるため、黒い繭へ突入するキュアラブリー。
おやおや、暗くて狭い密室の中で二人きりですぞ。

 
「つむぎちゃん…」
「キュアラブリー……」

 
 「つむぎちゃんっ!」
  「キュアラブリーっ!」

 
「お…女の子同士……!」
「あらあら、まあまあっ」

 
「ちょっとちょっとぉ! 何いい雰囲気になってんのよおお!!
 プリキュアは恋愛禁止ーーーー!!!!」

お前が言うか。
キュアプリンセスの爆弾ボンバーが黒い繭を完全破壊。嫉妬する女は怖いです。

 
「めぐみがそういう雰囲気になっていい相手は、わたしだけなんだから…」

かつて誠司に感じた恋は単なるカン違いに終わり、
この国でついに見つけたと思った愛は、プリキュアを分断するための作戦の一環で、
野郎なんかクソ食らえという精神状態になったひめは、
めぐみを生涯の伴侶として定めてしまった様子。二人にさちあれ。

百合パワーフルチャージで、キュアラブリーが突然変異。
ミュータントラブリー誕生。
 



この表情、もはや少年漫画の主人公。

ラストは四人全員で特攻。ブラックファング撃破。ふなっしーも爆発して死にます。



(感想追記)

今回は序盤、オープニング後、中盤、終盤とバトルシーンが多く
その分ガンガン動いていたという印象。退屈に感じる部分は、個人的には無かった。
重いテーマに立ち向かうめぐみ、ギャグ要員(?)として頑張るひめのバランスも良い。
ひめのおかげで、映画全体が重くならずに済んだよ。


敵(かな)わぬ相手と知りつつ、つむぎのために剣を抜き、そしてチカラ尽きたジーク。
そんなジークに続き、自身を省みずに立ち向かい、次々と倒されてゆくぬいぐるみたち。
このシーンが効いて、プリキュアたちの怒りの温度も急上昇。
より熱い反撃展開へと繋がります。


黒繭内部での、キュアラブリーとつむぎの歩み寄りは、
言葉という架け橋に加えて、お互いの心境を表現する動作も描く事で
わかりやすくなってるし、また、しゃべっている内容にも「厚み」を持たせられる。
大事なのは、口から出た言葉それ自体よりも、
それを口にするに至ったキュアラブリーの心です。

お互いが向かい合うも、
身体同士の距離が少し開いた状態で始まるキュアラブリーの謝罪。
言葉で少しずつお互いの気持ちを伝えながら、
やがて手を重ねあう ――― その行為を許せる関係にまで進展。
そして、最後に「謝罪」から「ありがとう」へ心が変化。
→ お互いを大切に抱きしめあう。

ちなみに、この部分は、挿入歌シングルを買って、
カップリングの『見上げれば青い空』を聴いてほしい。
キュアラブリーとつむぎの心がどういう風に寄り添いあえるようになったかが、
全部歌われているので。

(補足)
映画ラストで流れるエンディング曲はおなじみの『パーティハズカム』なのですが、
今作の本当のエンディング曲は、この『見上げれば青い空』
映画本編で流れなかったのは残念。



クライマックス直前で、ようやく活躍の場が回ってきた神さま。
といっても、皆に「ミラクルドレスライト振ってね、じゃ、ヨロシク!」と頼むだけ。
しかも、そのミラクルドレスライト、パワー不足だよ。
ブラックファングの妨害を貫けず、プリキュアまで届かない。
おい、神! 神!


クライマックスでは、
ミラクルライトの光が届かない状況下で、
それでもダークファングに対し、あきらめず単身突撃攻撃を行うキュアラブリー。
倒れた仲間たちの意志を背負い、巨大な敵と単騎でガチバトルって
熱血少年漫画かよ。

神さまが頼りないせいで、つむぎ(一般人の女の子)が奇跡を起こします。
闇を押しのけて輝く真っ白な光。
「シャイニング……メイクドレッサー……」
大逆転ソング、ハピネスチャージの四人が歌う挿入歌『勇気が生まれる場所』が流れます。
これがかなり熱い。ラストへ向けて、非常に良い加速度を生んでくれます。

奇跡の進化を遂げたスーパーハピネスラブリー。
ブラックファングの強力な攻撃を、光のシールドで防ぐ彼女の手に重なってくる
プリンセス、ハニー、フォーチュンの温かな手。
皆の想いが集結し、集束して、大きなひとつの気持ちへとなる瞬間。
つむぎを巡って展開してきた物語全てが熱量となり、一気に燃え盛る!

必殺技は「プリキュア・ミラクル・ラブモーション」
スーパーハピネスラブリーが放つ光撃。
敵がこれを食らっている最中に、そこへ突っ込んで直接気合を叩きこむと威力が極大化。
巨大なハート型の神光は、あらゆる邪悪を完全消滅させます的な技。

スーパーハピネスラブリーの全力飛翔突撃に仲間が次々と合流するという絵柄も熱いが、
なにより、強大な敵をぶち抜くラストシーンで観客の気持ちを沸騰させたのは、
中島愛・潘めぐみ・北川里奈・戸松遥の叫びの威力だ。


テレビで毎回流れているエンディングダンスのステージが
実は飛行船内部に特設されたものだった事が今回の映画で判明。
金かかってるなーというイメージ。
テンション上がってきたので、全員ノーパラシュートで飛行船から飛び降りる。
小さいお子様は真似すんなよ。
落下先は、10周年スタジアム。
リハーサルではちょくちょく客席に突っ込んでいたキュアプリンセスも
練習の成果あって見事着陸。
観客席では、ふなっしーが興奮のあまり爆発して死にます。おしまい。


映画のあとには恒例の春映画の予告。
来年もオールスターズ映画は健在とのコト。
『プリキュアオールスターズ 春のカニバリズム』

……大森ゆうこがアップを始めたようです。


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