ツバメさんポイントカード 01

　相田マナは、幼い頃からいつも自分の隣にいてくれた菱川六花という少女のコトをほぼ解っ
ているつもりだったが、そうじゃなかった。二人が中学三年生になり、お互いの気持ちがどんど
ん惹かれ合うようになって、ついには心の奥の秘密の部分までも打ち解けあうようになっても、
彼女について知らないコトはまだまだたくさん残っていた。

　それに気付いたのは、二人が恋人としての付き合いを始めてから、両親が不在がちの菱川
家で、初めて一緒に迎えた夜 ――― 。

　その雪肌のやわらかさとか、くちづけを誘うようなカラダの匂いとか、ゾクッとくるほど妖しく太
ももをくねらせる仕草とか、マナの名を呼ぶ声の甘さとか、本能のままに交し合ったキスの激し
くも軟らかな感触とか、汗ばむほどに上昇した彼女の体温の熱さとか、色んな場所をさわった
時の色んな反応とか。

　ハプニングもあったが、それでも、以前よりもさらに彼女が愛おしくなった。

　そして、今日は、あれから二ヵ月後。一緒に迎える二度目の夜 ―――――― 。

　六花から「わたしのどこが好き？」と尋ねられるシチュエーションを想定ながら、彼女の顔や
身体にふれてゆく。

　クールで切れ長な目の端っこやほっそりと美しい眉へ、愛しげなくちづけを重ねて。

　くちびるで前髪を払って、いつも自分を助けてくれる知性の詰まったおでこに感謝のキスを。

　黒曜石の長い髪の流れに沿わせた指先を、ひとすじひとすじ愛撫するように優しく往復させ
て。

　つややかな髪から覗く形の良い耳に、くすぐったく吐息を吹きかけて。

　華奢な少女らしさを存分に感じさせる細肩へ、スゥーと五指をすべらせて。

　白磁のように綺麗な背中を、まんべんなく、うっとりと撫でまわし……。

　鮎の尾のごとく、なめらかにくびれた腰を、クイッと自分のほうへ抱き寄せて ――― 。

　とりあえず、現状では全部好きだと答えるしかないなと、マナは心の中で苦笑した。

　数秒間見つめあったあと、彼女のまなざしをかわして、白い肩へ『ちゅっ…』と甘いキス。

　おあずけを食らった六花のくちびるが、切なげな色の付いた溜め息をこぼした。

　マナはちゃんと服を着ているのに、自分は上下共に下着だけの姿で、机の前の椅子に腰掛
けさせられて……。なんだか、捕虜が尋問を受けているみたいな気分だった。

　マナはそんなこと尋ねてこなかったが、もし尋ねられたら、マナがくちびるや指で触れてくれた
部分全部 ――― そう答えるしかない。でも、それだと「答えてないのと同じ」と怒られ、イジワ
ルなさわり方でお仕置きされてしまうかもしれない。

（ほらほら六花、ここがこうされるのがいいの？　ん～、それともこれかなぁ？　……なんてね）

　まだ部屋の電気が点いているせいで、理性の恥じらいが強く、正直なカラダの反応とは裏腹
に、よろこびを含んだ声は六花の喉で押しつぶされる。

　マナが、おなかに指を這わせてきた。六花のおへそを可愛がるように、くるくると指先が円を
描いてきて、そのこそばゆさに上擦った喘ぎを洩らして身をよじらせてしまう。

　後ろ髪が肩にかからないよう、襟足を『くんっ』と外側にカールさせたヘアスタイルは、行動力
の塊のような彼女には良く似合っている。トップ部分で簡単にリボンでまとめたポニーをさわる
と、なんだか小さな犬の尻尾を撫でているみたいで……。

　指でいじるだけでは物足らず、おなかに頬擦りをしていたマナが顔を上げて、再び六花を見
つめてきた。

　マナのお願い事に応えてあげた時に彼女がよく見せる、顔中に感謝の気持ちを広げた表情
と、あの甘い潤みをたたえた双眸 ――― それらをそこに重ねて、六花がクスッと笑みを洩ら
す。

　自分で口にした言葉に、六花自身が、ゾクッ…、としてしまう。まだ１５歳の少女の白い背筋
が、大人びた官能の痺れにうずいた。

（初めての時も、あの表情（カオ）で「したいっ！！」っておねだりされて、結局……フフッ）

　同い年で同じような背丈なのに、体力的には数倍の差がある相手にベッドで組み敷かれる
と、まるで大型犬にじゃれ付かれているみたいで少し怖かった……というのは、マナには内
緒。

　マナが一瞬の思案後、ちろっ、と六花の肌を舐めてからゆっくりと立ち上がり、彼女の耳にく
ちびるを寄せてささやく。熱く、「欲しいよ…」と。

「……でもね、これ以上のコトをしても、六花のココは大丈夫なのかなぁ？」

　六花の顔が真っ赤になるのと同時に、ショーツの生地の上を、つっ…とマナの指が這った。
内側の処女の部分をなぞるように。

「も…もう平気だからっ。この前は……、だって、初めてだったから……」

　下着だけをまとった、ほぼ裸のカラダを縮こまらせて恥ずかしがる六花。その姿にひそかに
胸をキュンキュンと躍らせながら、マナがさらに指を動かす。下着の上から探り当てた浅い縦
のくぼみに沿って、少しいじわるく、じらすみたいな往復。

「もう、あんなお漏らしなんてしないから。……ちゃんとマナとできるように、トイレで練習もした
し」

　なおも恥じらいに浸（ひた）っている六花に向けて、マナが興味津々に瞳を輝かせる。

　ショーツから指を離し、こっそり持ってきていたプラスチック製のポイントカードを手にする。ク
レジット機能の無い、簡単に発行してもらえるありきたりなカードだ。重要なのは、その厚みと、
硬さと、角の丸み。マナは、今夜のお泊まりの前に思いついたことを実行。

　ポイントカードの丸い角を、ショーツ越しに浅い割れ目へと沿わせて、しゅっ、と縦に滑らせ
る。六花の腰が思っていた以上の反応を示し、尻を乗せたままの椅子が軽く軋むほどに揺れ
た。

　恥じらう喉を、喘ぐ声が抜けた。指とは違う、なめらかな硬さが、ショーツの薄い生地の上か
ら、秘所のやわらかな肉スジにクニクニと食い込んでくる。

「六花のした練習ってイメージトレーニングだよね。……あたしとのエッチを想像しながら指を
動かしたの？」

　マナはカードの角の丸みをさっきよりも強めに押し当てて、シュッ、シュッ、シュッ、と処女の恥
裂をこすり上げる。まだ快感にあまり慣れていない部分で、こそばゆさと気持ちよさを同時に味
わう六花が、我慢しきれず、濡れた艶っぽさを含んだ声を上げた。

「ああ…あああっ……だめっ…こんなの……、まだ電気点いてるのに……」

「うん、お漏らし無しで…最後までちゃんと……、はあ゛ぁ…あっ」

　びくんっ！と白い上半身を跳ねるように悶えさせて、六花が妖しく声を震わせる。中学三年生
の少女の、まだ咲き始めたばかりの淫らな姿。

「あはぁっ、本当に…だいじょうぶだからぁ、今日までに四回…練習して……全然お漏らししな
かったんだからぁ……」

　菱川六花は、真面目で通っている学校一の才媛。それがトイレという個室で密かにいやらし
い行為に耽ったということ自体がマナにとっては刺激的なのに、しかも複数回。

　だんだんとチカラのこもってきた六花のふとももを大きく開かせ、すでに湿り気を帯び始めた
ショーツのスジにカードの丸い角を押しつけた。今回からは、長方形の縁（ふち）の部分をも使
用して、なめらかな手首を動きで、縦にしたカードをしつこく往復させる。

「あっ、ひっ…ふあ゛あ゛っ……あっ、だめっ、あっ…あぁんっ、ああっ」

　シュリシュリシュリ…と薄いショーツの生地越しに食い込んでくる卑猥な摩擦が、潤んだスリッ
トを優しくいじめてくる。

　プラスチックという硬い異物の感触に、処女肉を割られながらこすられる ――― 六花の股
間が、もどかしいような快感に炙（あぶ）られ、腰の奥深くから悦びの痺れが強く響いてきた。

　スッ、と立ち上がったマナが、椅子に腰掛けた六花の後ろに回る。その下着だけの姿を背後
から抱きしめるようにポイントカードを持った右手を回し……そのカードをヘラ代わりに使って、
ブラジャーの左側だけをめくり上げた。

　すっかり感じきった股間の、ジンジンとうずく熱さに意識を奪われていた六花が、いきなり片
胸を露出させられて、恥ずかしそうな小さな悲鳴を上げた。

　ふくらみかけの微妙なカーブを描く、初々しい乙女の果実。やわらかな雪肌に包まれつつも、
内側の果肉はまだ固く、あまり乱暴にはさわれない。しかし、発育途中とはいえ感度は高く、マ
ナの手でそのしっとりとした肉感を味わうように丁寧に撫でまわしてやれば、大人の女性と同じ
反応を引き出すことが可能だ。

　特に先端、うっすらと色付いた淡い桜色の乳輪からツンと盛り上がる突起は、くすぐったさに
対しては完全に無防備。ポイントカードの丸い角でスリスリと軽くいじられただけで、

　と、六花はカラダのあちこちに張り付いた電極から微電流を流されたみたいに、その白い上
半身を何度も、びくんっ…びくんっ…！と悶えさせた。

　処女の秘貝の口を、じっとりと濡れるほどに責められたせいで、カラダ全体の感じやすさが、
普段の倍以上に高まっている。１５歳の清純な肢体を、快楽の奴隷へと堕としてしまうほどに。

「六花ってば、本当に敏感♪」と、マナが面白がるように、ポイントカードの角で小ぶりな乳房を
まさぐり出した。

　そう六花が反論する間にも、もちっとした肌の張りに包まれた丸みを、硬いプラスチックの感
触が這いまわっている。カードのなめらかな角や縁が、柔らかな皮膚をこすって、中学生の乳
房に詰まった瑞々しい弾力を肉感的に愉しんでいた。

（う…うっ…、プラスチックで撫でまわされるのって、指でさわられるのと全然違う……）

　太ももの上に置いた手をグッと握って、上半身を落ち着きなくモゾモゾとさせる。左の乳房を
薄っぺらいプラスチックの硬さでスリスリと擦られ、それがくすぐったくて気持ちいい。

　ずずっ…と強く下乳に沿って這い上がってポイントカードの角が、淡い乳輪の中央でキュッと
こわばっている乳首を、ぴんっ、と跳ね上げた。同時に六花が、あられもない悦びの声を放っ
た。

（なんだか、六花の声を聞くだけで、あたしも気持ちよくなってきちゃう）

　服の下で ――― ブラジャーの下で ――― マナの双乳の先っぽがウズウズしてきた。

　カードの丸い角で、やわらかに弾む胸のふくらみを……主にその先端を中心に、こしょこしょ
とくすぐってやる。後ろから覗き込むマナの視線の先で、学校で成績トップの秀才女子が、だら
しなく表情をとろけさせる。

「ふふっ。六花ってば気持ちよさそう……。じゃあ、今度はこんなコトしてみよっか」

　マナが左腕を六花のおなかの上あたりにまわして、彼女のカラダを支えるように抱く。密着し
ただけで、六花が「あああぁ…」と声を震わす。だが、マナは可愛い恋人の期待を裏切って、ポ
イントカードを強めにつまみ ――― まるで三味線を激しくかき鳴らすように……。

　汗ばむ背筋が、ビクンッッ…！と跳ねて、その背中の上で長い黒髪を揺らした。一緒に、ふく
らみかけの乳房も悩ましく揺れた。

　軟らかな乳輪を激しくこすりあげるように、荒々しく上に下にと往復するプラスチックの丸い
角。それは、うら若い乳房を嬲りものにする光景。優しい愛撫に恍惚となっていた淡い桜色の
乳頭が、今は無機質な硬さによって、残酷にいたぶられていた。

　ピンッ…と固く尖って感度を増していた乳首をサディスティックにこすり回される感覚に、六花
が目を白黒させる。ジンジンする痛みが、まだ未成熟な乳房の上で容赦なく暴れて ――― 。

　反射的に白い上半身をよじって逃げようとするも、背後から拘束するマナがそれを許さない。

　耐えきれない六花が、マナの右手を押さえて、「マナッ、マナぁっ」と半ば泣きながら身悶えし
た。

「…や゛っ、ああっ…マナ……手…とめてっ、あぁああっ、う゛…ンンッ、あはあ゛ああッッ！」

　六花の白い背中が、ビクッ、ビクビクッ…！と痙攣。まるで左胸のつぶらな乳突起を、ワニ口
クリップ型の電極で挟んで、一瞬だけ通電したみたいな反応。

　さすがにマナも手を動かすのをやめ、六花の上半身を抱く腕のチカラを緩める。

「はぁっ…はぁっ…」と切なげに喘ぐ六花が、ゆっくりと自分のショーツに手を伸ばし、生地に触
れて確かめる。

　コンクリートの埠頭に波がぶつかって砕けるような感触 ――― 乳房の先を痛みで責め嬲ら
れている内に、股間の奥で跳ね上がったそれは、六花に失禁を連想させもしたが……。

　再びマナの手つきが柔らかくなり、ポイントカードの丸い角を優しく動かして、スリスリ…とくす
ぐったく乳房の先をいらい始める。

　虐められた痛みにうずく乳頭は、触れられただけでビクッとなりそうなぐらい敏感さがむき出
しになっていて、六花はマナの腕の中で、何度もこそばゆそうに上半身をくねらせた。

（先っぽ……まだジンジンして痛いくらいなのに……、でも、やっぱり気持ちいい）

　六花の口もとが、子供のいたずらを優しく咎めるみたいに「もおっ」と弛（ゆる）んだ。

　もう一方 ――― ブラジャーの右側もめくり上げられ、うら若い女子中学生の乳房が二つとも
まろび出る。明るい照明の下で、六花の羞恥心が刺激されるも、それにより興奮が高まって…
…。

　背後のマナを気にする六花のまなざしが、とろり…と妖しく濡れ、吐息も熱く淫らな色を帯び
る。先程、お漏らししていないか確かめるためにショーツへと伸ばした手が、ぴくっ、と動いて、
その細い指が気持ちのいい場所へと触れる。

　右乳房を薄いヘラで持ち上げるように ――― ずずずっ…とポイントカードの面がやわらかな
肌を這い上がってくる。こそばゆいような感覚。それに合わせて、六花の指がするすると動く。

　湿った生地の下、処女の秘貝がぬるりとした蜜を漏らして、はしたなくうずいている。閉じた割
れ目に沿って擦ってきた薄いプラスチックの感触を思い出して、指を往復。ゆっくりとした動
作。快感を求める部分を、あえてじらすように……。

　クリクリと小さな円を描くみたいに手を動かして、敏感な乳首をポイントカードの丸い角でなぞ
っていたマナが、良い事を思いついたみたいに笑う。

「じゃあ、このポイントカードは六花専用にしてあげる。あまり買い物しないお店のだから、かま
わないし……」

　クニクニ…とポイントカードの角が、快感で固くなった乳頭を押し転がしてくる。マナの指や舌
と違う感触。こういうエッチな小道具が一つぐらいあってもいいと、六花は思った。

　肩越しに、後ろにいるマナにうなずいてみせる。その耳もとに、ささやきが寄せられた。

　マナのくちびるがゆっくりと離れ ――― 意味を理解した六花が、顔を赤らめた。恥ずかしい
けど嬉しいという表情。

　椅子に座ったままショーツの両ふちに手をかけ、尻を片方ずつ交互に上げてずるずると脱い
でいく。一度目の時は、電気は消えていたし、すぐにベッドの中だった。いやらしく性器を潤ま
せた股間を、愛する相手の目に初めて晒す。

　もう、やめてよう ――― マナの遠慮ない視線に我慢しきれず、六花が左手で真っ赤に紅潮
した自分の顔半分を隠す。

　真っ白い恥丘を這う、薄い恥毛の黒色。女としての快楽を覚えていた秘部が、処女の恥じら
いを思い出して、その奥にゾクリと震えを走らせた。

　六花の左腰に手を添えて、ポイントカードを持った右手を彼女の両太ももの間へ挿し入れ
る。