『事後からの』 02


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 高速振動している無数の毛先が、羽毛で撫でるごとき微妙なチカラ加減で、すべらかなワキ
のくぼみを舐めるように這う。こそばゆさで頭がおかしくなりそうで、響が無意識にその瑞々し
い肢体を、陸揚げされた直後の鮎みたいに跳ね悶えさせる。
「こーら、そんなに暴れたら、わたしが落ちちゃうでしょ」
 びくっ!びくっ!とわななき震える細い裸身にまたがる奏がクスクス微笑みながら、両手に持
った電動歯ブラシを丁寧に動かし続け、敏感なワキの皮膚をくすぐったさでたっぷりと嬲る。
 淑女の手つきだが、その責めに容赦はない。
 こそばゆさに弱いワキを高速振動するブラシになぞられるたび、響は虜囚が許しを乞うような
言葉を口にして、汗ばむ肌をくすぐったさに打ち震わせた。奏にいじめられているのに、くすぐ
ったさが強すぎて ――― 腰の奥で官能の火がジリジリと熱くうずきはするが、それに性的な
悦びを感じる余裕もない。シャープさを感じさせる双眸は、哀れっぽく涙で濡れていた。
「んっ…んっ! ああっ! やっ…ああっ、奏ぇっ、ねえ……もういいでしょっ」
「だーめ。まだまだ物足りないもの」
 響がまた、びくんっ、と大きく身じろぎ。彼女の胸で健康的に育ちつつある小ぶりな乳房が、
左右そろって『ぶるるっ』と揺れた。まだ熟れていない果実ゆえにそれほど軟らかくはないが、
その分、乳房に肉の弾力が詰まっていて、揺れ方は綺麗だ。
 ――― 食べたくなる。
 奏は電動歯ブラシのスイッチを切り、身をかがめるように上半身を倒して響の乳房に甘いくち
づけ。薄い乳輪で淡く色付けられた先端部分を『はむっ』とくわえ、待ちわびて焦(じ)れていた
乳首をねっとりとした舌の動きで舐め上げた。
「うっ、うあっ…、あっ、アッ、ああっ、あっ、あぁああっ」
 響の喘ぎ声が色っぽく震えた。
 奏がこまやかに舌先を動かして、なめらかな肉の突起をチロチロと舐め転がしてくる。まるで
小さくなった飴玉(あめだま)をもてあそぶみたいに。
ぞくっ ――― と妖しい痺れが肌の下に走った。奏の舌で愛撫されている乳頭が本当に溶けて
しまいそうなくらい甘く疼いて…………。
「くうっ! んっ…んん゛っ」
 鼻にかかったうめき声を上げて身悶えする響。彼女の反応を見て、乳房の先端に舌を躍ら
せていた奏が、「ヂュッッ」ときつめの音を鳴らして、くちびるで強く搾るように乳首を吸った。
「あ゛はっ…はぁああっ、やだっ、あっ、あっ…」
 電動歯ブラシと舌、二つのくすぐったい責めで敏感になりきっていた乳頭を力強く吸引され、
響が官能に痺れた声を上げて全身をひくつかせる。
「あぁんっ、たまんないよぉ…」
 奏のくちびるが乳房の先を解放すると、響は汗ばむ裸身をグッタリと弛緩させた。乱れた呼
吸に合わせて上下する小ぶりな胸のふくらみ。だが、再び奏がその先っぽを咥えると、まるで
筋肉に直接電気を流されたみたいに全身を『ビクンッ!』とこわばらせる。
(フフッ、期待しちゃってかわいいっ)
 いじめてやったら、もっとかわいくなるだろう。
 次はどうやっていじめてあげようかと考えていると、いきなり左手をギュッと掴まれた。奏がち
ょっとあわてる。
(あっ、こらっ)
 一瞬、響が電動歯ブラシを奪おうとしているのだと思ったが、すぐに違うと分かった。響は気
持ちよくなった頭でぼんやりと、ただ奏の手を握りたいと思っただけなのだ。
「……ハイハイ」
 奏が乳房の先から口を離して、小さく苦笑。手の平同士を重ねて、指を絡め合いながら、彼
女の右手をぎゅっとつよく握り返す。偶然、二人の手に挟まるカタチになってしまった電動歯ブ
ラシが邪魔なのは仕方がない。
 きもちよかった。
 ただ手を握り合っただけなのに ――― 響とこうやって繋がっていると、しあわせなぬくもりで
奏は満たされてしまう。

「ん゛…ンっ、んんっ……」
「あぁっ、ンっ、んむっ……ん、んっ……」
 奏の左手と響の右手、二つを固く繋いだまま、少女たちは濡れたキスの音を響かせ始めた。
くちびるのやわらかな感触を一緒に愉しみながら、舌同士を浅くじゃれ合わせる。
「あはっ…、あんんっ…あっ、あッ、奏…くすぐったい……」
「んっ、ねっ…もっと舐めさせて…」
 ベッドに着いた右手を支えに、上半身を深く前のめりに曲げて、響に覆い被さるような体勢。
キスを繰り返すほどに秘所の奥が甘い興奮を募らせて疼いてきた。そのせいで、両太ももを開
いてまたがる少女の白い尻が、時折『ぶる…るっ…』と妙に色っぽくわななき、上下に揺れる。
 愛する相手とのキスに酔っている響が、奏のカラダの下で裸身をくすぐったそうにくねらせ
た。奏の姿勢だと、ちょうど二人の乳房の先が触れ合ってしまうのだ。奏が身じろぎすれば、キ
ュッと固くなった乳頭のなめらかな表面に、ゾクゾクッ ――― と淫靡な痺れが来る。
 ふふっ、と柔らかな微笑をこぼして、奏のくちびるが離れる。
「わたしね、おっぱいの先っぽ同士がこすれるのって結構好き。でもね……」
 再び裸体を起こした奏が、響の腹部 ――― きれいなヘソのくぼみを右手の人差し指で円を
描くようになぞってから、そっ…と手の平全体をそこに重ねた。
「実は、響のお腹を撫でてるほうが好き。響のお腹って、鍛えてるけどガチガチしてないし、見
た目も綺麗だし」
「……そう?」
 奏の手の平が、ぐっと響の腹部を押す。やわらかい女の子の肌の下に、引き締まった肉の
固さを感じる。筋肉特有のしなやかな弾力。
 手の平で何度も、ぐっ、ぐっ、と押しながら響の腹部をまんべんなく撫でまわす。彼女がくすぐ
ったがって悶えようがおかまいなしだ。
「スポーツしてる女の子のお腹って、猫の肉球の次に素敵♪」
「うぅ〜っ、奏の趣味ってイマイチ分かんないっ。…っていうか、くすぐったいからぁっ!」
 こそばゆさに弱いお腹を容赦なく這いまわる奏の手に、ほっそりした上半身をくねくねとよじっ
てもがく響。それを楽しそうな笑顔で眺めていた奏が、長年の付き合いでないと分からないくら
いの小さな落胆を込めて、言葉を落とした。
「わたしも響みたいにたくさんスポーツして、身体鍛えていたらなぁ…」
 響のカラダの悶えが急に止まった。
 奏がいぶかしがるよりも早く、ぐるんっ、と視界が回った。一瞬だった。えっ? ――― と思っ
たのは、響の手に支えられた背中が、優しくベッドに寝かされてからだ。
 響が四つん這いになって、仰向けになった奏の顔と視線を合わせた。
「わたしは奏のカラダ、全部好きだから。奏のお腹だって……まあ、そんなに筋肉付いてない
けど、無駄なお肉も付いてないから」
「カップケーキあげるから、その代わり少し腹筋分けてよ?」
「え、何それ。無理」
 ゆっくりと手足からチカラを抜いて、奏のやわらかい裸体にカラダを預ける。
「奏のカラダは、わたしだけの白くて甘いクリームなんだ ――― って、そう思ってる」
「あっ、こらっ」
 響が、もぞっ、と身体を動かして、まろやかな曲線を描くふくらみ ――― キメ細やかで美しい
雪肌と、瑞々しい肉のやわらかな弾力で作られた乳房へ口を近づける。先端には、微かに桜
色を刷(は)いている程度のうっすらした乳輪。そして、感じやすい乳首が可愛らしくこわばって
いた。
 響のくちびるが、「ちゅちゅっ」と音を鳴らして、コリコリした乳突起をしゃぶる。まだミルクは出
ないけれど、それでも響はおいしそうに乳房の先を吸い上げる。まるで母親に甘えている子供
みたいに ――― 。
「あっ…ああっ、う…んっ…、もお、響ってば……かわいいんだからぁ」
 甘いうめき声を洩らしてした奏が、仕方なさそうにしばらく乳房を預けるコトにした。きゅっ…と
眉根を軽く寄せた表情には、快感に耐える女子のゾクゾクするような悩ましさと、愛しい相手に
身体を求めてもらえる嬉しさが入り混じっている。
 響に吸われて、ジンジンと淫靡な気持ちよさが高まっている胸先と反対側の乳首は、彼女の
指でまったりと揉み転がされている。こっちも自分の物だ、と主張して差し押さえているつもりな
のだろう。微妙な刺激が続いてウズウズしてきたので、奏の手が優しく響の頭を撫でつつ、そ
ちらへと誘導する。
「ほら、いっぱい吸っていいから」
「ウン、奏のおっぱい好き」
 ぷくっと充血して固くなった乳頭を舌先でつつくみたいにチロチロと舐めてから、軟らかな乳
輪ごと『はぐっ!』と欲張りにくわえ込んだ。中学生の乳房といえども、感度だけは大人並み
だ。ググッとくちびるに圧力を加えて乳首を搾るような吸引に、痛いと思うよりも淫らな悦びを感
じてしまう。
「あっ…あんッ、はあ゛あ゛ぁぁっ、そんな吸い方……乳首伸びちゃう…」
 とろん…と溶けてしまっている声と瞳の色。響の口が離れて、がばっと隣の乳房へ移る。乱
暴に乳首をくわえられると、もう一段階、声と瞳の色が溶けた。

『ぢゅっ…ぢゅぢゅぢゅう……ぢゅぢゅぢゅぢゅぢゅっ、ぢゅぢゅうっ』
 ややサディスティックに肉を吸う濡れた音が、小刻みに連続する。敏感な胸先をイジメられて
いる奏は、正直にカラダを反応させて、汗をかいて上気している肌をわななかせた。
 ちゅぽっ、と乳首から離れた響の口が、興奮を帯びた声音で言う。
「奏のおっぱいは、わたしが二つとも征服してるんだよ」
「ん…?」
「だからね、わたしはこの二つのおっぱいに税金を支払うように命じることが出来る」
「はっ? 税金って何?」
「母乳。払わないとお仕置き♪」
 出るわけないでしょ! ――― と奏が呆れて叫ぼうとした矢先に、カプッと軽く乳首が噛まれ
た。虫歯一本無い白い歯並びに上下からガッシリと拘束を受け、敏感な突起がぞくっと疼い
た。
「くうぅーっ!」
 強く噛まれる痛みをとっさに想像してしまい、奏の表情がびくっとこわばる。けれど同時に、濡
れそぼった股の奥で、被虐的な牝の感情が期待を昂(たかぶ)らせた。
 響きの顎(あご)がゆっくりと小さく、そしてなめらかに動いて、奏の乳首を優しく咀嚼する。エ
ナメル質の硬さに乳房の先を噛みほぐされると、奏の口から怯えを含んだ嬌声がこぼれ始め
た。
「あっ、あ゛あ゛あ゛ぁぁっ……あっ、あぁ……ん゛ぅっっ、痛ッ!」
 始めのうちに隙を突いて、一度だけきつめに噛んでやる。そうすると、次はいつまた強く噛ま
れるかという怯えが肌の下にべったりと張り付いて、奏のカラダがいっそう敏感になるのを響
は知っていた。
(奏の乳首……おいしいっ)
 乳房の先をくわえ直して、乳輪の部分からしぼりだすように上下の歯で挟む。つぶらな肉の
突起へチロチロ這う響の舌。たっぷりと唾液を塗りたくってネトネトにしてから、その乳首を再び
丁寧に舐め転がす。
「ああっ……あ゛あ゛あ゛…あっ、やだっ、すごい、ああああっ、あっ……」
 ボンヤリと開いた双眸を涙で潤ませながら、奏が何度も裸身をひくつかせた。今、クリトリスを
さわられたら、それだけで意識が飛んでしまいそうなくらいだった。
 ふと顔を上げた響が、そんな彼女の表情を覗き込んで、にこっ…と快活な笑みをこぼした。
「気持ちよくなってくれた奏の顔見ると、わたしね、すっごく嬉しいんだよ」
 響の顔に目の焦点を合わせた奏がクスッと笑い返して、その言葉を補足する。
「でも、わたしのミルクが飲めたらもっと嬉しい ――― でしょ?」
 響の甘えんぼ。
 そう心の中でつぶやいて、彼女の背中に両手を回してぎゅっと抱きしめる。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

「そうだ、奏も筋トレしてみたら? 魅惑の腹筋が手に入るよ〜」
「そんなに欲しいってワケじゃないけど…。ムキムキな体になったら嫌だし……」
 そう言いつつ響のカラダをチラチラ見る。ピアノの練習で彼女の色んな部分をさわった時の
記憶を思い出して、その感触を指に呼び起こす。両目を閉じて彼女の肌をなぞり、その下にあ
る筋肉の付き方を今までに何度も味わってきた。芸術品に触れているみたいだった。心の中
で幾度となく溜め息をこぼしたことを忘れてはいない。
「じゃあ、明日からちょっとがんばってみようかな……」
「今日やろうよ、奏が持ってきてくれたイイ物もあるし」
 奏がハッとなった。
 響の両手には、さっきまで彼女をいじめるのに使っていた二本の電動歯ブラシ。
 ニィッ、といじわるく笑う響が、とても楽しそうだった。

 まずは腹筋運動。
 仰向けに寝た全裸の奏が頭の後ろで両手を組み、両ひざを立てて、その膝頭へ引き付ける
ように上半身を起こす。簡単な運動だが、一度も出来ない。
「ほらほら奏、まずは10回を目標に」
「ムリムリっ、あぁんっ!」
 一糸まとわぬ全身に、ぞわわっ…と鳥肌立つような感覚が走る。
 電動歯ブラシの『ヴヴ…ヴーーっ…ヴヴヴ…』という振動音が、奏のやわらかな腹部を這って
いる。無数の毛先を高速振動させているブラシが、くすぐったさに弱い場所をスーー…と滑るよ
うに移動。
 奏の隣で横向きに寝そべっている響が、ニヤニヤしながら電動歯ブラシを持った手を動かし
ていた。こそばゆさで奏のお腹が、びくっ、びくっ、と震えるのがカワイイと同時に妙にいやらし
い。
「がんばらないと終わんないよぉ?」
「あっ、だってぇ、お腹にチカラ入らない……あ゛あっ、くううっ!」
 左のわき腹からスーーッと走ってきたこそばゆさが、ヘソのくぼみを横断して、右のわき腹
へ。くすぐったすぎて、腹筋にチカラを込めるどころではない。
 さっき響自身もやられた責めだから、奏が今受けているくすぐったさがよく分かる。
「奏のお腹って、いじめ甲斐があるね♪」
 腹部の白い柔肌に、ぶるっ…ぶるるっ…とさざ波めいた震えが走っている。すごく感じてるん
だろうなぁと思いつつ、電動歯ブラシをくるっと裏返して、振動するプラスティックのヘッドの先
で、ヘソのくぼみをクニクニとほじくるみたいに刺激。奏が泣くような声を上げて、ビクンッ!と
お腹を震わせた。

 結局、腹筋運動は一回も出来ず。次の腕立て伏せも、スクワットも同じ結果。電動歯ブラシを
使われた状態で出来るわけがない。
「まあ、今日は初日だし、これぐらいにしとこっか」
「二度とやらない、こんな筋トレ」
 プイッ、と背中を向けてベッドの上に座る奏が、怒った声でそう言った。その後ろでは、響が
何とか彼女に機嫌を直してもらおうと、愛想笑いを浮かべつつ話しかけていた。
「ごめんねー、奏。ちょっと調子に乗りすぎたかなーって……ウン、しっかり反省してる」
「…………」
「まあ、奏も電動歯ブラシさんざん使ってわたしをいじめたし、おあいこだよね。あはは…」
「…………」
「そうだ、『降参』する。その……今日は特別丁寧に舐めてあげるから」
「敬語で」
「はい、『降参』させてください。今日は特別丁寧に舐めさせていただきますので」
 ようやく奏が響のほうへと向き直った。
 握り合わせた両手を、ちょうど両脚の付け根が隠れる位置で微妙にモゾモゾとさせている。
瞳には欠片(かけら)ほどの怒りも残っておらず、可憐な花の含羞(がんしゅう)で美しく潤んで
いた。
「舐める前に……その、響にしてほしいことがあるんだけど」
「ハイハイ、仰(おお)せのままに」
 いじめすぎると奏は怒る。
 しかし、たっぷりいじめてあげないと、奏は満足してくれない。
 響自身、さじ加減については結構面倒くさいなぁと思っている反面、うまくいくと、心もカラダも
溶けるぐらい熱くした状態の奏を存分に味わえる。今は完全にその状態だ。
 奏のカラダをベッドの上に強引に押し倒し、抱きしめながら唇を奪う。その軟らかい感触を舌
でこじ開け、粘ついた唾液を流し込んで彼女の真っ白な歯列を汚す。奏の背中が悦びで震え
た。
 キスで濡れたくちびるで、響が奏の耳もとにささやきかけた。
「してほしいことって、つまりわたしに犯されたいんだよね」
「ちがうよ、ただ…、今日は少し乱暴にされたいと思っただけで……」
「そう? でも、わたしは奏をめちゃめちゃに犯したいと思ってるよ」
「やだ…そんなこと思ってるの……」
「ねえ、奏…犯してもいいでしょ? 犯させてよ」
 頭の隅っこでペロッと舌を出す。別に本当に犯したいワケではないが、こういう陵辱的な言葉
をあえて使って、奏のいやらしい気分を刺激してやる。
 響の狙いどおり、奏は腰の奥を熱くたぎらせたようだ。響を見返す瞳はすっかりとろけて、声
も淫らな甘ったるさに染まっている。
「もお、そういうの…犯罪なんだからね。ふふっ、でも ――― 響にだけだよ?」
 白い肢体が、響のカラダの下でなまめかしく動いて体勢を変える。その動作に、無性に『ぞく
り…』とさせられて、響が粘つくツバを飲みこんだ。さんざん昂らせたせいか、奏の全身の肌が
オトナの女体以上の色香でぬめっているように感じられた。
 奏の上から退(の)いた響が、左を下にして側臥位になった彼女の右脚を持ち上げて、大きく
開かせた。たったそれだけで、奏が濡れた悦びの声を上げる。
「あンンっ、ほらぁ、響…早く……、わたしを犯したいんでしょ?」
 まだ15歳の奏のカラダは発育途中だが ――― 子宮は赤ちゃんを育(はぐく)むことが出来
る。今の奏は、その大切な場所が泣き叫ぶぐらい、激しく責めてほしがっている。
 彼女の左太ももをまたいで腰を下ろした響が、高く持ち上げた右脚を両腕で抱きつつみ、自
分の腰を奥まで差し入れた。いじめて、いじめられて、トロトロに熱くぬめった二人の秘所を重
ね合わせる。
「行くよ」
 淫らな蜜で汚れた性器を、奏の軟らかな秘貝の肉にこすりつける。二人とも愛液の溢れ具合
は充分だから、ヌルヌルの摩擦感でたちまち快感が高まった。
「やあ゛ああぁぁっ、響…いいのっ! すごいのぉっ!」
 奏が近くにあった枕を掴み寄せて、それをギュッと締め潰さんばかりに抱きしめながら泣き悶
える。響の力強い腰使いで、少女たちの股間が乱暴に愛し合わされる。粘っこい水音が卑猥
に鳴り響き、妖美な感覚で処女の膣が『ゾクッ ――― ゾクッ ――― 』とうずく。

 最初はがんばってグッとチカラを込めて耐えていた奏の腰も、響の腰にグイグイ攻め続けら
れるうちに、徐々にへばってきたらしく、さっきよりも元気がなくなっていた。
(ちょっと活を入れてあげようかな)
 響の右手が奏の乳房へと伸び、その先端 ――― なめらかな真珠粒のようにこわばった乳
頭を強くつまんでひねってやる。途端に悲鳴を上げた奏が、響の手を何度も叩いてきた。それ
でもギュッと乳首をつねったままでいると、手の甲をガリガリと引っかかれた。さすがに右手を
引っ込める。
 痛たたっ、と心の中でうめきながらも、奏の腰にチカラが戻ったのを確認。大きく開かせた奏
の右脚にぐいっと体重をかけて、攻め落とすことを意識した腰の動きに切り替えた。
「ほらほらっ、どんどん犯しちゃうよ、奏っ!」
「う゛う゛ぅ〜〜……っっ!」
 枕に顔をうずめて耐える奏の裸身がベッドの上で激しく揺すられる。呼吸が乱れて苦しいけ
れど、響は休む間も与えてくれない。唐突に、そのカラダが『ビクンッ!』と弾けるように背中を
丸めた。気持ちよすぎて、頭がおかしくなりそう……。
「ふう゛ううっ……、あああああっ、すごいぃっ、すごいい゛ぃぃっ!」
 猥褻な体位で繋がった股間が、強引すぎる快楽に熱く溶かされていた。愛液でネットリと濡れ
そぼった処女の秘肉が、響の腰に攻められてぐちゅぐちゅにとろけている。子供を産む大切な
場所を犯されて恍惚となっている ――― その背徳感を思うほどに、15歳の少女は興奮を沸
きあがらせた。
 響が強く腰を振る。汗ばんだ奏のカラダに何度も小さな痙攣が走るのを見て、たまらない気
分になってきた。大好きな相手が、その白くてやわらかな肌の下に、微弱な電気を流されてい
じめられている光景を眺めているみたいで ――― 。
「奏は犯されるのがそんなにいいのっ? ねえ、毎日わたしに犯されたいっ?」
 奏は枕に押し付けた顔をぶるぶる!と激しく横に振った。しかし、そんな答えでは響は許さな
い。同じ質問を何度もぶつけながら、腰を振るペースを速めた。
 興奮の吐息に喘ぐ唇をペロリと舐め、響が悦びで潤ませた瞳を細める。どんなに速まって
も、決して乱雑にはならず、あくまでなめらかな腰使い。さまざまなスポーツで磨いた筋肉が生
み出すしなやかな力強さで、秘所を淫らに疼かせて悶えている少女へいじわるく屈服を要求す
る。
「奏のいやらし〜いところはホラホラ、こんなによろこんじゃって……。どう? これでもまだ犯さ
れたくないって言い切れる?」
 あまりに揺すられる動きが激しすぎて、奏はもう何も答えられない。
「……くうううぅぅぅぅっ!!」
 枕を必死で抱きしめて、ただもう許してほしいという一心で必死に二度、三度とうなづいてみ
せたが、響にちゃんと伝わったかどうかは分からない。
(もうおねがいっ! これ以上は許して……本当におかしくなっちゃうううっっ!!)
 響の激しい腰の動き ――― お互いの恥裂が漏らした淫らな蜜を潤滑油に、熱くぬかるんだ
秘貝をぐいぐいとこね合わせ、処女の恥肉を官能的な悦びで責めさいなむ行為に、奏の身も
心も強制的に屈服させられてしまう。腰の内側が、ぞくっ!ぞくっ!と妖しい感覚で痺れるたび
に、膣壁がギュッと収縮を繰り返した。
 女子中学生のほっそりした裸身は、ぐっしょりと汗にまみれ、まるで壊れんばかりにベッドの
上で揺すられながら ――― 突然、スタンガンを押し当てられたみたいに、ガクンッ!…ガク
ッ!と大きく痙攣した。
「 ――― ッッ!! ――― ッッ!! ――― ッッ!!」
 いつもは大きな声を出すのに、今日ばかりは頭の中が真っ白になってしまって……。
 奏が絶頂に達するのと同時に、響もまた昇りつめた。
「う゛っ…くぅぅぅぅっ、奏っ…奏っ!」
 彼女の名前を噛みしめて、股間同士をグリグリと密着させる。一番感じている状態が続く内
は、一秒でも長く奏の大切な場所に触れていたかった。
「…はあっ、はあっ、はあっ、はあっ………」
 響が荒く息をつく。
 野性的でしなやかな身体も、今回のハードな行為では結構バテた。筋肉が熱くなって、肌は
湯をかぶったように汗まみれ。
 ゆっくりと奏の右脚を解放して、愛しい人のすぐ隣に身体を横たえる。奏もずいぶんバテちゃ
っただろうなぁ…、大丈夫かなぁ…と心配になって様子をうかがおうとした矢先に、がばっと彼
女がのしかかってきて、そのままベッドに押し付けられた。響の両肩に手をついて、突き刺すよ
うな真剣な眼差しで見つめてくる。
「ねえ、一個だけ聞かせて。響は、わたし以外の女の子を犯したいって思ったことはある?」
「えっ、無いよ」
 質問の意味がわからないという調子であっさり答えた響の顔を見て、奏がいきなりクスクスと
嬉しそうに笑い出した。
「そっか、やっぱりわたしだけなんだ」
「ど…どうしたの、奏?」
「別に。ねえ、またそういう気持ちになったらガマンしないで言ってね。響になら……いいから」
「う…、うん」
「よしっ♪」
 そう言って胸に抱きついてきた奏は、今にも鼻歌を歌いだしそう。……何故だか普段よりもテ
ンションが上がっている。響は戸惑いつつも彼女の髪に指を走らせ、いつものように奏のため
だけの曲を弾いてやる。
「……奏も疲れたでしょ。しばらく休憩して、それから舐めるね」
 優しい運指で彼女の髪を奏ながら、そっと声を送った響が、いつまで経っても答えが返ってこ
ないことに気付き、指をとめた。
 すー…、すー…、と消え入りそうなくらい静かで、穏やかな寝息が聞こえてきた。
「舐めるのは、また今度にしようね」
 奏を抱きしめて両目を閉じ、彼女の身体のやわらかさと体温のぬくもりだけに意識を向ける。
本当に大好きで、たまらなく愛している。
 響はしあわせな気持ちのまま、奏のあとを追うように眠りに落ちていった。


(おわり)