ツバメさんポイントカード 04




「……んっ」と小さな声を上げて、マナの股間から六花の顔が離れる。マナの愛液で、メガネの
レンズの表面が、すっかりべとべとに。
「ふふっ」
 彼女の両足の間でスッと裸身を立ち上がらせ、くいっとメガネを下にずらす。マナに顔を近づ
け、上目遣いで、その表情を観察。
「マナったら、すっかり顔真っ赤」
 目隠しのため、表情の全ては見えないけれど、でも頬を紅潮させて、悩ましげに開いたくちび
るで荒く呼吸する様(さま)は、間違いようが無いほどに『欲しがっている表情(カオ)』だった。
 迷ったけれど、六花はそれを見てメガネを外した。そして、メガネを持った右手をだらりとマナ
の両足の間に垂らす。
(いやらしいマナに、わたしなりの『愛』をあげる)
 冷えた碧玉のようなまなざしでマナの顔をなぞりつつ、くちびるを彼女の左耳にくっつきそうな
ほど近づけて、意地悪く凍らせた言葉で鼓膜をくすぐってやる。
「ツバメはくちばしを使って一生懸命頑張りましたが、王子さまの宝物庫には鍵がかかっていて
開けられません。……こうなれば最後の手段、ピッキングです」
 クスクス…。
 そんな微笑と共に、メガネのツルをつまんだ右手が、緩やかな動作で……。
「あっ…」
 微かな怯えを含んだマナの喘ぎ声。
 ツルの先端、穏やかな『くの字』を描いた耳あて ――― モダンと呼ばれる部分を秘貝の口に
あてがって、ゆっくりと上下になぞってゆく。
 何をされるか解っていても、一切抵抗できない ――― マナをなぶるように、じらすように、恥
肉のスリット越しに、愛蜜でぬかるむ膣粘膜を刺激される。
「……入れちゃう?」
 意地悪さを隠そうともしないささやきが、サディスティックに鼓膜をくすぐる。
 六花がいったん右手のメガネを顔の高さまで持ち上げて、モダンを口内に含み、唾液をこす
りつけながら何度も舐めて消毒。……その数秒後。
 くちゅっ、と蜜まみれの淫らな肉を浅く割って、マナの内側に、初めての異物が侵入してくる。

 ぞくっ ――― ぞくっ ―――

 身動きを封じられた全裸の中学生が、その瑞々しい肢体を激しくわななかせる。肌の下の肉
が、全部トロトロに蕩けてしまいそうなほど気持ちよく ――― 。
 初めての感覚……、声も出せない。
 小指の先よりも細い、なめらかで硬い感触が濡れた粘膜をヌルヌルと這って、入り口を探し
ている。マナが全身を固くして、呼吸を荒げて…………。
「あ、見つけちゃった」
 にゅにゅっ、とマナ自身ですら触れた事の無い部分をモダンの先っぽが押してくる。思わず下
半身をギュッとこわばらせる。それに伴って、膣口の筋肉が収縮して抵抗する。
 だが、六花の右手の指は繊細な動きで優しくツルをいじってくる。強引さで侵入するのではな
く、処女の膣穴に快感を与えてほぐそうと……。
「マナ……」
 マナの耳の輪郭を下から上まで、尖らせた舌先が正確なぞっていく。ぞぞぞっ…と妖しい悦
びにカラダが震えた。
「はああぁ……、あああ……」
 ――― 駄目、もう。六花にどんどんおかしくされちゃうよぉ。

 メガネから解放された切れ長のまなざしが、スッ…と美しく細められた。いつのまにか、やわ
らかな右手首の動きは、小さくなめらかな前後動作に移行していた。
「ほら、ほんの先っぽだけだけど ――― マナの中に出し入れしてるの、わかる?」
 メガネのツルを通じて、右手で感じ取る。モダンが入ってくるたびにキュッと締め付ける膣口
の筋肉の反応。今は恋人となった大切な幼なじみを犯しているようで、背徳的な喜びが六花の
背筋を痺れさせる。
「ねっ、もう少し速く動かしてみる? ほらほらぁ、こんな風にぃ……」
 感じやすい膣口を、なめらかな挿入の刺激がいじめてくる。蜜まみれの異物感が、筋力の弾
力をヌルリと押しのけて、何度も何度も……。
「い゛っ、ふっ…う゛っ、う゛っ、う゛っ、う゛っ…あっ、あはぁっ! ああっ……あああっ!」
 得も言われぬ気持ちよさで処女の部分を責め立てられて、マナが泣きながら嬌声を放つ。膣
で味わう快感に、体中の骨が甘く痺れて、
 まるで、性器にうっすらと電流を流されていじめられているみたいに ――― 。

「あらあら、マナったらぁ、そんなに大きな声上げちゃっていいのぉ?」
 語尾を甘ったるく延ばしてはいるが、その声の響きに潜む感情は嗜虐的。捕らえたねずみを
嬲るネコみたいに……。
 ルールの1つ目を思い出したマナが、快感に喘いでいた裸身をこわばらせて、とっさに声も抑
える。しかし、それはすぐに崩れてゆく。マナが声をこらえた途端、六花の手つきに優しい緩急
が生じた。
「うっう゛っ……ふうっ……っ……っ……」
 目隠しされた表情(カオ)は、両頬を涙でベタつかせて、哀れで、みじめで。……しかし、股間
を犯す快感の責め苦を乗り切ろうとする、一本のか細い意志の糸が残っていた。
 それを、熱っぽく潤んだ視線でなぞった六花のくちびるが、
「あんっ、マナぁ…」
 と、甘ったるい喘ぎを洩らした。
 マナはまだがんばっている。けれど、耐えようとすればするほど、マナの意識は、六花に責め
られている股間の恥部に集中してしまう。
 赤ちゃんを産む場所が、淫らなうずきに支配されている。モダンという無機物の侵入に対して
の抵抗のはずの膣肉の収縮 ――― それが今は、まるで入ってきたモダンを離さないように
と、キュッと締め付けている。
(だめっ……もうあたしのカラダ……言うコト聞いてくれないよぉ)
 ニュルッと入ってきた硬質な感覚が、膣の締め付けをヌルッ…とすっぽ抜ける瞬間。背筋が
仰け反るほど気持ちよくて…………。

 ゾクッ ―――― 。
 ゾクッ ―――― 。ゾクッ ―――― 。

 そばで観察している六花にはハッキリと分かる。マナは完全に快感に酔いしれている。
 愛液でぬかるんだ膣の入り口を、快楽の感触が優しく出入りする。その度に、マナの裸身全
体が、よろこびの喘ぎを上げる。汗ばむ肌の下に走る、びくんっ…びくんっ…という反応。必死
で声をこらえている喉の引くつき。
(ふふっ、ガマンなんて……させてあげないんだからっ)
 メガネのツルをつまむほっそりした指先が、モダンの部分を浅く処女の肉穴に引っ掛けて、
そのとろけた肉を、ぴんっ、と強く弾くように上へ跳ねさせる。
「……ッッ!!」
「ん〜? ん〜? …声出ちゃいそう? こんな恥ずかしい姿を写真に撮られてもいいの〜? 
ほらほら、もっとがんばってガマンしないと……」 
「……っ……っ、うっ…ふう゛っっ……くっ、ふっ、……ッッ……うううぅぅっっ」
 拘束された中学生の少女が白い喉を仰け反らせ、両手の五指でチカラいっぱい宙を掴む。
けれど、そんな彼女をあざ笑うみたいに、濡れた性器の奥をクチュクチュといじり回される。
 マナは、自分が<オモチャ>にされているコトに気付いていた。
 腰をリキませて耐えようとするも、もう数秒も持たない。 ――― なのに、マナに無駄なあがき
を強いてくる。汗まみれになった裸身を淫らな興奮でよがらせながら、顔を真っ赤にして声をこ
らえる滑稽な姿を愉しんで……。

 ブルッ、ブルッ ――― ブルルッ ――― 。

 全身のあちこち、熱く上気した肌に、電気で痺れさせられたような痙攣が走った。
(あたしも、そんな風に六花にいじめられるのをすごく愉しんでる…………!!)
 しあわせが、マナの体中に満ちてくる。
 快感に打ち負かされた膣の入り口をいやらしく責め嬲られて、悦びの声をガマンするのは苦
しい。少しでも声を洩らせば、即座に六花がイジワルな声で煽ってくる。すごく気持ち良くて、す
ごく苦しくて……。それはしあわせの連続。
 最初は快感の刺激に『びくっ…、びくっ…』と疼いていた腰が、今では膣にモダンを出し入れさ
れる都度、マナの意思で物欲しそうに揺すられていた。
「ふふっ、マナはすっかりイケナイ子……」
 メガネのツルをつまんだ右手を絶えず動かしつつ、恋人の左耳が唾液でネトネトになるまでし
ゃぶっていた口で、今度はマナのくちびるから洩れる切ない吐息をふさぐ。
「んっ…んっ、んんっ……」
「んぅっ…んーーーっ」
 二つのくちびるが溶け合うように祈りすら込めて、マナと乱暴なキスを交わす。待ちわびてい
たようにマナの舌が、六花の舌を求めてくる。それが嬉しくて、六花は濡れた舌同士を激しく舐
め合わせた。あふれてくる唾液は二人の舌でかき混ぜてから、仲良く一緒に飲んだ。熱いくち
びるが軟らかな動きでお互いをむさぼり合う。舌もくちびるも ――― 口全部が性器になってし
まったみたいに気持ちいい。
(マナっ、もっとマナが欲しいっ! もっともっとマナを……っっ!)
 ぞくっ、ぞくっ、ぞくっ―――。
 甘美な痺れが腰の奥を ――― 子宮を疼かせてくる。
 六花がかろうじて理性を保っている状態で、愛蜜まみれになったメガネを畳み、そっとベッド
の脇に置く。そしてキスを交わしたまま、マナの左右の手足を拘束するタオルを両方ともほどい
た。


(以下↓ 12月27日更新分)


『ただの女の子』になってしまったマナは、六花の細腕でも簡単にベッドに押し倒せた。視界を
奪われた少女は、これからどんなことをされるのかと微かに不安な感情をにじませて ――― 
そんなマナの反応を見続けたいので、目隠しは解いてやらなかった。
 全裸の六花もベッドの上にあがる。
 気配を感じたマナが、小さく裸身を震わせた。怯えと同時に、淫らな期待を肌に乗せて。
「マナ…」
 六花が伸ばした右手が、マナの左手に重なる。ぎゅっと、ただ強く握り返される。それは、六
花の胸の中に愛しさをたまらなく募らせた。
「今からもっと愛し合おうね、マナ」
 仰向けになったマナの裸身を、やわらかな肢体で包み込む。ガマンできないマナがキスを求
めてくるけれど、六花はクスクス笑って、そのくちびるから逃げる。
「六花ぁ、もういじわるしないでぇ…」
「んー? ほしいのぉ? わたしのくちびる」
「うん、ほしいよぉ、六花ぁ」
「ふふっ、ハイハイ」
 マナの甘えた声音に逆らえず、左手で黒髪をかき上げながら、くちづけを交わす。
 くちびる同士の軟らかさ。お互いの口の中に入ってくる熱い息。
「んん……んっん…」
「あむっ…、んっ、んん」
 マナのくちびるの端橋から唾液が漏れて、つっ…と滴り落ちた。少女たちが、濡れた舌を愛
撫させあう。二人は気持ちよすぎて、腰の奥 ――― 深い場所を甘ったるくうずかせる。
(六花ぁ…)
 六花の右手を強く握りしめたまま、もう一方の手で彼女の背中を撫でまわした。白くて、すべ
らかな肌をこんなにも熱くして、汗もいっぱいかいて……。
(あたしだけの、いやらしい六花)

 そして、六花だけの、いやらしいあたし。

 マナが、キスで結ばれていたくちびるを軽く引いて、かぷっ…と六花の耳たぶに優しく噛みつ
いてみせた。そして、柔らかな肉の感触を歯で確かめつつ、舌先を沿わす。
「んっ…」と小さく喘いでカラダをすくめた六花だが、すぐに左手でマナの腰をなぞり ――― 。
 今度はマナが「ふぁぁっ…」と、とろけた声を上げて、身震いを一つ。
 六花の反撃。
 ベッドと尻の間に強引に滑り込ませた左手で、臀部の柔らかな肉付きを揉むようにまさぐっ
て、さらには指先を尻肉の谷間へ……。
 マナの肩から上が、ぴくんっ、と小さく震えたのが見えた。お尻の穴をさわられることに対して
の羞恥観念。 ――― そして、未知の快感への好奇心。
(ふーん、こんなところまで触られたいのね、マナは)
 淫らな興奮で息を熱くするマナの顔を眺める六花の背に、ぞくぞくっ…と震えが這う。
「お尻をさわられるのが好き? じゃあ、もっといっぱいいじってあげ……あ、こらっ、マナ!」
 白い両太ももの間から、マナの膝頭が覗いた。
「隙あり、だよ。六花」
「あ、ちょっと、マナぁ」
 六花の股間に、マナの太ももが擦れる。感じやすい部分への不意打ちに、尻の谷間の奥に
潜りこもうとしていた指の動きが止まってしまう。
 さらにマナが、ぐっ、と大きく右脚のひざを立ててくる。
 大きく割られる六花の両太もも。その間に挟んだマナの太ももが意地悪くグリグリ動く。びくん
っ、と反応した直後、反射的に腰を上に逃がそうとしたが、
「だーめだよ」と笑うマナが、左脚を六花の右脚の裏から絡めてきて、強く押さえ込む。腰を浮
かせられない。六花の下半身から、抵抗が奪われる。
 チカラずくで脚を開かされてイジワルされる ――― 六花には、ちょっと屈辱的。
(……でも、腰の奥がウズウズしちゃう)
 ぶるっ、と身震いを一つ。
 六花が瞳に恍惚の色を浮かべながら、「もおっ」とマナを睨みつけた。
「ふふっ、そんなコトしてくるんだったら、マナの脚に……おしおき」
 両目を閉じて、自分の腰の動きに意識を向ける。なるべく、いやらしく動けるように。
「あぁぁっ……六花、それ、きもちいい……」
 太陽の下を駆け回るのが似合う、溌剌とした太もも。その表面に、濡れた肉の熱さがヌルヌ
ルと擦り付けられる。「はあっ、はあっ…」と、六花の口からこぼれる喘ぎも、また熱い。
 六花のほっそりした腰が淫靡さをまとって、なめらかに上下の動きを繰り返している。太もも
に処女の性器を押し付け、劣情の匂いをさせる分泌液をこすりつけて ――― 。
「あたしの太もも、ベトベトになっちゃう」
「わざと『汚して』いるのよ。おしおきだって言ったでしょ」
 彼女の言葉に、マナが心の中でこっそりと笑う。『汚して』という部分を強調して言ってみせた
六花だが、この行為は、まるで「マナは自分だけのものだ」とマーキングしているみたいで…
…。
(六花ぁ、かわいいよぉ)
 六花の腰に置いた右手を、時折さするように動かして、淫らな腰振り運動を続けるように促
す。

 マナの左手と、六花の右手。
 繋がった二つの手に、チカラがこもってくる。

「ふふっ、六花ぁ…、いいよ、もっと腰動かして。六花も気持ちいいんでしょ」
「お…おしおきだって言ってるでしょ、もお…」
 濡れたまなざしを開き、うるさい口をキスで塞ぎにいく ――― が、マナの顔がスルリとかわ
す。ムキになった六花が乱暴にくちびるを奪おうとするも、目隠しされているにもかかわらず、
マナは器用に避けて避けて。
「もおっ!」
 マナの左手が、ギュッとベッドに押し付けられる。六花が顔を真っ赤にしていた。
 でも数秒後。
 くすっ、という小さな笑いが六花のくちびるから洩れた。
 くすっ、と同じ笑いが、マナのくちびるからも。
「六花…」
 愛しい相手の名前を口にしたマナが、少女のくちびるを迎えにいく。「許してあげます」と言わ
んばかりにツンと澄ました表情を作って、六花がくちづけを受け入れた。
 握りしめ合った二人の手が、ベッドの上で、ぴくんっ…と震えた。
 マナの右ひざが、徐々にチカラが抜けるように沈んでいった。
 ……くちびるの軟らかさが立てる、濡れた吸引音。
 六花は、もう表情を保てない。
 左腕に『欲しい』という思いを込めて、マナのカラダを強く抱きしめる。同時に、キスを続ける
口から「あああっ…」と微妙な震えを帯びた声がこぼれた。
 やわらかさと、体温。六花の全身でそれを味わう。今この瞬間、マナの体重と同じ重さの黄金
を目の前に詰まれて、どちらかを選べと迫られたとしても、六花は迷い無く、マナを抱きしめ続
けるほうを選ぶ。
 マナを何よりも好きといえる自分が ――― 大好き。
 そして、こんな幸せな自分にしてくれたマナが ――― 大好き。

「おやおやツバメさん、もう腰は振ってくれないのかい?」
 キスを解いた口で、マナがそう言って笑った。
 六花の切れ長な両目には、まだ情欲の潤みがたっぷりと残っていた。
「マナったらいやらしいっ」
 クスクス笑う六花が、マナの太ももをまたいだまま、彼女のカラダに両手を着いて上体を起こ
した。ついでに、汗の湿り気をまとう小ぶりな乳房をコショコショと指でくすぐってやる。
「ひっ、やっ…六花ぁっ」
 マナが可愛らしく身をよじらせてくすぐったがる。その動きに合わせて、健康的な乳房の丸み
に、やわらかな揺れが走る。なんだか、マナがすごくおいしそう。
 六花の喉が、ツバを飲みこむカタチに動いた。
 両手でマナの左太ももをつかむと、彼女はひどくくすぐったがって悶えたけれど、何とか持ち
上げることに成功。続いて、マナの右ふとももをまたいだ腰を、すりすりと前進させる。
「………………」
 目隠しされたマナの表情から、笑いが消えた。
 六花は、マナに横向きの側臥位(そくがい)姿勢を取らせて、さらに左脚を大きく持ち上げて
自分の右肩に乗せ、その脚を両手で掴んで支える。
「何よ、腰を振ってほしいんでしょ?」
 今にもその身に滾った興奮に負けそうな顔で、六花が笑ってみせた。マナの足を大きく開か
せて、無防備にした股間に、自分の性器を押し付けるように ――― 。
 ぶるぶるっ。
 六花が両目を閉じて、眉間に悩ましげなシワを刻んだ。軽く仰け反った顔を、ゆっくりと元に
戻して、興奮をギリギリ抑えている口調で告げた。
「ねえ、分かる? これからわたしたち、セックスするの」
 六花が二人の性器の位置をぴったり重ねるために、もぞもぞと腰を動かした。そんな小さな
動きですら、マナには快感。
「あっ…、あぁんっ、六花っ」
 ゆっくりと、六花が腰を揺すり始めた。股間の軟らかい部分を、お互いの漏らした愛液を潤滑
剤にしてヌメヌメとこすり合わせる動き。それを感じて、マナは全身の肌の下がぞわぞわするほ
どの興奮を覚えた。
「やっ…だめっ、あっ…何か、カラダ……変っ」
 マナが両手でベッドのシーツをギュッと掴んで、切なげに呼吸を乱す。
 二人の処女の粘膜が、同時に一つの快感をむさぼっていた。六花が腰を動かすたびに、濡
れた恥裂が卑猥なキスを交わす。腰の奥が妖しく痺れる。マナの子宮が、六花の子宮の疼き
を感じている。
「はぁああっ、マナぁっ、マナぁっ…。マナの最初のキスの相手も、最初のセックスの相手も、わ
たしなんだからぁぁっ」
「あんんぅっ、六花以外の相手となんて、あたし、しないよぉ」
「そうよ、マナはっ…マナはっ…、ああっ、わたしだけのものなの!」
「そうだよっ、あたしは……六花だけの…ふああぁっ」
「ねえっ、気持ちいいのっ? わたし、マナによろこんでもらえるなら何だってするっ」
 にちゃにちゃ…と粘っこくなった蜜の、熱いぬかるみをこね合わせるみたいに ――― 。
 六花が腰を使うたび、敏感な肉が甘くただれる快感をカラダが覚え、そして彼女はそれに飼
い慣らされてゆく。
(指でするよりも気持ちいいっ)
 胸が淫らな想いにときめく。もっとマナの性器をぐちゅぐちゅにして、いっぱい泣かせて、そん
な風になったマナをさらにいじめて、いじめて、いじめて……。
「やあ゛あ゛あ゛っ、六花ぁっ、六花ぁっ、あたしっ……あたしぃっ」
 マナの濡れた声色に、許しを乞うような響きが交じっているのを感じた途端、『ゾクッ…』とす
る感覚が六花の背骨を貫いた。その声だけで、膣の奥が ―― 子宮が ―― 熱く溶けてしまい
そう。

 女の子同士でも、こうやってカラダを使って、大好きな人と愛し合えるんだ ――― 。六花が
閉じたまぶたの裏で、今さらながらに想った。
 マナの子を身ごもるのは現実的に無理でも、想像妊娠ぐらいなら本当にしてしまいかねな
い。
 六花は口もとにたたえた幸せな笑みは、すぐにカラダで感じるシアワセに呑み込まれた。

「う゛う゛ぅっ、ン…、マナっ、ほらぁっ、ほらぁっ」
「ふあ゛ぁぁっ…、だめっ…腰の奥……来るっ、六花ぁっ、だめ…、あぁんっ!」
 ぶるるっ…。
 ぶるっ……ぶるっ……。
 全身に快感のわななきがあふれて、とまらない。
 股間を重ねた少女たちが、ベッドの上でなまめかしく裸身をくねらせて悶える。
 まだ中学生なのに、赤ちゃんを産む場所に淫らな蜜を分泌して、濡れた肉と肉を愛し合わせ
る行為に酔いしれている。
「ああああっ、マナがどんどん気持ちよくなってる、すごい…すごい……」
 くちゅっ…くちゅっ…と粘っこい水音を響かせて、六花の腰使いがマナの感じやすい部分を責
める。処女肉をマナの性器に押し付けて、猥褻に舐めまわすみたいに。
 とろけた軟肉のヌメヌメとした摩擦……。
 ついにたまらなくなったマナが、大きく喘ぎ声を跳ね上げた。
「ふあ゛あ゛っ、六花っ、いいよぉぉっ……あああああっっ!」 
 その声に、六花の膣内がカッ…と熱くなった。思わずマナの指を脳裏に思い描いて ――― 
その指を絞り上げるようにきつく処女の膣が収縮。背筋をビクンッッ!と強い震えが貫く。
(ダメッ、もう限界っ)
 電流を流されたみたいにこわばったカラダを、マナの上へと投げ出した。六花が倒れこんでく
るのが分かっていたみたいに、その上半身が優しく抱きとめられる。
 マナの肌の熱さ ――― 、
 それを感じた六花の裸身が、また一つ『びくんっ!』と強く跳ね震えた。愛蜜まみれになった
処女の粘膜に、快楽の大波が打ち寄せる。
「マナぁぁっ、わたしっ……もうっ!」
 愛する少女の腕の中で、六花がほそい腰の後ろを、びくっ…びくっ…と激しくひくつかせた。
膣から子宮にかけて、なおも快感の奔流が収まらない。濡れそぼった股間の恥肉が、飛沫を
跳ね上げる滝壷のように、荒々しい絶頂の悦びを迎えた。
「ああっ、だめぇっ、くうううううっっ……!!」
「ああっ、六花…六花ぁぁっ!」
 大好きな女の子のカラダが、その熱くてやわらかな肌を密着させた状態で、扇情的に悶え動
く。マナも、もうガマンできない。欲情と一体化した愛しさが腰の奥に沸き立つ。
(六花……っっ!!)
 全力疾走でもしてきたかのように荒く息を乱す六花の裸体を抱きしめたまま、びくんっ!と腰
の下が快楽のバネを弾けさせた。「…………っっ」と声にならない喘ぎと共に、微かにカラダを
弓反らせて、そのシアワセが全身を貫く感覚をしっかりと味わう。
(ああああっ、すごいっ、これ……すごすぎっ……)
 絶頂感がマナの意識を通り過ぎていく間、きつく歯を食いしばっていたが、やがてゆっくりと、
そのくちびるのこわばりを解いてゆく。
 ――― ああ…、こんなに気持ちよくしてくれて……。
 ――― ありがとう、六花。
 マナの優しい指先が、愛する人の黒い髪を静かに梳いた。
(六花の匂いがする……)
 そっと髪を絡めた指を、自分の鼻にくっつける。深く息を吸う。マナの激しく上下する胸が、少
し落ち着いた。


 ベッドの上で重なった、一糸まとわぬ姿の少女たち。その汗まみれの肌に小さな痙攣を断続
的に走らせて、しばしのまどろみに落ちる。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 ベッドの縁に腰かけたマナの前に両ひざを着いて、ほっそりとくびれた足首に手をやり、かか
とをもう一方の手の平で支え、恭しく持ち上げる。足の甲に頬ずり、そしてキス。足の指の間に
舌を這わして、丁寧に舐める。「あなたを愛しています」という言葉を行動で表現する。
 ようやく目隠しを解いてもらったマナは、そんな六花の姿を眺め、気持ち良さそうに身体を揺
すったり、声を上げていたりしていたけれど、
「六花、六花、遠いよ」
 と、両腕を広げ、彼女を自分の胸へと招いた。
 六花は、すぐにぎゅっとしがみついてきた。マナの胸に頭を押し付ける姿勢で。
「マナ、やっぱりわたしの居場所は、マナのここ」
 愛する人の、心臓の音が聞こえる場所。

 ツバメの死の悲しみで、王子の体内にあった鉛の心臓はパキンと二つに割れてしまったけれ
ど、もし、あの時ツバメが死ななかったら ――― 。
(きっと、しあわせの王子の心臓は、黄金の光に包まれて、あたたかい脈打ちを始めていた)
 それは素晴らしい物語。
 けど、今は……、

 ベッドの上。乙女座りでマナと向かい合った六花は、両端をつまんで持ち上げたポイントカー
ドで、もじもじと顔の下半分を隠すみたいに……。そして恥じらいの上目遣い。
「あ…あのね、マナがさっきみたいに気持ちいいサービスを受けるには、その…ポイントをたく
さん溜めてもらわないといけないの……」
「ふふっ、いっぱいイジメてほしいって、素直に言えばいいのに」
 マナの、その笑顔だけで、カラダがゾクゾクしてきてしまう。
 このベッドごと、マナと二人きりで、終わらない夜の国に飛んで行きたい。

(おわり)