fusion05

 片足をベッドに上げ、ガバッと開かれた股の真ん中、愛液でしっとりと粘つく部分を、なぎさが
手淫でくちゅくちゅと弄ぶ。恥じらいを完全に忘れて、濡れた秘所を大胆に貪る快楽の動きが、
快感に酔い潰れて喘いでいたほのかの目の端に引っかかった。
(あぁ……、私も……早くいじりたい……)
 相変わらず乳首を噛まれて悶え狂いながらも、切なげな色に染まった視線で、なぎさの手の
動きを追う。手淫であさましく股間をむさぼる様を目にして、ほのかの股間もまた、官能の疼き
にウズウズと急かされ、はしたない蜜を滴らせる。
 欲情に濡れた眼差しを感じて、なぎさが胸から口を離して顔を上げた。うらやむような視線が
自分の手元に投げ掛けられているのを見て、なぎさが小さく詫びた。
「……ごめん、ほのか。ほのかも早くしたいんでしょ? なのに、アタシだけ先にしちゃって…
…」
 快感に魂を抜かれた虚ろな声で続ける。
「でもね…、ほのかのすっごくいやらしい声聞いてたら、もう我慢できなくって、たまんなくなっち
ゃったの。ほらぁ……」
 ほのかの視線の先で、さらに大きく脚を広げ、粘っこい愛液がこびりついた秘所を見せ付け
た。まだ無垢な股間の割れ目は、興奮の潤みでぐっしょりと濡れそぼり、なぎさの指の一擦りご
とに、淫らに汚されていく。
「見て、ほのか。アタシの…、わぁ…、こんなに…なっちゃってる」
 先程は、見られるのを恥ずかしがって股間を隠していた少女が、今では見られる快感に酔い
しれていた。ほのかの視線に晒されながら、溶けそうな表情で性器をいじり、ベッドの上でくねく
ねと尻を悶えさせている。同じく肉欲の虜となっていたほのかも、さすがにたしなめざるを得な
い淫らな姿だ。
「きゃっ…、ダ…ダメよ、なぎさ、いくら女の子同士だからって、そんなに堂々と大事なところ見
せたら……」
「…ダメじゃないよ、だって、アタシ…もっとほのかに見られたいもん……」
 両手の指で、秘貝の割れ目を左右に開いて、綺麗な色に息づく粘膜を覗かせた。てらてらと
分泌液でぬめる淫肉に、ほのかの目が吸い付く。初めて目にする秘所の奥、それも愛しいな
ぎさの一番大切な部分である。ごくっ…と喉を鳴らし、憑かれたような視線を送った。
「やだ…、ほのかの目つき…すっごくいやらしい…。ねぇ、もっと見たい?」
 ベッドにごろんっと仰向けに転がり、ぐっと腰を持ち上げて、大きく開いた股をほのかの前に
突き出した。ほのかの視線が自分の恥部に突き刺さっているのを確かめてから、くちゅり…と
淫蜜が糸引く音を立てて、再び濡れそぼった割れ目を指で開く。欲情に滾った粘膜を存分に観
賞させる体勢で「あぁんっ…!」と歓喜の声を吐いた。
「なぎさ……こんな恥ずかしい格好で……。そんなに私に見てほしいの? なぎさのいやらしい
姿を……」
「うん…。ほのかには……ほのかにだけは見せたいの。大好きなほのかの前で、一番大切な
ところをオモチャみたいにいじくって、こんなに感じちゃったアタシの姿を……」
 なぎさの言葉に、狂おしいほどの情欲の波が胸に打ち寄せた。
「わ…私も、なぎさに見せたい……いやらしくなってる所、なぎさに見られたい……」
 上擦った声で呟くほのかが、スカートの両端を摘んで、すぅーっと持ち上げていく。ふっくらと
肉付きのいい白い太ももを、付け根まで露わにしながら、透けそうなほど湿った下着を晒す。
滴り落ちそうなほど愛液を染み込ませた布地がうっすらと匂い立ち、なぎさの鼻をくすぐって挑
発してきた。
「ほのかも…こんなに……」
 引き寄せられるように身を起こしたなぎさが、下着の両側に手をかけ、ゆっくりと引き下ろして
いった。
 白い下腹部に、さわさわと柔らかに縮れる恥毛の繁みが、べったりと濡れて張り付いてい
た。まるで、波打ち際に打ち上げられたワカメのようだ。性的な興奮の満ち潮に伴い、媚びる
ように愛液の涎を垂らす秘所から、生々しい匂いが立ち昇っている。
(なんか、想像も出来なかったな。ほのかの体にも……こんないやらしい部分があるだなんて
……)
 身悶えながらも、穏やかに清純さを纏う容姿と、あさましく性欲を訴える淫猥な局部との対比
が、あまりに著しい。眉目清秀といった顔立ちと、愛液まみれの秘所を何度も見比べながら、
なぎさは、ほのかの肉体に劣情を募らせていった。
「……なぎさに…見られちゃった……、一番恥ずかしい部分が、すごくいやらしくなってるところ
……」
 恋人の視線に晒されて、秘所がゾクゾク…ッと沸き立ってくる。今にも腰が崩れてしまいそう
で、立っているのが危うい。
「言っとくけど、まだまだ見させてもらうからね。スカートも靴下も脱がして素っ裸にしてから、ほ
のかのいやらしいところ…奥の奥まで覗いちゃうからねっ」
 ほのかの体が抱き寄せられて、ベッドの上へとゆっくりと寝かされた。なぎさの手が、ほのか
の身に付けているものを剥いで、全裸にしていく。ほのかは、まるで等身大の着せ替え人形の
ように、体の力を抜いて、完全に身を任せていた。
「ほ〜ら、ほのかもアタシと同じ、すっぽんぽん♪」
 なぎさが嬉しそうに、ベッドに横たわるほのかの体を撫でていった。汗ばんだ皮膚の上を滑っ
ていく手の感触に、生理的に我慢の効かない快感反応で、ほのかの体がピクンッ、ピクンッと
小さく何度も震えた。
「ほのかって、脚もすっごく白くて綺麗……」
 なぎさの手が膝の裏へと滑り込んできた。くすぐったさにビクッ!と跳ね上がりそうになった脚
を抱きかかえ、カタチのいいふくらはぎに頬擦りをしていった。
「ああ…、ほのかのふくらはぎ、すべすべしてるぅ……」
「私の脚、気に入った? どう、美味しそう? ……少しくらいなら、また噛んでもいいよ」
 くすっ…と笑いながら無抵抗を示すほのかの好意に甘え、なぎさがさっきよりも優しめに歯を
立てた。消毒液代わりの唾液を舌ででべっとりとなすりつけ、アゴに力を込める。
「んっ……」
 白い美肉に、なぎさの犬歯が食い込んでいく。微かにほのかの体が震え、痛みに耐えている
反応が伝わってきた。ふくらはぎから口を離して「痛かった?」と尋ねるなぎさに、何でもないと
いった表情をつくろいながら首を横に振る。
「ごめんね、ちょっと歯形ついちゃった…」
「いいよ。これって……なぎさが私にくれた所有印だね」
 自分の脚についた歯形を眺めながら、うっとりと呟いた。
「所有…印? ん〜、つまり、ほのかの体はアタシのものになっちゃったってこと?」
「体だけじゃなくて……心もよ」
 くてんと寝転がったベッドの上で、ほのかの肢体がしなを作り、婀娜っぽい微笑みを表情に乗
せる。全く無防備に投げ出していた両脚をくの字に曲げ、自分の両手で、左右の太ももがベッ
ドにペタンとついてしまうほどまで押し広げた。
「なぎさが望むなら……こんな恥ずかしいポーズだってとれちゃう……」
「ふふっ。じゃあ今から、もっともっと恥ずかしい目にあわせてあげる……」
 ほのかの下半身に、なぎさの上半身の影が被さってきた。ほのかの体の一部とは思えない
ほどの卑猥さで、たらたらと愛液をこぼしながらひくつく性器。周囲に、いびつに縮れた陰毛を
侍らす様がさらにいやらしい。なぎさの両手の指がふくよかな大陰唇を左右に押し広げて、卑
猥なピンクにぬらつく膣前庭を覗いた。
「うわ〜っ、すごいっ。ほのかの中、ぐちょぐちょに濡れてる〜〜」
 顔を近づけると、色情をそそる愛液の臭いが、濃く鼻を突いてくる。その臭いを鼻で何度もす
すりながら、なぎさは唾で応急の消毒を施した指を、粘膜へとゆっくり這わしていった。
「はうぅぅっ!」
 まだ開花していない膣口を、非常に浅くとはいえ、なぎさの指が抉ろうとしてくる。初めて自分
の体内に侵入してきた異物の感触に、ほのかの体がビクンッ!とバネのように跳ねた。
「あっ! ごめんっ! 痛かったっ!?」
「う…ううんっ、ちょ…ちょっとびっくりしただけ」
 なぎさが、興奮の汗に紛れた額の冷や汗を拭う。大切な大切なほのかの処女の部分であ
る。知識もなくヘタなことをするのはマズイ。こういうデリケートな部分の扱い方は、あとで、ちゃ
んとほのかに教えてもらわないと。
「じゃあさ、今度はお尻のほう見ちゃうね」
 素直に裸身を裏返すほのかの体に、なぎさが手を加えて、尻を突き出すような格好を取らせ
た。
「ほのか、こんな格好……恥ずかしい?」
「ううん…、なぎさと二人っきりだから平気……」
 むしろ格好よりも、これからのなぎさの行動が気に掛かる。臀部の瑞々しさ溢れるふくよかな
丸みは、旬の桃の果実である。背後で舌舐めずりしているなぎさを想像して、ほのかは瞳を興
奮で潤ませ、胸をドキドキとさせた。
(……また、いっぱい噛まれちゃうのかな? 今度はお尻に所有印つけられちゃうのかな?)
 じっと身を固くしたほのかの尻を、なぎさの手がさわさわと撫でて検分している。くすぐったい
感触に、臀部の脂肪を悶えさせながら、痛みがくる瞬間を期待し続けた。
 だが、ほのかの予想とは裏腹に、なぎさの両手が、桃の果実を左右に割り広げてきた。尻た
ぶの谷間に、ほのかの肛門がくっきりとその姿を覗かせた。
(ひっ……!?)
 突然のことに、ほのかは声も出せなかった。
「さ〜て、こっちの穴はどうかな〜〜♪」
 楽しげななぎさの声に、ほのかはさらに身を固くした。甘ったるく爛れた羞恥心とは違い、お
ぞけで全身に鳥肌が立つような嫌悪感が湧いてくる。
 毎朝の規則正しいトイレ習慣で、ほのかの体内から捻り出されるグロテスクな排泄物、それ
に付属して、ゆらりと鼻を突く悪臭。いつもと変わらぬ今朝の光景を思い出して、ほのかの顔
から血の気が引いた。今、なぎさが目にしている部分は…………。
「い…いやぁっ!」
 慌てて後ろ手に排泄器官を隠そうとするが、なぎさの手によってピシャリと押さえつけられてし
まう。
「だ〜めっ! ほのかの恥ずかしい所ぜ〜〜んぶ見ちゃうんだからっ!」
 ほのかの抵抗を恥ずかしがっているのだと勘違いしたなぎさは、その羞恥の仕草に昂ぶりな
がら、さらに肛門を覗きこんでいった。尻に顔をくっつけるようにして肛門を観察する視線に、
ほのかの引き攣った表情は映らない。
(やめてっ…やめてっ…やめてぇぇぇっ!!)
 声を麻痺させ、心の中で絶叫するほのか。排泄物の汚れがオーバーラップする穴を、一番大
好きな人の視線が今もなお貫いている。汚くて下品な部分を隠そうと、ほのかがキュッと括約
筋を締めて、肛門をすぼませた。だが、そんなほのかの必死な胸中には思いもよらず、なぎさ
はひくつく肛門に対してさらに興味を寄せてきた。
「あ、今キュッ…てなったよ。こうやって見ると、ほのかのお尻の穴って、けっこう可愛いよね」
 まるで無邪気に背後から話し掛けてくるなぎさに、突き出した尻をビクッ!と震わす。ほのか
の表情が悲愴なほどに歪んでいった。
「ねぇ、こっちも奥まで覗いていいでしょ? ほのか、ちょっとお尻の穴…弛めてもらってもい
い?」
 かたくなに閉じた肛門に、なぎさの指が這う。強張った括約筋を優しく揉み解しながら潜り込
んでこようとする指の動きに、ほのかがついにパニックを引き起こした。肛門をまさぐるなぎさ
の手を暴力的に薙ぎ払い、驚く彼女の前で、ベッドに投げ出した裸体を固く丸め、見えない殻
に閉じこもるような姿勢で全身を硬直させた。
 もちろん悪意が無いのは分かっている。それでも、なぎさの行為に対して怒りが湧いた。しか
し、それ以上に怖れがほのかの胸を埋め潰す。なぎさと目を合わすことが出来ない。
「ほのか……ほのかっ!? ねえっ、大丈夫っ!? ほのかぁぁっ!?」
 完全に顔色を失ったなぎさが、悲鳴に近い声でほのかの名を呼ぶ。ベッドが揺れるほどに激
しくほのかの体を揺すって、何度も何度も呼びかける。
(なぎさ……)
 ようやくほのかが顔を上げた。溢れさせた涙でボロボロになった表情のいたましさに、なぎさ
が息を詰まらせた。
「なぎさ……、私を汚いなんて思わないで……、気持ち悪いって思わないで……」
 もし、なぎさにそんな風に思われてしまったら、心の底から絶望してしまう。あまりにも無残な
行く末を想像したほのかが、背に霜が降りるような寒気を感じて身体を震わせた。
「した後ちゃんと綺麗に拭いてるから……、不潔になんてしてないから……、お願い、私のこと
嫌いにならないで……、なぎさ…」
「ごめんっっ!!!!」
 なぎさの声に障子がガタッと揺れた。耳元でやられたら、鼓膜が吹っ飛びそうな謝り方であっ
た。さらに、猛獣が獲物に喰らいつく勢いでほのかをベッドの上に組み伏せ、力の限り抱きすく
めた。
「ごめんっ、ほのか…。アタシって本当にバカだ…。バカだ……」
 力の込めすぎで、なぎさの両腕がさっそく痺れてきたが、それでも抱き締める力を弛めない。
万力のような締め上げに、ほのかの華奢な体が軋み悶えた。それでも、そんな容赦のかけら
も無い抱擁の中で、ほのかの口元が少しずつ、幸せそうに綻んでいった。
(なぎさ……)
 濡れた花弁のように柔らかな唇が、自然になぎさの名を紡ぐ。唇を動かしただけの、声を伴
わない囁きだったにもかかわらず、なぎさの耳は当然のようにそれを拾って「なに…?」と優しく
尋ね返した。