nameless Flower 05
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
キスは、唇のやわらかさを確かめ合うように、
――― 優しく。
つぼみの気分が落ち着いてきたのを感じ、えりかが唇を離そうとした。
しかし、すぐに熱く濡れた唇が追いついてきて、官能的なくちづけを再開する。
「ン゛ッ……」
硬いレンズの感触が顔に当たる。えりかの指がメガネを上にずらして、唾液に濡れた二つの
唇を激しくむさぼらせた。ますます熱く、軟らかに ――― 朱色の唇がなまめかしく溶け合う。
(つぼみったら、すっかり溺れちゃってさー)
粘っこい唾液の糸を引いて、少女たちの唇が別れた。ぽうっ…と快感に霞んだ眼差しが、え
りかの顔を見上げる。
メガネの位置がそっと戻されて、「今、どんな感じ?」と訊(たず)ねられた。
「すこし……息苦しい気がします……」
つぼみの手が持ち上がり、自分の首を飾る拘束具 ――― 青い首輪へと指を滑らせる。サ
イズ的には随分と余裕があるから、その息苦しさは精神的なものだろう。
身に着けていたパジャマもブラジャーも、えりかに『命令』されて脱いでしまっている。今は彼
女と同じ、白く、可憐とも言える細さの裸体を晒していた。
「あと…」
首輪に繋がるリードを目でたどり、その端を握るえりかの右手をうっとりと見つめた。
「不思議な……感覚です。えりかの次の命令が……待ち遠しいような……」
「おおっ」
えりかが顔を輝かせて、指を大きく広げた左手を差し出した。
「んじゃ命令! 千円ちょーだいっ!」
「…………」
困ったような視線がその手に注がれるのを見て、えりかが気恥ずかしそうに手を引っこめ
た。
「い…いや、その…これは冗談だから、えへへ」
首輪を着けられ、床の上でぺたんと乙女座りしているつぼみの前で、清々しいほどまでに全
裸をさらけ出して堂々と立つえりか。従う者と、主人の構図。
「首輪、似合ってるよ。あたしよりもきっとね」
「…はい」
従順にうなずいた彼女のあごの下へ左手を優しく添えて、くいっ…と顔を上向かせた。切なげ
に潤んだ眼差しを正面から見つめると、えりかの背を妖しい喜びが這い登ってきた。
「お仕置き……欲しいんだったよね。じゃあ ―――― 」
つぼみのあごを、ススス…っと人差し指で撫でくすぐる。
「何されても、絶対イッちゃ駄目。イッたら、ゆりさんをこの部屋に連れてくる。だから、もしイキ
たくなったら ――― ガマンして苦しんで。これ、命令ね」
こちらを見上げているつぼみの瞳を見つめ返して、右手のリードを強めに引いた。
「返事が無いよ〜?」
「うっ…、はいぃ…」
細い首に伝わる本革の感触は、逆らえない立場というものを教育してくれる。また強くリード
が引かれた。つぼみへ、さらに従属的に振る舞いを強要していた。
両脚の間をムズムズ疼かせる劣情に、うっすらと汗ばむ上半身をよじらせる。
「えりかの…どんな命令にも従います。奴隷になった気持ちで……がんばります」
「そっかそっかぁ、つぼみはあたしの奴隷なんだ」
えりかが身をかがめて、つぼみに顔を近づけた。にこやかに笑いながら、彼女の頭を左手で
撫でる。
「でもさ、奴隷のわりには、さっきはあたしにお尻舐めさせたりなんかして……いやぁ〜、偉そう
な態度ですなぁ〜〜」
「ごめんなさい…」
「奴隷のお尻なんか舐めたせいで、口の中汚れちゃった。きれいにして」
えりかが自分の口を指で指して、「あーんっ」と大きく開いた。
「はい」
淫蕩に上気した表情で返事をして、つぼみがまぶたを下ろした。そして、おずおずと口の位
置を重ねにいった。
興奮で熱く湿った、お互いの息が混じりあう。
唇のやわらかさを感じて、えりかの口の中に舌を伸ばした。
(心を込めて、ご奉仕……させていただきます)
ねっとりと濡れた肉の弾力を感じつつ、舌先を使った献身的な愛撫を始める。
ちろりっ…ちろりっ…とゆったりしたペースで、舌の表面はもちろん、その裏側にも舌先を走
らせて、隅々まで丁寧に舐め洗う。
「ん…ふ、ふぅ、ン……んっ……」
不自由な口でえりかが喘ぐ。
最初はだらしなく弛緩していた舌も、くすぐったく舐めまわされていく内に、可愛らしく悶えるよ
うになってきた。
えりかが薄目を開いた。
(うう〜、ヨダレでちゃうー…)
開きっぱなしの口の中に唾液があふれてきている。こぼれる……そう思った瞬間、つぼみが
舌の動きをとめて、二人の口を強く密着させてきた。
「ンむっ…」
うめくえりかの唇から、ねっとりしたぬるさの唾液が漏れてくる。つぼみは舌ですくい取って、
ゆっくりと喉に流し込んだ。
「…………」
嚥下し終えたつぼみが、恍惚とした表情を作った。邪魔になってきたメガネを外して、ぽとっ、
と床に置く。左手を優しくえりかの頬に添えて、彼女の口の中へ奉仕を再開。
(命令でしたよね、口の中を……きれいに……)
えりかのつややかな歯並びに舌を這わせる。そして、舌の先端でコシコシ…と、歯を一本ず
つ、愛情込めてこすり始めた。
(わっ、歯磨き始まっちった…)
両目を閉じたまま、えりかがおとなしく口を預ける。
……特にやることもなく、気持ち良さそうに顔を緩ませながら、終わるのをジーッと待つ。歯磨
きのあとは、舌先で歯ぐきのマッサージまでしてくれるサービスの良さ。
(おお、こりゃあイイ嫁だ〜〜。極楽♪)
最後に「ちゅっ」と可愛らしいキスの音を立てて、つぼみの顔が離れる。
「きれいに……なりました」
はにかむつぼみの前で、えりかが嬉しそうに笑う。
「うへへ〜、毎日やってほしいや」
「じゃあ、一緒に…暮らすようになったら、その時に……あっ…」
淑やかに振る舞うつぼみの両脚の間へ、するり…とえりかの左手がもぐりこんできた。ぐっし
ょりと濡れそぼった恥肉を指先で撫で上げ、ニヤニヤ笑いかけてくる。
「毎日あたしの口をきれいにしながら、こっちをベトベトに汚しちゃうんだ?」
「えりかに喜んでもらえるのが……うれしくて、私のココも幸せになっちゃうんです」
ぶるるっ…と裸身を震えさせて、つぼみが恥ずかしそうに微笑んだ。
えりかの指使いが、じれったくなるような動きでまさぐってくるせいで、乙女の秘所がさらに幸
せな状態になってしまう。
「もっと濡れちゃえ、つぼみっ」
子犬が飛びかかるみたい動きで、つぼみの唇をバッと奪う。彼女の口の中へ、きれいにして
もらったばかりの舌を伸ばして、つぼみの濡れた舌肉を絡めとる。
「んんんんっ…!」
「ンンンンン〜〜〜っ!」
つぼみの口内でピチャピチャ…と唾液が跳ねる。愛しい気持ちで秘所を熱く濡らしつつ、少
女たちが唾液でぬめった舌を一心に舐めあう。
(おいしいよぉ〜、つぼみの舌。食べちゃいたい)
えりかの鼻息がくすぐったいのか、時折、つぼみがこそばゆそうに顔を動かす。
口の中で混ざり合った唾液は、二人で仲良く分けた。彼女たちの喉が同時に動いて、それを
飲み下す。
「んん゛っ」
えりかが嬉しそうにうめいた。指の先に感じる「きゅっ」という濡れ肉の締まり。『にゅぷっ』と
淫唇に添わせていた指を抜いて、ヒクヒクしている媚肉をさすってやる。
(どんどん感じてきてるじゃん、つぼみ。……だいじょうぶかなぁ〜? イッたら、ゆりさん呼んじ
ゃうよ?)
興奮が昂ぶるにつれ、ただ舐め合うだけでは物足りなくなってきた。
べっとりと唾液にまみれた舌肉同士をヌルヌルこすり合わせたり、『ぢゅぢゅぢゅぢゅッッ』と
湿った音を激しく鳴らして吸い出した舌を唇で締めつけながらシゴいてみたり……。
「ハァっ…ハァっ、ハァっ、ハァっ……」
不自由な状態の口で荒く息をつくつぼみ。両目の端からは涙が、唇の右端からはヨダレの糸
が垂れている。
口だけならともかく、下半身の一番敏感な部分も指でなぶられているのだ。
「ぷはっ」と唇を離したえりかが、つぼみの様子をうかがう。
「つぼみのココは……まだまだ余裕ある?」
「えぇ、……大丈夫だと思います」
「そっか、んじゃ…」
えりかの右手が、くいっ、くいっ、と動いてリードを引く。つぼみの瞳が、彼女の眼差しに何をし
たいのかをたずね、そして無言でうなずいた。
床に仰向けに寝そべった裸体に、首輪付きの少女が白い肌を覆いかぶせてゆく。
二人の唇が『ちゅっ…ちゅっ…』と甘やかなキスの音を跳ねさせたあと、つぼみが両ヒジを伸
ばして上半身を浮かせた。えりかのカラダの横に着いたひざを動かして、自分の胸の位置が
彼女の口の真上にくるまで移動する。
「…………」
幸せと色情の入り混じった表情で、興奮の吐息をこぼす。
まだまだ発育不充分の、小さな胸の果実。
右のひじを少し曲げて裸身を傾ける。白くやわらかな皮膚に包まれた右側のふくらみを、授
乳させるみたいにえりかの口に与える。
陶器のようにつややかな乳頭は、透けそうな淡い桜色。キュッと硬くなった突起が「はむっ」と
えりかの唇にくわえられる。
「ウッ…、くぅっ……」
こらえきれず快感の声を洩らす。
えりかの口が『ちゅーっ、ちゅーっ』と吸いつく音を鳴らしながら、胸の先っぽにむしゃぶりつい
てくる。ママに甘える赤ん坊気分を満喫しているのだろう。
(こういう可愛らしい吸い方には……弱いです……)
相手がつぼみということで、安心しきって幼児退行しているえりかをギュギュギュ〜〜っっと強
く抱きしめてあげたい。母性がウズウズと刺激されてしまう。
「えりか、私のおっぱいは……おいしいですか?」
優しくたずねると、えりかが乳首を口に含んだままコクッとうなずいた。唇でくわえた乳首をチ
ュブチュブと吸うのに夢中になっている。そんな彼女へ、いとおしさをたまらなく募らせた。
「ああぁっ、今のえりかはふたば以上にカワイイです……。一度、私のことを『ママ』って呼んでく
れませんか?」
つぼみのリクエストに応えるため、えりかが唇を乳房から離した。
「ねえ、ママぁ」
あどけない口調での呼びかけに、つぼみはうっとりと両目を閉じて、心をゾクゾク震わせた。
(ううっ、い…いいですっ、この『ママ』という響き……。なんという、お母さん的な気分。クセにな
っちゃいそうです……!)
全身にあふれてくる幸せに、すっかり表情も緩んでしまう。
「ねーねー、ママぁ、ママぁ」
「な…なんですかぁ、えりかぁぁ?」
「ママのおっぱいは、どうしてミルク出してくれないのぉ?」
「ごめんなさい、ママはまだ…中学生ですから……」
「あーっ、言い訳するんだ? ママってばあたしの奴隷のくせに〜〜」
首輪に繋がるリードを、えりかの手がいじわるく引く。
「ごめんなさい…ごめんなさいっ、どうか……」
こればっかりは命令されても出すことはできず、ママ役の雰囲気に酔ったつぼみが涙ながら
といった感じで詫びてみせた。しかし、えりかはそれを許さず駄々をこねる。
「やだっ、飲みたい飲みたいっ……飲ーみーたーいーっ」
「ああぁっ! えりかっ、カワイイですっ、カワイイですっ!」
感極まったつぼみが、悲鳴を叫ぶみたいに声のトーンを跳ね上げた。無理だと分かっていて
もミルクを飲ませてあげたくなって、肉付きの浅い胸をムギュッとえりかの顔に押し付ける。
「むううっ、苦しい…」
「苦しがるえりかもステキですっ! カワイイですよっ!」
えりかの顔面が、よけいにギュウウッ!と押し潰されてしまう。あわててリードを握った右手を
振り回して首輪を引っぱる。
すぐに我に返ったつぼみが、ハッ、と上体を浮かせた。
「だっ…だいじょうぶですかっ、えりかっ!」
えりかが疲労の溜息をついて、呆れたみたいに笑う。
「もおっ、落ち着けって、つぼみ〜〜」
「ごめんなさい、まさしく汗顔(かんがん)の至りです。いくらえりかが可愛いからといって……取
り乱しすぎました……」
「ふふっ。まっ、仕方ないか。あたしが美少女すぎるんだもんね〜♪」
つぼみがクスリ…と笑って、その言葉を肯定する。
「はいっ。えりかは世界一かわいい、私の自慢の娘です」
「いやいやっ!? 本当の母子(おやこ)じゃないでしょっ、あたしたち!」
……つぼみが完全に正気に戻ったのは、さらに5、6回、首輪に繋がるリードをビシビシと引
っぱられてからだった。
「じゃあ続けるよ、『ママ』」
えりかの唇が、また乳房に添えられた。熱い息遣いが胸の先をくすぐる。
「あっ」
短い嬌声がつぼみの口をついた。ピクッ…と可憐に反らせた背中に、えりかの細い両腕が抱
きついてくる。
ちろぉっ…。
ツンと硬くなった小粒な乳首を、下から舐め上げられる。
「今度はね、たっぷりといじめてあげるからね」
ほんのり唾液に濡れた乳頭が、優しく唇についばまれたあと、こまやかな舌の動きに舐め洗
われる。くすぐったくて……、でもそれだけじゃない。
ぞくっ ―――― 。
敏感な乳首が、官能的なむずがゆさになぶられて、快感に支配されている。えりかが焦らす
ために舌使いを緩めると、つぼみは泣きそうな声で喘いでおねだりした。
(たまりません、この気持ちよさ……。えりかの舌、すごくいやらしいです……)
ビクッ、ビクッ…と、つぼみの正直なカラダは何度も反応していた。
下半身で高まる肉欲のうずきが、秘所に熱い蜜をあふれさせる。
(…軽くでいいです。さっきみたいに、ココを……いじってもらえたら ―――― )
ディープキスの際に腰の恥部にあてがわれた指の感触を思い出した途端、
「ううっ! あ…ハァッ…!」
びくんっ!と大きく跳ねた尻に、ぶるぶるぶる…と痙攣が走る。
「ん〜〜? ママぁ、……もしかしてイッちゃった?」
「だいじょうぶですよ、えりか。まだ…まだ、私は……がんばれますっ」
「ホントにぃ〜?」
クイッ、とリードが引かれた。
えりかの裸体の覆いかぶさるような姿勢のまま、胸の位置を変える。今度は左の乳房をいじ
めてもらう番だ。
(熱いです……私のココが…すごく熱くなってます……)
やや突き出し気味の尻をクネクネ揺らしながら、「ンぅ〜」と甘いうめき声を上げて、えりかの
唇に胸の先端を預けた。
――― 鼓動が速くなっているのが分かる。
(たぶん、このままだと私は…………)
最初に強く吸われた。気持ちよすぎて、つぼみの両眼から涙がこぼれ落ちる。
――― もう自分でいじってしまいたくなる。我慢するのが……あまりにもつらい。
乳首が『チュチュチュチュッ…』と小刻みに吸われる感触に続いて、すぼめた舌先が乳輪に
沿ってクルクルとなめらかな円を描いてきた。
「あはっ…はっ……ああっっ…うっ、あっ、すごいっ……ガマンできませんっ!」
つぼみの背中が大きく反り、えりかの唇から乳首がすっぽ抜けた。
ぞくぞくぞくっ ――― 。背中を走り抜ける官能の痺れ。
我慢できなくなって自分から逃げたのに……。すぐに、乳首を舌先でいじられる刺激が欲しく
てたまらなくなってきた。
「…わ…私のカラダ……、さっきよりも熱くて……おかしくなっちゃってます……っ」
「あたしの命令……忘れてないよね?」
ああっ、とつぼみが切なげな艶声を上げて、かぶりを振った。
「忘れてませんっ…、でもっ……」
本革の首輪にピシッ…ピシッ…とリードを引かれる動きが伝わると、つぼみはいったん言葉
を切って、胸をえりかの口もとへと寄せた。
「苦しいです。イクなと言われているのが……本当にツラいです……」
フニュッ。
やわらかな乳房へ強く押し付けられた唇。プリンにむしゃぶりつくみたいに「はむはぐっ」と味
わってから『ぢゅるぢゅぢゅううううっっ』と派手に音を立てて、乳首を引っぱり伸ばすみたいに
バキューム吸引。
「ンッ…はぁっ! 痛いぃっ……!」
つぼみがほっそりした裸身をプルプル…と震わせて喘ぐ。上体を支える両ヒジから力が抜け
て、今にも崩れてしまいそうだ。
ぷはっ、と離れた唇が、また「はぐっ」と乳房に食らいついてきた。
「…あ゛あ゛っ!」
えりかのカラダにかぶさる少女の背が、びくっ、と強く跳ねる。きつく吸い嬲られたばかりの乳
首に、ツッ…と硬い歯の感触が当てられたのだ。
――― えりかは時々だが、本気で噛みついてくることがあった。つぼみの痛がる様子を愉し
むために。
駄目と叫びたい。けれど口は「…………」と声を発せずにいた。精神(こころ)が奴隷として服
従する悦びに侵されてしまっている。
(い……いいですよ、噛みたければ噛んでくれても…………)
おびえと期待が入り混じったつぼみの反応を感じて、えりかが舌と歯の両方を使って、敏感
な胸先をいじり始める。
「うっ…ウウッ、ああぁぁああああ……あ、あっ……はぁぁぁあああ……」
つぼみの口からは、なまめかしい声がだだ漏れになっている。尖らせた舌先で小さな乳頭や
乳輪を舐めまわされて、その甘痒いくすぐったさに悶えている乳首を硬い歯の感触でこすられ
る。
熱い蜜で沸いた秘所に、ジ……ンと快楽の痺れが響き渡る。
(あっ…)
つぼみが尻をモジモジ動かしながら、いやらしく下半身をくねらせた。
(だめ、腰が…すごく火照って……。これ以上熱くなったら、私、イッちゃいます……)
リードが引かれた。
上体を動かして、反対側の乳房をえりかの口に与える。
乳首の先端を前歯でなぞられて、びくんっ、とつぼみの背中が激しく跳ねた。胸の先っぽに歯
が触れるたび、「あ゛ああぁぁっ…」と泣き崩れるような声を洩らす。おびえを走らせているカラダ
は、いつもの何倍も感じやすい。
「ふああぁああ……えりかの歯がぁ…んん〜〜っっ!」
コリコリした小粒の突起が、上下の前歯で軽く挟まれた。えりかがあごにゆっくりと力を加え、
優しく甘噛みを繰り返す。少女の乳首から母乳の代わりに、快感を搾り出すために。
エナメル質の硬さに乳頭を揉みしだかれて、つぼみの喘ぎ声がますます強く震えだした。
「あ゛っ、あ゛っ、あ゛あ゛…あ゛っ、アアァッ……えりかっ、私……、くうぅぅっ!」
前歯で上下から固定された乳首を、えりかの舌がチロチロッ…と這った。こそばゆさに耐えき
れず、つぼみがビクンッ!と裸体をよじらせて、少女の口から逃げた。
その拍子に、がくっ…と上体を支える腕から力が抜けてしまう。
「はうぅ…」
脱力した声を洩らし、えりかの上に突っ伏す。苦しげに呼吸を喘がせて、彼女の頭を両腕で
抱きしめる。
「んっ…、つぼみイッたー?」
「いえ、まだです……、でも、すごくイキたいです……」
はぁっ…はぁっ…と口からこぼれる熱い息に、すすり泣く声が混ざり始めた。ガマンすればす
るほど、腰の奥深くに微弱電流を流されているような疼きが延々と続き、彼女を苦しめる。
「泣いちゃうほど気持ちいい?」
淫らに汗ばんだ白い裸身が、えりかの手で床の上に仰向けにひっくり返された。
「つぼみ、ママごっこはもう終わりにしよ。だってさー……」
弛緩して投げ出されたつぼみの両脚の間へ、えりかが身体を進めていった。そして、彼女の
両ひざ裏へ左右の手を差し込み、ガバァっ!と派手に持ち上げた。
「娘に大事な所とお尻の穴を同時に見られちゃうなんて、恥ずかしすぎるもんねーーっ」
一瞬、つぼみは自分の取らされた体勢がわからなかった。
床に着いた背を支えに、下半身を高く持ち上げられ、局部を晒しものにされる体位。両脚
は、広げられた姿勢でえりかの両手によって押さえつけられている。
「あっ…あっ…」
あまりの恥辱的な姿に悲鳴すら上げられず、自分の顔を両手で覆うのが精一杯だった。
ベタッと床に尻を着けて座ったえりかが、肉感的に迫った乙女の恥部をまじまじと覗き込ん
だ。
「こういう明るいトコでじっくり見るのは初めてなんだけど、ココをこんなにぐっちょぐちょにしちゃ
う子だったんだ、つぼみって」
わざとだった。はっきりと声に出して性器の状態を述べることにより、つぼみの羞恥心を攻め
ているのだ。
「お尻の穴も恥ずかしそうにヒクヒクしてる…」
顔を近づけてスンスンと小さく鼻を鳴らしながら匂いを嗅ぐ。えりかの呼吸を尻の谷間に感じ
て、ビクッ!と腰が大きく震えた。
「…舐めちゃおっか?」
いじわるくニヤついて、その尻穴へ鼻の頭を強く押しつけた。そのまま頭を揺すって刺激して
みた。「ヒッ…、ヒッ…!」と短く切った喘ぎ声を上げ、つぼみが苦しい姿勢で裸体を暴れさせ
る。
痩せ気味の細い体型だが、それでも羞恥心を過剰に煽られたカラダの抵抗は激しい。
「んぷっ…!」
悶え跳ねる腰の動きが、えりかの顔面を直撃した。尻の肉圧がけっこうあるので、いいパン
チになる。
「ンン〜〜? 奴隷の分際で逆らうか〜〜っ?」
押し広げたつぼみの両脚をますます強く押さえつけつつ、「はぐはぐぅっ!」とうなり声を上げ
て彼女の濡れそぼった秘所にがぶりついてやる。
「んひぃぃぃ……っっ!」
あられもない悦びの嬌声を叫んでしまうつぼみ。淫らな蜜にまみれた性器を、えりかが歯を
使って、ゆっくりと何度もなぞってくる。
「………………っっ!!」
その緩やかな責めがじれったくて ――― けれど下手なおねだりをしたら噛みついてきそうで
怖くて…………。
(あん、もどかしいですっ。でも、このままだと私は、ゆりさんを呼ばれてしまいます……)
これ以上は快感に抗えない。イクのはもう時間の問題だった。
(ゆりさん…っ)
――― 『ゆりさんこそ、今頃もも姉にフォルテッシモきめられてるんじゃないの』 ―――
(…あっ!)
唐突に脳裏によみがえってきたえりかの声。恥部で鳴り始めた「ピチャピチャッ…」という速い
舌使いの音も、つぼみの意識を半分ほどしかさらってゆけない。
(本当にゆりさんも……ももかさんにこんな格好をさせられて……)
――― いけませんっ。そんな事を考えては!
つぼみが慌てて頭を左右に振った。
しかし、すぐに頭の中にイメージが溢れだしてくる。
雪のように綺麗な、真っ白い肌…。月の光に似た静的な美貌…。常に凛とした佇まいで、大
人びた振る舞いを崩さない彼女が……。
(ううッ…考えてはダメですっっ!)
月影ゆりの一糸纏わぬ美しい裸身を、そして彼女の肌を這うももかのスラリと細い指を想像
してしまって顔を背けた。
ゆりに対する罪悪感が胸に募る。けれども、つぼみはまた想像してしまった。
床の上に散った長い黒髪。今の自分と同じ、恥部を大きくさらけ出したポーズでももかに辱め
られている彼女の屈辱的な姿を ―――― 。
(私っ、自分自身に堪忍袋の緒がキレそうですっ!)
つぼみの双眸が悔し涙に滲んだ。
「う゛ううううっ…………!」
処女の恥裂をなぶるみたいに激しく舐めまわしてくる舌の動きに、つぼみが自らも腰を揺す
って応え始めた。腰の奥が……抑えきれないほど熱く昂ぶっていた。
「えりか、足は自分で持ちますから……」
つぼみが左右の手を伸ばして、自分の両脚を掴んだ。この恥ずかしい格好のままで、さらに
いじめてほしかった。
「指も…使って……、たっぷりと私のココに……お仕置きを……」
「あたしの命令、憶えてるよね?」
「は…はいっ、憶えてます。えりかの命令どおり、私、イクのをガマンして苦しんでます…。でも、
もう…カラダが……本当に……」
「ゆりさん連れてきちゃうよ、この部屋に。いいの?」
えりかの言葉に、カラダが勝手にビクンッと反応した。彼女の名前が出ただけで、秘所から
粘つく蜜があふれてきてしまう。
「はひぃ、ゆりさんを……お願いしますぅっ」
法悦の表情の裏で、恋い焦がれるように思い浮かべる。知性的な色に冴えたゆりの表情が
切なげに喘いで、熱く上気した裸身をくねらせる様(サマ)を。
(ももかさんの指で……イケナイ所をかき回されているんですねっ……)
ぶるるっ…。
まるで自分がされているみたいに、つぼみが腰を震わせた。
「ふふっ、さっきまであーんなに恥ずかしがって暴れてたのに……覚悟決めたんだ?」
おとなしくなった少女の様子をそう解釈して、えりかがベトベトに濡れそぼった恥裂を指で広
げ、その内側へ視線を落とす。つぼみの愛液とえりかの唾液にまみれた薄桃色の生肉は、ひ
どく淫靡な匂いを発していた。
「いやらしー…」
快感で熱くとろけた膣口を、指でスリスリ…とさすってやる。肉具合もだいぶほぐれてきている
から、指一本ぐらいなら大丈夫だろう。
ちゅぷっ…。
膣口に浅く人差し指を侵入させてみる。
つぼみが「ふああっ…」と啼(な)いて、床の上で背中を小さく弓反らせた。人差し指の先を、
淫蜜でぬかるんだ膣口が『きゅぅ…』と締めつけてくる。異物感に怯えながらも、しっかり感じて
いる。
「いつか、つぼみの奥の奥までじっくり探検してあげるからね、それまでは…ほらっ、あたしがこ
うやって……、ん? こっちのほうが感じるかな…」
しゃべっている間も、ずっと指を動かしている。膣の入り口をほぐすように出し入れを繰り返
し、性器の中を甘美な刺激を沸き立たせる。また、もう一方の手も休んではいない。親指から
小指までの五本の指を使って、順々にクリトリスを優しく撫でこすっていった。快感に昂ぶった
肉真珠を微妙なタッチの違いでさわりまくられて、つぼみが声を震わせて泣いた。
「あ、あ゛…、うあ゛っ、う゛うううっ、ああああっ、あ゛ッ、あー…あああああっっ、ああぁぁっっ!」
苦しげな表情で、しかし、細く開かれた両目は激しい欲情の涙に濡れていた。
(ゆりさんっ、私、こんないやらしいコトをえりかにされてますっ! 今からこんな恥ずかしい姿で
イカされちゃうんですっ!)
自分の秘所を淫らにむさぼるえりかの指使いは、つぼみの想像内で、そのままゆりの秘所を
攻めるももかの指戯へとなってしまう。
――― 私、憧れのゆりさんと一緒に……もっと、気持ちよくなりたい…ですっ!
ブルル…ブルルルッ…と、両脚を痙攣に似た震えが駆け抜けた。自分の脚を掴む両手が、
いつのまにかぐっしょりと汗ばんでいて滑りそうになる。あわてて指先に力を込めて掴み直し
た。
(ももかさんっ、もっと…もっといっぱいっ、ゆりさんをいじめてあげてくださいッッ!)
つぼみが「んんんっ」とうめいて、ほんのわずかだが腰を持ち上げ、えりかの顔のほうへ恥部
を突き出す。
「積極的じゃん、つぼみ。 ――― じゃあ、最後はめっちゃくちゃに吸いまくってあげる!」
官能の熱でトロトロに煮られた肉唇を、えりかの指がグニィ…と左右に広げる。そして唇を粘
膜に直接押しつけ、『ぶぢゅるるるっ!』と下品な音を立てて盛大に吸引。
「……ッッ! …………ッッ!!」
つぼみがバクバクと大きく口を開いた。だが、呼吸が出来ず、喘ぎ声も上げられない。
腰の奥で『ジン…!』と感電したみたいな響きが弾けた。続けて絶頂の荒波が、身体の芯に
嫌というほど叩きつけられてくる。
けれど ――― イッたのに終わらない。
『ぶぢゅぢゅっっ……ぢゅぢゅるるるッッ…ぢゅぢゅぢゅっ…ヂュウウウウッッ!!』
一回目以上に激しく、絶頂を感じている粘膜を連続して吸い上げられた。
「…………っっ…………ッッッ!!!」
汗まみれの裸身が床の上で、びくんっっ、びくんっっ、と跳ねてしまう。もはや両脚をつかんで
なんかいられない。
(これ以上吸われたら ―――― 私、殺されるっ!)
ぐっ、と歯を食いしばって、仰向けだった身体を右に倒し、床を這って逃げようとする。その瞬
間、つぼみの意識は前触れもなくブツンと途切れた。
|