蝉時雨 02


　ほのかが腰をゆったりと動かす。浅く…深く…と挿入の度合いを変えつつ、まずは焦らしの攻
め。ヌルヌルした淫肉をディルドでこねくるように突く。
「んっ、んっ……うっ…ん゛っ……」
　なぎさの熱く湿った喘ぎ声。
　とろけた膣を、ディルドの固さが何度も往復する。なぎさの弱点を知り尽くした指・舌による同
時責めと違い、快感がじわじわ腰に響いてくる。
「ううっ…う゛うううっ……腰、溶けてくぅ……」
「ねえ、もっと欲しくなってきたんじゃない？　――― 特にこの辺とか」
　ディルドを深く挿（い）れ、膣の奥のほうへ固いモノの刺激を届ける。なぎさが「はああっ！」と
溜め息に似た悦びの声を洩らして、膣の肉を『キュウウッ』ときつく締めつける。
「うんっ、そこ……ぐちゅぐちゅにしてっ……」
「だったら、おねだりしてみせて。この前、わたしにやらせたみたいに」
　わざと腰をとめ、いじわるな視線でなぎさの背中を見下ろす。自分からイヤラシイ事を求め
る、あの恥辱的な気分をなぎさにも味わわせたかった。
「ほら、なーぎーさー？」
　ほのかが少しずつ腰を引き、ディルドを抜いていこうとした。
「あっ、だめっ、おねだり…するからっ」
　なぎさがあわてて尻を揺すり始める。四つん這いのままグッと後ろへ腰を突き出し、自分を犯
すディルドに奉仕するみたいに……。
　膣襞の吸いつきが、粘液にまみれたディルドを軟らかに締め付け、前後に往復する。その動
きは双頭ディルドを通じてほのかの膣内に伝わってくる。
　ぞくっ…。ぞくぞくっ……。
（わたし、ちょっとイキそうになった）
　普段はおしとやかな才媛も、身も心も捧げた恋人と二人きりの時だけは、全身を欲情させて
快楽に堕ちた表情を顔に浮かべる。

　淫らに ―――― 。

　あさましく ―――― 。

　なぎさとこうやって繋がっている今は、恥部を沸かす官能のうずきに逆らえない。
「お願いだから、こんなわたしに…幻滅しないでね……」
「えっ？　ゲンコツしないで……？」
「やだっ、なぎさったらぁっ！」
　なぎさの聞き間違いが面白かったらしく、バッチーン！と彼女の背中を強く平手打ち。意味が
分からず悲鳴を上げたなぎさの後ろで、ほのかが楽しそうに笑っている。
「ふふふっ、それよりもなぎさ聞こえる？　いやらしい所から音がネチャネチャって……」
「だって仕方ないじゃない。本当に、ほのかにしてほしい…もん……」
　背中痛いなぁ、と思いつつなぎさが顔を赤らめ告白。
　腰を動かすたび、濡れそぼった性器をディルドの固さに突かれて気持ちよくなってゆく。すで
に股間にあふれていた淫らな蜜と、なぎさの秘所が新しく漏らした牝臭（めすくさ）い蜜が混ざり
あい、
『くっちゅ…くっちゅ…くっちゅ…くっちゅ……』
　粘ついた音が糸を引くように響いて、少女たちの大切な部分を繋いでいた。
　ほのかが意地悪い微笑で口もとを緩ませ、
「こんなにキモチイイなら、わたしなんて必要なくない？」
「だめ…、きもちいいけど……やっぱり、ほのかにしてもらわないと満足できないっ！」
　恋焦がれるような切なげな訴え。
　ソフト樹脂製のディルドをねっとりと汚しながら腰を振っているのは、あくまでおねだりのた
め。なぎさは、ほのかの腰使いでイキたいのだ。
「ほのか、お願いだから……してよぉ」
「口じゃなくて、腰でお願いしなさい」
「はいぃ…」
　情けない声で返事して、さっきよりも大きく腰を動かし ―――― 。
「あっ…、ああっ、抜けちゃったっ！」
「はいはい、あわてないの。挿（い）れてあげるから……」
　ぐしょ濡れになった恥裂をディルドが割って、少女の膣（なか）へ再び押し入ってゆく。
「あっ…はンンっ…」
　なぎさが顔を上気させて、恍惚の喘ぎを洩らす。
「あぁぁ、いいよぉ……、ほのかに挿れてもらうの、好き…」
　今度は抜けないように注意して、双頭ディルドを装着したほのかの腰に打ちつけるように尻を
揺すってみせた。
「うんっ、んっ、んッ、んっ、ん…んっ、んっ、ンン……」
　腰を後ろへ突き出そうと力を入れるたび、なぎさの口から声が洩れる。
　スポーツに励んできた背中や腰には汗の玉が浮かび、熱くなっている。見つめるほのかの視
線が、うっとりと潤む。なぎさのスマートに引き締まった肢体に対して、征服感を昂ぶらせた。
「どうしたの、なぎさ？　もっと一生懸命おねだりしないと、あの薬を背中に塗りつけちゃうよ」
　イジワルな内容を、わざとかわいらしい口調で言ってみせたりする。
　なぎさが「かんべんしてよぉっ」と哀れっぽい声で啼（な）いて、腰の動きを速めた。

　尻の動き。ぶつかる肉感。
　ディルドをいやらしく咥（くわ）えた性器が、濡れた音を立てて何度もおねだりする。
　しかし、ほのかはまだ許してあげない。
「全然ダメよ、なぎさ」
　がんばって前後運動に励んでいるヒップへ、乱暴に平手を振り下ろした。『パンッ！』と尻肉
が鳴る。なぎさが「ひっ！」と驚いて、さらに激しく腰を振る。
「これでっ……いいっ？」
「ふふっ、さすがラクロス部のキャプテンね。すごい腰振り…」
「ラクロスっ、関係ないからっ！」
「そう？　ラクロス的な、いかにも走りこんでますっていう感じの力強い動きよ」
　ハーネスで腰に固定しているとはいえ、一つの双頭ディルドだ。なぎさが激しく腰を振れば、
ほのかの膣内（なか）に収まっている分もある程度は動く。
（わたしのほうが……してもらっている気分。ンッ、なぎさったらぁっ）
　ほのかが気持ち良さそうに溜め息をついた。続けて、ブルッ…と背筋に震えが走る。
　だめ ――― わたしがイッちゃいそう ――― 。
「なぎさ、ストップして。……いいわ、してあげる。でも、その前に ――― 」
　なぎさの濡れそぼった恥裂から、固い感触が引き抜かれてゆく。四つん這いの裸体になまめ
かしい震えが走り、「ふあああ……？」と少女の口から弛緩した声が洩れる。
　背後で立ち上がる気配。
　それがベッドのほうへ移動していく。なぎさにチラリと視線を投げかけ、
「水分を補給してから、来て」
　と告げた。

　手首の所で一纏めに拘束された両手がミネラルウォーターのペットボトルを口まで運び、中
身をゴクゴクおいしそうに飲む。
「ねっ、ほのかも飲んだほうがいいよ」
　ようやく四つん這いの姿勢から解放されたなぎさが、屈託ない笑顔でペットボトルを持ってく
る。やんわりとベッドの端に腰を下ろしていたほのかが「ありがとう」と受け取り、ニッコリ笑う。
　――― びくっ。
　ほのかの笑顔に何か嫌なものを感じとって、なぎさが一歩あとずさった。
「もう、なぎさったら勘がいいんだから」
「……ほのか？」
「逃げたら余計にひどいわよ？」
「その、あたしは普通に犯してほしいだけなんだけど……」
　ミネラルウォーターで喉を潤してから、ほのかが天使のような笑みを顔に広げた。
「犯してほしいなんて言ってる時点で、なぎさはマゾヒストなの。 ――― なぎさが嫌がることを
今から命令してあげる」
　ペットボトルをベッドの脇に置いて、ほのかが両脚を開いてゆく。ほのかの考えを読んだなぎ
さが「ゲッ…」と本気で嫌そうな顔をした。
　それを見たほのかが、クスクスと可愛らしく微笑む。
「ご名答。なぎさの愛液でべったり汚れたコレを、なぎさ自身の口で綺麗にしてもらいます」

　なぎさの顔にはありありと「嫌です」と出ているが、その反応はほのかをさらにゾクゾクとさせ
るだけだった。
「うん、その顔で……して」
「ハイハイ、ご命令に従います。やりゃあいいんでしょ、もおっ」
　ふてくされた風にひざまずいて、ディルドへ顔を寄せる。ほのかの股間から生えた器物は、む
せ返るような牝臭にまみれていて、近づけた顔を思わずそむけた。
（うわっ、自分のってやっぱり……）
　げんなりした顔で溜め息をこぼす。もっとも、ほのかが許してくれるはずもなく、
「どうしたの、なぎさ？　ほら、早く……」
　ためらうなぎさの頭に伸ばされた彼女の右手が、優しく強要してくる。一応抵抗してみるが、
手を引っこめてくれる様子はない。……むしろ嬉しそうに髪をなでてくる。
（あとでおぼえてなさいよねっ、ほのか！）
　しかめっ面になったなぎさが、がりっとディルドの先っぽに噛みつき、上目遣いで睨む。でも、
ほのかの笑みは崩せない。
「なぎさのそういう顔、ゾクゾクきちゃう」
　ふるふるっ…とほのかの背中に甘美な痺れが走った。なぎさの勝気な態度にひるむどころ
か、逆に征服心をうずかせてしまう。
「猛獣を屈服させる時の気分って、きっとこんな感じなのね」
「誰が猛獣っ！？ ――― むぐぅっ！」
　グイッ！と後頭部にくわえられた手の力により、ソフト樹脂の感触が口の奥までねじ込まれ
る。べったり付着した自分の淫液を喉で味わってしまい、思わず泣きそうな顔になった。
（うううぅ、苦しいし、こんな事されてくやしい……）
　ディルドに犯された口で小さく咳き込むなぎさ。とてもコレを舐める気にはならない。
　反対にほのかはご満悦の様子。股間に装着した双頭ディルドを嫌々ながらしゃぶっているな
ぎさを見おろして優しい声を出す。
「自分のは嫌だろうけど……さあっ、観念しておいしそうに舐めるのよ」
　ほのかの言葉にムカッときたが、ここはガマン。さっきまで自分の膣に入っていたディルドを、
嫌悪感もあらわに舐めはじめる。ヌルヌルした自分の愛液が気持ち悪い……。
（ほのかったら本当に嬉しそうに……。くうっ、ぜ〜〜ったい仕返ししてやるもんね！）
（ふふっ、なぎさったら、絶対仕返してやるーっ！とか考えているわね）
　あとがこわいけれど、今は彼女を奴隷のように扱うヨロコビに酔いしれたい。恍惚の潤みをた
たえた視線をなぎさの瞳に重ねて、「ああ…っ」と熱く喘いだ。
「なぎさ、もっと舌をよく動かして。わたしに見えるように」
「自分の味って、なんかウエエッてなりそう……」
　なぎさがいったんディルドから口を離し、それに向かって舌を伸ばした。

　生々しい臭いと、ねっとりと舌の上に残るしょっぱさ。自分の愛液に対する抵抗感を抑えなが
ら、ディルドにこびり付いた蜜のヌメリを舐めとってゆく。
「そうよ、自分で汚したんだから、自分の口で綺麗にしないとね。ほら、もっと舌を……そう、そ
んな感じで……舐めたら飲んでみせて。…うん、いいよ、なぎさ」
　なぎさに屈辱的な奉仕をさせることで、欲情をたかぶらせているらしい。ほのかの声がどんど
んといやらしさを増している。
（興奮しすぎて、あたしに挿（い）れる前にイッちゃった……なんて事にならないでよね）
　ほとんど自分のツバの味しかしなくなってしまったディルドを口に含み、頬をすぼめて強く吸
引。卑猥な音が『ぢゅぢゅぢゅううっ……』と響くと、ほのかはまるで自分の性器を吸われたみ
たいに悦びの声を上げた。
「あっ…！　ああぁんっ、なぎさったらぁっ！」
　なめまかしく息を乱し、裸身をくねらせて喘ぐ。
　ディルドを吸われたところで気持ち良くなれるワケではないが、それにむしゃぶりつくなぎさの
姿に感じてしまう。
「ンっ、ほのか、こんな風にしゃぶると…んっ、もっと……んぐっ、エッチでしょ？　……ンッ」
　なぎさの口が深くディルドを飲みこみ、緩急をつけて顔を前後させる。ソフト樹脂の固さへ濡
れた舌をなすりつけながら、やわらかな唇で締め付け、しごき立てる。
　二人とも、お互いの指で擬似的な口内性交をして戯れたことはあるが、ディルドを使ってこう
いうことをするのは初めてだった。
「ンッ、ン゛ッ…ンッ…ンン゛ッ…ン、ンッ……」
　なぎさが顔を動かすたび、指より太い張形（はりがた）をくわえる口の端から唾液がポタポタ
…と落ちる。最初はやりたくなかったおしゃぶりも、随分と熱が入っていた。
「やだっ、なぎさのしゃぶり方……激しいっ……」
　股間の器具を淫らに口責めされ、ほのかがうわずった声で喘いだ。見ているだけで、腰の奥
から甘美な疼きがにじみ出てくる。
（ダメッ、これ……とってもイヤラシイ気分になっちゃう）
　ぶるる…ぶるぶるっ……。
　白いカラダがさざ波のような身震いに揺れると同時に、「ふあっ…ああぁぁっ…」と悩ましい嬌
声がほのかの口をついた。
（いいわっ、いいわ、なぎさ、ご褒美あげるっ）
　乱れた呼吸を整えようともせず、愛しげになぎさの頭へ手を乗せて、ディルドへの口奉仕にス
トップをかけた。
「なぎさ、ベッドに上がったら、犯してほしいところをよく見せて」

　ラクロス部エースのやや筋肉質な裸身が、仰向けに晒される。全身の肌が汗にまみれている
が、一番湿っているのはやはり、両ひざを曲げてＭの字に開かれた股間の中心。
　べったりと張り付いた恥毛は年相応にまだ薄く、けれど淫らなよだれを垂らしている性器は、
恥裂の割れ目から、卑猥にとろけた肉を少しばかり覗かせていた。
「なぎさのココも、もうすっかり……」
「いいじゃん、処女じゃないんだしさぁ」
「あっ、なぎさ、顔赤くなってる？　見られて感じちゃうタイプ？」
「感じてませんっ。そりゃ、ちょっとくらいは恥ずかしがるでしょーがっ。フツーは」
　両手首を一つに拘束された腕をもぞもぞと胸の上あたりで動かしている。ほのかの視線が注
がれている股間を隠したいのだが、いまさらそういう処女みたいな反応を取るのも格好悪い。
　なぎさが微妙に顔をそらして、ぶっきらぼうな口調で言う。
「脚開いてるんだから、とっとと犯してよっ」
「はいはい」
　優しい微笑をこぼして、ほのかが裸体を重ねてきた。なぎさと同じく汗をかいているのに、どこ
となく良い匂いがする……。
　ちゅっ、と唇が奪われる。やわらかい感触。なぎさはケーキのスポンジ部分を思い浮かべてし
まう。おいしそうに、ちゅうっ…と音を立てて、ほのかの唇にキスのお返し。
「あの…さ、ほのか、いい？」
「なーに？」
　甘い声でたずねてくるほのかに、なぎさが「にひひっ」と子供みたいに笑ってから続けた。
「あたしね、美人で頭のいいほのかを泣かして、エッチな声上げさせるのが好き。ほのかをいじ
めて気持ちよくさせてイカせちゃうのが、すっごく好き」
「うん。知ってる。わたしも大好き」
「でも、ほのかに乱暴にされる……のも、いいかなって。その、レイプっぽい……犯し方とか…
…そういうので一度イカせてほしいかなって……」
「いじわるな責めでイッちゃうんじゃなくて、もっと強引に？」
「うん。後ろから何も考えずにガンガンきてほしい」
　ほのかがなぎさの耳もとに口を近づけ、ささやく。
「わたしも、いいかなって思う。わたしだって、なぎさにそういう事してほしいって考えたこと、一
度くらいはあるもの」
「あ、じゃあ今度してあげよっか？」
「無理。だって、なぎさは優しいもん」
　ほのかが軽くカラダを起こして、なぎさに姿勢を変えるよう促（うなが）す。
　なぎさにとって、今日は何かと四つん這いに縁のある日だった。ひざ立ち姿になったほのか
に合わせて、腰の位置を高く上げる。

　引き締まった肉感のヒップを、ほのかの両手の指がグッと掴んだ。
「あっ…」
　なぎさの口から声がこぼれる。後背位の体勢で犯されることに興奮を覚えているからか、い
つもよりも感じやすい。
「早く挿（い）れてほしいのね、なぎさ」
　秘所にあてがわれたディルドの先端が、性器にヌルリ…とすべり込んできた。愛液の濃い媚
臭にまみれた膣を、そのまま深く貫いてゆく。
「あああっ……あああああっ、来てるよぉぉっ」
　淫らな歓喜に満ちた表情で、なぎさが叫んだ。
　その声に、ほのかがうっとりと聞き惚れる。
「なぎさったら、いい声……」
　やわらかにとろけた膣襞の具合がディルド越しにも分かる。ほのかの腰が攻撃的に動く。自
分の膣がくわえ込む双頭ディルドの反対側で、なぎさの膣（なか）を深くえぐった。
「ひぐっ！」
「ほ〜ら、なぎさっ、ほらほらぁっ！」
　なぎさの尻にぶつけるみたいに、ほのかが強く腰を動かす。ソフト樹脂の固さは、容赦なく少
女の膣内をえぐり、乱暴に蹂躙する。
「ううっ、お腹っ……苦しいっ！　ううっ…！」
「じゃあ、もっと苦しくしてあげるっ」
　なぎさの尻に両手の指を食い込ませて、ほのかが必死に腰を振る。 ――― すぐに息切れし
てペースダウンしてしまったけれど、それでもなぎさの膣を執拗に突き続ける。
「はぁっ、はぁっ…、なぎさの膣（なか）、すっかりドロドロになってるっ」
「ほのかが乱暴にするからっ、さっきからゾクゾクが止まんないよおおっ！」
　なぎさの眉間にきつく刻まれたシワは、悦びの証明。感情が昂ぶりすぎて、閉じた両目の端
からは涙の粒がこぼれ落ちている。
「な〜ぎ〜さっ？」
　体育系の鍛えられた背中に覆い被さるように、ほのかが身を乗り出してきた。伸ばした両手
がなぎさの胸のほうへ回りこみ……。
「やっ！？」
　なぎさが慌てて両脇を締め、二の腕を使って胸をガードしようとする。
「だめっ、あたしっ、コレされてる最中に乳首いじられたら、すぐイッちゃうから！」
「そうね、でも……もう右のほうはさわっちゃったし……」
　ガードが間に合った左側にも強引に手がねじ込まれて、乳首をつままれてしまう。
「ひ、あ…あああっ、だめっ、爪でぐりぐりって、や゛ああああっ！」
　コリコリと固くなった乳頭を爪でもてあそんでやると、なぎさはひときわ大きな声をあげて身悶
えした。
「だめっ、あっ、アッッ、痛い……乳首、だめっ、いじめないで ――― あ゛あっ、ふあぁっ！」
　汗まみれでよがり狂う背中を感じながら、ほのかは内心でペロリと舌を出す。
（仕方ないじゃない。これくらいのハンデは貰わないと……こっちは科学部なんだから）
　毎日走り回っているなぎさだったら、これくらい問題ないのだろうが。最近は、忠太郎の散歩
もすっかりなぎさに預けてしまっているのも痛い。……すでにほのかの腰使いは半分バテてい
た。
　ほのかの指が乳首をいじるたび、膣襞がきゅうっ…きゅうっ…とディルドの動きを締め付けて
くる。きつくなった膣内だが、なぎさが漏らした淫液のおかげですべり具合は良い。
　腰に力入れて突くと、とろけた肉襞をこすりながらディルドの先端が膣の奥を叩く。
　なぎさが悲鳴みたいな嬌声を上げる。
「ふああああぁぁぁっっっ……」
　なぎさの尻がブルッ…ブルッ…と痙攣した。
（もう少しかしら？）
　ほのかが姿勢を元に戻し、再びなぎさの尻を両手で掴む。
「なぎさ、もうイク？　それともさっきのでイッちゃった？　ほらっ、ほらほらほらほらっ！」
　猛然と腰を振って、後ろからなぎさを突くほのか。膣襞が許しを乞うみたいにディルドに強く絡
みついてきたのを無視して乱暴に動かす。粘つく音が跳ねるように響いた。
「や…やめてっ、だめ…っ、あ゛ああっ！　あああああーーーっっ！！」
　がくっ！　がくんっ！となぎさの腰が大きく震える。キュウウウウッッ…キュウウウウウッッ…と
膣が甘美な締め付けをディルドに行う。
「なぎさイッてる！　ほらっ、今イッてる！　犯されてイッちゃったのね！」
「あっ、あっ……、あっ……」
　とろけた膣内をディルドで突き回されて、なぎさの脳は完全に弛緩していた。力の抜けた全身
がカァーッと熱くなり、情事後の余韻が、びくっ、びくっ…と彼女のカラダを震わせていた。