あなたに愛されるぬくもりを。 02


 せつながしなだれるようにラブに身を重ね、静かに唇を重ね合わせた。けれど、おとなしかっ
たのは最初のうちだけ。ラブのやわらかな唇が、興奮を乗せたキスで激しくむさぼられる。
(せつなっ……!)
 彼女の熱い息遣いがラブの唇を溶かそうとしていた。表情を恍惚とさせながら、ラブもさらに
せつなの唇を求めた。『ちゅっ…』という甘く唇を吸いあう音が途切れることなく繰り返され、つ
いには、ピチャッ…と唾液の跳ねる音さえ混じり始める。
(せつな、もっとカラダがドキドキすること……してあげるね)
 覚えたてのキスしか知らないせつなの手を、ぎゅっ、と握り返して、もう一方の手を密着する
二人の身体の間に滑り込ませた。
 ラブの手が、せつなのパジャマの前掛けボタンをたどたどしく外してゆく。握り合うせつなの手
の力が、びくっ…と増した。
「せつな、平気?」
 ラブが濡れた唇を離し、優しい声で訊ねた。せつなは目を閉じたまま熱に浮かされたような表
情で、でも、しっかりとうなずきを返してきた。
「……続けるね」
 せつなを不安がらせないよう、はだけられたパジャマの内側にゆっくりと手を忍ばせていっ
た。彼女の新雪のように白い肌を思い浮かべながら、そぉっ…と指先を這わせてみる。
「 ―― ッ!」
 ぶるっ。
 せつなのカラダに一度だけ震えが走った。
 ラブの指先がしっとりしたキメ細やかな肌をなぞり、胸のほうへと上がってくる。<女性>を匂
わせ始めた思春期の、蝶のようにたおやかなカラダ。
 ほっそりした体つきにふさわしく、ラブの指がたどり着いたのは、まだ乳房と呼べぬような胸
のふくらみ。健康的な色香にうっすら色づく柔肉の果実を、ラブの手の平が撫で上げた。
「うっ…くすぐったいっ…」
 せつなが眉間に悩ましげなシワを刻み、小さくカラダをよじらせた。
「くすぐったいだけ?」
「んっ…わからない。気持ちいいかも……あっ…」
 またせつながカラダをよじらせた。
 彼女の胸は、揉めるほどのボリュームはないが、ふくらみかけのやわらかさを味わうことは
出来る。さわさわ…と優しく撫で回しながら、瑞々しい肌の張りの内側にあるにやわらかさを、
指先で感じ取る。
「せつなのおっぱい……ふにふにしててきもちいいよ〜〜」
「やだっ、そんなこと言わないでよ…………あっっ!」
 かーっ、と赤面したせつなが、突然声を跳ねさせて身悶えた。胸の先っぽにラブの指がふれ
ていた。胸先に響く甘い甘いくすぐったさが、少女のカラダに初めての悦びを伝えた。
 肌の色に溶けるように薄い乳輪の真ん中に、ぷくっと尖る小粒な乳首。ラブの指先に、くに
っ、と押さえられた。
「ここ?」とラブがせつなにささやきかけ、乳首を押さえたまま丁寧に指先で円を描く。
「あっ…あああぁ……」
 ラブの指の動きに合わせ、かすれた喘ぎ声が断続的に洩れる。激しいキスで情欲を昂ぶら
せたあとだけに、ただでさえ敏感な乳首の感度もずいぶんと高まっているのだ。
「んんっ…ラブぅ…」
 せつなの口から、うっとりと声がこぼれた。ぷっくり可愛らしく充血した乳首が、クニクニ…とい
やらしい転がされ方でいじられ続ける。
(ああ…カラダが……溶けちゃいそう……)
 ラブが爪の先を使って、せつなの乳首をクリクリと優しく刺激し始める。さっきまでとは違う、
硬さによる責め。せつなの全身が、ぶるるっ…!と大きく震えた。
「あっ…くぅぅっ、ラブ、それっ…すごい……っっ!」
「こうされるのがいい?」
 せつなが眉間に強くシワを刻み、ぶんっ、と乱暴に首を縦に振った。快感の責め苦を与えら
れ、まともに答えることも出来ない。
 まぶたを閉じたまま睫毛をピクピク震わせ、心の中で喘ぐ。
(それ…好きっ。クリクリされるの好きっ!)
 胸先だけではなく、体の芯までもが甘い悦びに酔ってゆくのが分かる。彼女のカラダはもうす
っかりラブの指戯の虜(とりこ)になっていた。
「ふあぁぁ……ラブ…ラブぅ、わたし…あ…ああぁぁ……」
 びくっ、びくっ、と白い肌が震えるたびに、せつなの呼吸が色っぽく乱れ、熱い吐息でラブの顔
をくすぐる。ときおりラブの鼻孔を、せつなの使っている歯磨き粉の匂いが刺激した。
 せつなの吐いた空気を吸うと、体の奥深くにまでせつなが入ってくるような気がして ―― 。
(せつな……)
 ラブがせつなの口もとへ、犬のように鼻をすり付けた。せつなにもっと熱い息をこぼさせるた
め、指使いがイジワルさを増した。
『キュッ』と乳首を乱暴につまみ上げ、一瞬だけ強くひねった。「あ゛あ゛あぁぁっ!」とせつながラ
ブの身体の上でビクビクと身を震わせ、肺の中から絞り出すみたいな喘ぎをこぼした。
「い…いじめないで、ラブ……」
 うっすら開いた両目の端に涙の粒を浮かべて、せつなが懇願してくる。せつなのお願いなら
ば仕方がない。ラブがあっさりとせつなの乳首から指を離した。
「じゃあ、せつな、あたしからのお願い、何も聞かずにきいてくれる?」
 せつなが、こくっ、と素直にうなずく。
「今から息を全部吐いて……。出来たら目で合図して」
 約束どおり、せつなが何も言わずに「ふーっ……」と息を吐き出してゆく。すぐに肺が苦しくな
った。そこでラブに視線を送る。
 ラブが大きく息を吸うのが目に映った。その次の瞬間、唇が強引に奪われた。
「……っっ!?」
 マウス・トゥ・マウス ―― 口うつしで、ラブがもの凄い勢いで息を吹き込んでくる。せつなはそ
の生暖かくなった空気を思わず深く吸いこんでしまう。
 途中でむせた。咳き込むせつなを心配するみたいに、ラブが唇を離した。
「だ、だいじょうぶ、せつな?」
「けほっ…、ラブ、一体何を……」
 口もとに手を当てて、困惑した眼差しでラブを見つめる。「え…えへへ…」とちょっと恐縮した
笑みを浮かべて、ラブが説明する。
「せつなの息吸うと、せつながあたしの中に入ってくる気がしてね、じゃあ今度はあたしのほう
からせつなの中に入らせてもらおうかと……」
「何言ってるのよ、ラブ…」
「え…と、だからね……」
「ハイハイ、わかったわよっ。もおっ…」
 にべもなく、それ以上の説明を断ち切った。そういうことは、まず事前に説明するべきだとせ
つなは思った。怒ってるみたいに溜め息を一つこぼして、そして瞳に微笑みの色を浮かべた。
「つまり、一度わたしの肺の中はラブでいっぱいになった。そういうことでいいのよね」
 せつなの愛しげに細められた瞳いっぱいに、ラブの顔が映った。
 ずっと握り合って、固まってしまっていた手と手が解かれる。
 せつなが自らの手でパジャマを左右に大きくはだけ、熱く上気した肌をラブの身体にすりつけ
てきた。じっとラブと視線を絡め合ったまま、頬を赤らめ、甘えた声で誘惑する。
「もっと…わたしにラブをちょうだい。このカラダ全部に行き渡るぐらい……たくさんちょうだい」
 その代わり、わたしの全てをラブに捧(ささ)げるから。
 せつなとラブの雰囲気が甘ったるさを増す中、ゆっくりと唇が近づいてゆく。二人の熱くなった
息が混じりあい、湿りを帯びた唇が互いを求める。
 熱い接触。とろけた唇の感触が、彼女たちの全身を官能的な悦びに沸き立たせた。
(ラブ……)
(せつなっ……)
 せつなからラブへ、ラブからせつなへ。生温かくなった息が、相手の口からカラダの奥へと循
環を繰り返す。一呼吸ごとに、体のナカに深く…深く…浸透してゆくぬくもり。
 果てなく、それを繰り返そうとせつなは思う。この吐息の熱で、お互いのカラダが溶けてしまう
まで。
 唇を押し付けあったまま、せつなが上半身を浮かせた。そして、ラブの身体に両手を這わ
せ、彼女のチュニックパジャマの胸元を飾るボタンに手をかけた。
「ン゛っ…」
 重なった唇の間から、くぐもったラブの喘ぎが洩れた。女の子らしい、恥じらいの反応。それ
を鋭敏に感じ取ったせつなの指が、いじわるげに動きを止めた。
(ふふっ)と心の中で軽く笑う。一気に胸元をはだけてしまうのではなく、じわりじわりと焦らすよ
うに。このほうが、ラブの羞恥心を煽(あお)れると直感したから。

 ―― 少しだけ、いじめたいの。わたしだけの、ラブを。

 子犬が飼い主を困らせてやろうとするみたいに、無邪気ともいえる微笑みを頬に乗せた。わ
ざとボタンを外さず、それを指でもてあそぶ。
(せつなの……いじわる……)
 ラブが辱めを受けている気分で顔を赤らめた。一緒にお風呂だって入ったこともある。けれ
ど、その時とは裸身を覗かれる意味合いが大きく違う。
 せつなを求めてうずきを覚えている部分を、彼女の前に晒さなければならないのだから。
「う゛…」
 ラブの喉から、うめきが溢れた。じれったい指の動きによって、ようやくボタンが一つ外されの
だ。じっくりとトドメをさされていく感触に、もどかしく身体をよじらせた。
「………………」
 ラブの呼吸が乱れるのを、喉で感じた。彼女の恥ずかしさと興奮の昂ぶり具合がよく分か
る。せつなの指が、たっぷり時間をかけて二つ目のボタンを外す。
 ラブが恥ずかしがるたびに、せつなのカラダが、ゾクゾクっ…と甘美にうずいた。
(食べてしまいたいぐらいに可愛いわ……ラブ)
 呼吸をむさぼりあうために重ねた唇を、もっと熱く。
 ラブの息を深く吸い、そして自分の息にして、彼女の体のナカへ深く吐き出す。これでもう、あ
なたは絶対にわたしだけのモノ。
 最後の三つ目のボタン。ラブの身体が、びくんっ…と跳ねた。待ちきれないという反応。
「んっっ…」
 せつながあわてて唇を離した。急いで口を押さえるが、後の祭り。
「……どうしたの、せつな?」
 情欲に潤んだ瞳をうっすら開いて、ラブが不思議そうな顔をした。ちょっとバツの悪そうな表
情になって、せつなが謝る。
「ごめんなさい。わたしのツバ、ラブの口に入っちゃった……」
 申し訳なさそうにしているせつなへ、ラブが表情を和らげた。
「せつなのなら平気(へーき)」
「でも…」
 ぺろっ。
 突然顔を寄せてきたラブに唇を舐められ、せつながそれ以上の言葉を引っ込めてしまう。代
わりに、その口もとを微笑が飾った。
「…飲んじゃった?」
「うん ―― ごちそうさま」
「やだっ、ラブったら!」
 笑みに緩んだ唇に、再びラブの唇が押し付けられた。『ちゅっ』と唇をキスの音で鳴らして、せ
つなが静かに瞼を下ろす。
(ラブ……、わたしだけのラブ……)
 熱く濡れた、やわらかな感触を味わいながら、はだけられたラブの胸元……そこから覗く白
い素肌に指先をふれさせた。
 ぴとっ。
「う…んっ…」
 ラブが甘い喘ぎで喉を震わせた。心の準備は整っていたらしく、せつなが予想していたよりも
反応がおとなしい。
「………………」
 くちづけあったまま、ラブの呼吸から彼女の状態を探る。怯えているみたいに、吐息の震えの
止まらない。それに、さっきよりも熱っぽさが増している気がする。
(ラブもきっと初めてなのね)
 せつなは、どこかホッとする自分を感じた。ラブが、美希やブッキーにもさせたことのない行
為を自分にだけ許してくれているのだと証明されたからか。
 そして、彼女への愛しさが溢れてきて、ラブを欲しいと思う気持ちが止まらなくなる。
 せつなの右手が、ゆっくりとラブの浅い胸の谷間に置かれた。その手の平で、ドキドキと奏で
る鼓動音を拾う。せつなの心臓と一緒に、ラブの命がハーモニーを唄っている。
(もっとドキドキする幸せを、ラブ、わたしと一緒に ――― )
 大きくはだけた襟元から侵入させた右手が、ラブの胸のふくらみをまさぐった。
 思春期の清楚な色気をほんのりと匂わす乳房は、まだ肉がつき始めたばかりの、あどけな
いともいえるサイズ。だが、せつなの手に官能的な悦びを覚えるほどには大人びていた。
「…うぅっ」
 喉の奥で殺したような小さな喘ぎだったが、せつなの口の中に流れ込んでくる息は、隠しよう
もなく大きく震えていた。まるで泣いているみたいに。
 せつなの五指が、ラブの乳房を軽くつかんでみる。ボリュームは少なくとも、瑞々しい肌の弾
力にしっとり包まれた肉感は、搗き立ての餅を思わすほどに軟らかだった。
(舐めてみたい……)
 手の平全体を使って、かわいらしい微乳を優しく撫でまわしながら、ごくっ…と喉を鳴らした。
なんとなくだが、クリームのまろやかな味を想像してしまった。
 ぎゅっ、とパジャマを掴まれる感触。ラブの両手が、せつなの身体にすがりつくように。
(ラブ……よっぽど気持ちいいのね)
 せつなの手に乳房を愛でられている間ずっと、ラブの全身を、びくっ!…びくっ!…という波
が走り続けていた。
 せつなが二人の唇を結んでいたキスを優しく解き、ラブの口を自由にした。教えてもらうこと
が、たくさんあるのだ。
「ラブ、教えて。ここから一体どうすればいいの?」
 ラブをもっと幸せにするための、甘いささやき。うっすら両目を開いたラブが「さっき、あたしが
せつなにしたみたいに…」とかすれた声でこぼした。
 せつながうなずき返して、指先で乳首を『くにゅっ…』と押さえたまま、乳輪の上で丁寧な円を
描く。ラブの呼吸が切なさを帯びる。
 彼女に ―― せつなにだけ教えたいことがたくさんあった。
「あ…あのね、あたし、胸の先っぽをつまんで……」
「こう?」
 ぷくっ…と充血したつぶらな乳頭の先っちょが優しくつままれた。甘美な微刺激に悶えなが
ら、ラブが首を横に振った。
「ううんっ、もっと下……もっと根元のほうから」
「わかったわ。これでいいのね?」
 せつなの指がやんわりと、少女の胸先を淡く桜色にそめる乳輪から搾り出すみたいに乳首を
つまんだ。ラブの身体を、びくびくっ…!と快感の波が走り抜ける。
「そう…、それでね、軽く引っ張りながらスリスリするの……」
 ラブの声には、急かすような響きがあった。だが、せつなは片手でさらりと髪をかき上げ、わ
ざと余裕げな態度を取ってみせた。ラブを焦らすために。
「ふぅん…、ラブったらいつもそうやって楽しんでいるのね、ふふっ」
「嫌っ、おねがいだからそんな風に言わないで……」
「わたしの指でこうしてほしいの? ラブ……」
 すりすりすり…とラブの乳首が細やかな指使いで摩擦される。自分の指でするよりも数倍は
気持ちいい ―― あどけない乳房の先端が、砂糖を煮詰めたような甘いうずきに狂わされる。
「あっ、あ…、そうなのっ、それで…乳首が、硬くなってっ……わかるっ?」
 せつなが確かようと、ちょんっ、と指先でタッチしてみる。その途端、ビクッ!と小ぶりな乳房
がわななき、敏感さが増していることだけは分かった。
「せつな、あたしの……せつなの指ですごく感じてる……」
「おっぱいの先をいじめられるのが好きなのね、ラブは」
 じゃあ、こういうのはどう? ―― クニクニと揉み転がしたり、優しくしごき立てたり……。
「あ゛っ、駄目…駄目……せつな……」
「ダメ? …やめちゃう?」
「いやぁぁっ、やめちゃダメぇぇ…駄目…ああっ……」
 こりこりと強張った突起のなめらかな指ざわりは、まるで柔らかな真珠。イジワルのさじ加減
に注意しながら、愛でて、もてあそび、生殺しにする。
 感度を高められた乳首が、せつなの指使いに延々と責められ、天国にも地獄にも行けぬま
ま快楽に翻弄(ほんろう)される。
(せつなぁっ……)
 ラブが、ハァハァ…となまめかしく呼吸を乱れさせながらせつなを見上げてきた。涙に潤んだ
視線は、わずかばかりに被虐的な悦びを含んでいた。
 熱い息で湿ったラブの唇が、蠱惑的なささやきをせつなの耳に吹きかける。
「せつな、爪でクリクリして……いじめて」
 せつなは、ラブに教わったアレを思い出した。そして初めて、ゾクッ ―― と淫らな誘惑に堕ち
る悦びを背中に走らせた。
 せつなの眼差しが妖しい興奮に揺らめく。
「そう…、ラブったら」
 ラブのパジャマの中に差し込んだ右手が、もぞっ…とうごめいた。
「いいわ。精一杯、ラブをいじめてあげる」
 せつなが綺麗に整えられた爪を、乳頭のてっぺんに這わせた。ラブが「ひいっ…」とあごを仰
け反らせて、電気でも当てられたみたいに全身を強張らせる。
「あっ…せつな、早くっ……」
 身体がブルブル震えて、待ちきれない。
「そんな急かさなくても、今からたっぷりと ――― 」
 くにゅっ、と爪の先で乳首を押しつぶされる。ほじくるような動きで左右交互に細かくねじられ
る。全身を激しくわななかせるラブに、せつながささやいた。「 ――― いじめてあげるから」
 ゾクゾク ―――― ッッッ。
 この瞬間、ラブの顔が歓喜に蕩けた
「せつなっ、いじめて……もっと…せつなぁ、いじめっ…や゛っ!」
 乳房の軟らかな肉に、乳首が押し込まれた。その状態でクリクリと爪の先の刺激が来る。
「ああ……あ゛あ゛ぁっ!」
 ついにはラブが両目の端から涙をこぼして、せつなの身体の下で絶え間なく身悶えはじめ
た。その姿はまるで火に炙られて苦しんでいるみたいで、でも、不思議と可哀想とは思わなか
った。
「ラブ……もっとっ? もっとでしょっ?」
 せつなの声もすっかり興奮にかすれていた。爪の先でラブの乳首を嬲りながら、額に汗をに
じませて考える。どうすれば、もっとラブをいじめられるのか、と。
(全部……ラブの全部を引きずり出して、わたしだけのものにしたい……)
 ぎゅっ、とラブの両手がせつなのパジャマにすがり付いてきた。
「せつなっ、あぁ……せつなっ、せつなっ…」
 それ以外の言葉を忘れてしまったみたいに、ラブの口がせつなの名前を繰り返す。
 せつなが恍惚と両目を閉じてかぶりを振った。ラブに名を呼ばれるたびに、鼓膜が少しずつ
溶けていくような ―― 興奮しすぎたのか、頭がくらくらしてくる。
「ラブ……」
 彼女の名前を口の中に転がす。不意に、クリームのまろやかな味……ラブの乳房の触り心
地から連想された味が ――― 。
(欲しいっ!!)
 せつながバッとラブの胸から手を引き抜き、代わりに大きくはだけられた襟元から覗く白い肌
に唇を強く押し付けた。ラブの体の匂い、興奮がにじんだ汗の味……。
 夢中になって、犬のように舌を這わせて彼女の柔肌を舐める。
(ラブっ、ラブッ……!!)
 ラブのパジャマの襟元を乱暴に引っ張って、乳房がまろび出るほどに大きくはだけさせた。そ
の際、ビッ!と生地が裂ける音がしたけれどかまわなかった。
 軟らかなふくらみに唇を這わせる。クリームのまろやかな味……は無かった。でも、触れてい
る唇が溶けてしまいそうなほど気持ちがいい。
「せつな、そんなに……そんなにあたしのことが好きなのっ……?」
 ラブが感極まったような声音で訊いてくる。答える代わりに、せつなは何度も唇を乳房に押し
付けた。拙い愛情表現だった。急にラブの胸が締め付けられた。
「せつな……」
 ラブが身悶えながら、小さな乳房にむしゃぶりついているせつなの頭を優しく両手で抱く。綺
麗な黒髪が汗ばんで湿っているのを感じた。
「あ゛っ…!」
 反対側の乳房がパジャマの上から鷲掴みにされた。その荒々しい痛みも、すぐに身体を熱く
する興奮に置き換わる。
(そうだ、せつなに教えてあげないと……)
 彼女の髪に深く手櫛を通しながら、もう一方の手をあごの下に添えて、やわらかな乳房の先
端へゆっくりと誘導する。
 彼女のあごから手を離し、どうすればいいのか訊ねてこようとしたせつなの口を、立てた人差
し指で静かに封じる。
 ラブ自身も初めてで、何をどうしたらいいかなんて良く解らない。ただ、せつなの好きにされた
いとだけ思った。
 せつなの熱い吐息が、なまめかしい興奮に色づいた乳首をくすぐった。それだけで、ラブの全
身にブルブル…っと戦慄めいた震えが走った。下腹部に、うずっ…と淫らな期待感が湧く。
 せつなの唇が、ちゅっ…と遠慮がちに乳頭をついばむ。ゾクッッ ―― とくる甘やかな疼き
に、頭の中がキモチよくかき回される。
「駄目っ ―― 」
 ぴくっ、とラブの手が反応 ―― 自らの下半身へと伸びようとした。
(どうしよ……ガマンできなくなっちゃう……)
 ちろっ。
 せつなの舌が、さらにラブの反応を試すみたいに、ツンと尖った乳首を舐めてくすぐってき
た。ラブの全身が、びくんっ!と萎縮する。
(だめっ…これ……キモチ良すぎるよぉっ……)
 せつなの前でなんて……考えただけで死にそうなほど恥ずかしかった。ラブが、きゅっ、とコ
ブシを握って耐える。けれど、その気持ちを突き崩すように、せつなの舌が小刻みに走る。
 ちろちろっ…ちろちろちろっ……。
「 ―― ッッ! だめ…だめっ……せつなそれ駄目っ! あ゛はぁっ…!」
 ぞくり……と皮膚の下を、 ―― 身体の芯を、快感が這いずり降りてゆく感触。全身が粟
(あわ)立つ。
「駄目、本当にもう……本当に駄目っ、せつなっ……」
 ラブの口から、うわ言のように繰り返される『駄目』 ―― せつなが両目を細めて、こくっ…と
小さくうなずき、乳首を舐めいらう舌使いのリズムに変化を加えた。
「ひっ…あっあっ、ふああぁあっっ!」
 はしたない嬌声を上げて、ラブが頭を仰け反らせた。
 この短いレッスンで、せつなはすっかり学習していた。こういう状況で女の子が口にする『駄
目』は、さらにイジメて欲しい、もっとキモチ良くして欲しいというおねだりの言葉。
 ちゅううっ、とせつなが口をすぼめて乳首を吸引。そのややキツめの吸い方に、「……
ッ!!」と言葉をなくしてラブが悶えた。
 ゾクッ…ゾクッ…と下腹部の奥で沸き立つ疼きが止まらない。快感に弱い胸先の先端を、せ
つなの口が舐めたり吸ったり、休む間もなく責め立ててくる。
「せつな…せつなぁっ、 ――― っっ!!」
 顔の前まで持ってきた左手の甲で、淫らな声を吐き続ける自らの口に蓋(ふた)をしたラブ。
直後『びくっびくんっ!』とカラダが痙攣し、そのひょうしに手の甲を強く噛んでしまう。
(せつな……本当に駄目なの、許して……)
 ちゅっ…ちゅちゅ…ちゅちゅちゅっ……。
 小鳥のさえずりのように、小刻みに乳首を吸う甘い音が響く。快楽が胸先で跳ね狂う感触
に、ラブの羞恥心も崩壊する。
(だめ…せつなの目の前で……しちゃう)
 すでに股の間は、いやらしい蜜を垂らして下着を湿らせていた。両太ももをモジ…モジ…とす
り合わせて耐えるのも、もう限界。ラブの右手が密着する二人の身体の間に割って入り、パジ
ャマのボトムの上から、ぎゅっ、とその部分を押さえる。
 せつなが気を利かせて、ラブの胸から口を離した。
「いいわよ、ラブ、行ってきて」
「ちがうの、せつな、トイレじゃなくて……」
 二人の視線が合う。ラブが「……ごめんね」とか細い声で謝って、震える眼差しで真っ直ぐせ
つなの瞳を捉えながら告白する。
「今、ものすごくいやらしい気持ちだから、あたし…せつなの前なのにガマンできなくて……」
「いいの。ラブのしたいようにして」
 せつなの瞳が優しい微笑を孕んで、ラブの罪悪感を和らげる。
「でも、あとでちゃんと教えてね。ラブのしたことを……わたしも知りたいもの」
「 ―― 今…でもいい?」
 ごくっ、とツバを飲み下すラブの緊張した表情に、せつなも息を呑む。
 ラブはせつなの返事を待たなかった。パジャマのボトムのふんわりした生地越しに触れてい
た手を離し ―― その右手をスッ…と左手で隠しながら、せつなにささやく。
「あたしの着てるものを……全部脱がせて……」