いつかのロミオとジュリエット 06
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処女の部分に、まだ官能のざわめきが響いている。そのせいで、火照った肌に這う唇や指の
感触 ――― ひとつひとつがとても心地良く、両目を閉じていると、そのまま眠ってしまいそう。
そして、
ずっと眠ったままでいい。お互いの淫蜜で内側を汚しあったシアワセな身体を、いつまでもベ
ッドの上で寄り添わせていたい。
「眠ったら食べちゃうよ?」と、響が耳たぶをしゃぶってきた。
くすぐったい。
クスクス笑いながら、奏が裸身をくねらせた。
そんな奏の反応が可愛くて、響が、はむっ…とさらに深く耳たぶをくわえる。
同じ14歳で、中学生。胸や尻がまろやかなカーブを描く発育途中の、おいしそうな身体。もっ
と味わわせてほしくて、両太ももの間に右手を差し入れ ――― 濡れた股間に指をすべらせ
る。
「奏のココ……すごく美味しかった。お礼に、ピアノ弾(ひ)いてあげる」
どうすれば女の子を一番悦ばせられるか。
それは、奏の指と舌がたっぷりと教えてくれたから。
ほっそりした長い指を、軟らかにとろけた恥肉へ運ぶ。そして、鍵盤上で舞う、あのなめらか
な指さばきを『愛撫の動作』にアレンジして即興演奏。
鍵盤が動き ――― ハンマーが連動して ――― それに叩かれたピアノ線が振動する。同じ
事だった。響の指が動き、トロトロになった秘所が甘くうずいて、奏の腰の奥へ快感の音色を
染み込ませる。腰骨に甘美さが響き渡り、尾骨の辺りがゾクゾクしてきて……たまらない。
「やっ…あっ、すご…アッ、響っ……ん゛っ、響っ…」
奏がビクッと、こそばゆそうに下半身をよじったのも一度だけ。秘所に湧いてくる陶酔感に、
汗ばんだ白い両脚がうれしそうにベッドの上で悶え跳ねた。
「あっ、ンっ…、響…あっ、あぁ…ん……ああぁぁっ」
初めて奏にさわらせてもらった時のぎこちなさがまるで嘘のように、今の響の指は優しく強弱
を付け、継ぎ目のない丁寧な動きで、愛蜜でぬめった性器を可愛がっていた。
(ふふっ、奏……すっごいよろこんでくれてる)
楽譜代わりに読むのは、きもちよさにうっとりと悶えている奏の表情。
……見られていることに気付いた奏が、「やだっ…」と恥ずかしそうにつぶやいて顔をそむけ
ようとするけれど、響はそれを許さない。彼女のおとがいに左手を添えて、自分のほうを向か
せる。
悩ましい色気を生む眉間のシワとか、小さく震える睫毛とか、
羞恥にさいなまれつつも淫らな悦びを露わにした秀麗な面立ちとか、
何度も「だめ」「ゆるして」と、もっといじめたくなってしまう声を紡ぐ艶やかな唇とか、
全部、
北条響一人だけが観ることの出来る南野奏の特別な貌(かお)だ。
「さっきみたいに両脚広げてみて。そうしたら、もう少し奥で弾いてあげる」
「………………」
奏の表情が恥ずかしさで埋まる。それでも自分の意志で、従順に両太ももを左右に開いた。
彼女の顔を眺めまわす響が、即興演奏にアドリブを加え、弾き方(指さばき)も、ややリズム
を抑え気味にして徐々に性器をたかぶらせるモノから、積極的になぶるモノへと修正。
響のいやらしい指使いに辱められて、熱くとろけていた粘膜がねっとりと愛液を垂らした。奏
の処女の部分が、狂おしいまでに響を求めて興奮する。ぐちゅぐちゅに濡れそぼった猥褻な肉
の軟らかさを愛撫されるたび、腰の奥深くから膣を通って、陶酔感が突きあがってくる。
「うっ…ううっ、あっ…あっ…響っ、またわたし……おかしくっ……ンッ、ああっ!」
響の右手の演奏に合わせて、奏の喘ぎ声に淫らな歓喜が混ざってゆく。秘貝を割って犯す指
は、そのまま処女の膣口も犯した。そして、『にゅぷっ』と肉穴をえぐった指先を、愛しげに締め
付ける秘肉の収縮。
奏の股間で鳴る粘つく水音は、テンポを速めたり遅くしたりを幾度となく繰り返し、
――― しかし、奏が昇りつめていこうとする途中で両脚の間から右手が引き抜かれてしま
う。
「ああ…っ」
切なげな視線で、その手を追いかける奏。響はそんな彼女に覆い被さるように抱きつき、強
引に唇同士を重ねた。二つとも淫らな蜜でぬめっていて ――― 汚れていて、それでも愛する
人の唇のやわらかさは愛おしかった。
響が唇を離しながら、ゆっくりと両目を開く。……奏もまた、同じく。重なった二人の眼差し
は、言葉以上に「愛している」という想いを伝え合っていた。
「わたしね……さっきね、奏とセックスしたくて、やめちゃった」
「いいよ、しよう」
と、微笑む奏が即答。
響の口から「セックス」なんて言葉が出てきたのが、少しだけ意外だった。確かアクション映画
のDVDでそういうシーンを見たと、部屋に入る前に言っていたが。
「……でも、ちょっと待ってね。わたし、響ほど体力ないから。少しだけ休憩させて」
もちろん、おとなしく待っている響ではなかった。目の前にはやわらかくて美味しそうなカップ
ケーキが二つ。やわらかな曲線を手の平で磨くように優しく撫でまわし、小ぶりな乳房に詰まっ
た瑞々しい肉感をたのしませてもらう。
きもちいいけれど、くすぐったくて奏が休憩できない。
「もおっ、響ぃ……休憩させてって言ったのにぃ〜」
ベッドの上で裸体をゆったりとくねらせながら、響を見つめる瞳に苦笑の色を浮かべた。
撫でまわす動きに合わせて、乳房のふくらみが柔らかく波打つように曲線を崩す。響の手で
愛でられると、乳房のカタチを褒めてもらっているようで嬉しい。
胸の麓(ふもと)から登ってきた手が、乳頭を優しく通過して、乳房の丸みをすべり落ちる。
「ふふっ、そんなに胸が好きなんだったら……ガマンしないで ――― 来て」
一瞬だけ奏と視線を合わせた響が、すぐに『来て』の意味を理解。
小ぶりなふくらみにむしゃぶりつくみたいに、その先端を唇でくわえる。やや乱暴に吸い上
げ、コリコリした乳頭の小粒な感触を味わったのち、もう一方の乳房にもがっついた。
『ぢゅぢゅっ、ぢゅっ…ぢゅぢゅぢゅぢゅっ……』
わざと大きな音を鳴らし、敏感な突起を荒っぽく吸いしゃぶる。 ――― 奏を悦ばせるため
に。つぶらな乳首を続けざまに吸引される刺激によって、奏の口からは、響の期待したヨロコ
ビの悲鳴がしぼり出された。
「ああっ…アアン! も…もうっ、響ったら……わたしをイジメるのが上手なんだからぁ!」
口調だけは少し怒っている。声も内容も、乳頭をしゃぶられる快感に溶かされてしまって、ひ
どく甘ったるい。夫婦間で交わす睦言のようだった。
「あぁんっ、わたし全然休憩できないじゃないっ…。全部っ、響のせいだからね! あっ、やだっ
…ああああっ…もうっ、ふふふっ、あとでわたしも響のおっぱいにイジワルしちゃおっ」
「イジワル…?」
指でキュッと根元(乳輪部分)からつまみあげた乳首の先端を舌先でこまかく舐め転がしてい
た口が、その単語を静かに呑み込んで、唇の端をニヤリとつり上げた。
(わたしに反抗できなくなるくらい、たっぷり躾けてやるんだからっ)
さんざんもてあそんだ乳房の先 ――― ツンとこわばった乳頭に、硬い前歯を軽く当ててリズ
ミカルにこすり転がす。奏はすぐに甘い声で悲鳴を上げた。それを聞きながら、ベッドの上で主
導権を握らせてやるもんか…と響が胸の中で微笑んだ。
「ひび…き…、ねえ、そろそろ……」
感じやすい乳房の先端を責められ続けたせいだろう。奏のカラダは、今すぐ ――― したくて
たまらなくなっていた。
奏の声に応じた響が、二つのカップケーキに未練を残しながらも顔を離し、幼なじみの手を
引いて二人一緒に身を起こした。
ベッドの上に座って微笑みあい、自然とキス。最初は二人とも両腕で相手の背中を抱きしめ
ていたが、やがて響の右手が奏の左太ももを優しく持ち上げ、その下に自分の右脚を通した。
二人の性器をくっつけようとしている ――― そう悟った奏は、抑えきれない興奮で微妙に震
えてしまった声で響にたずねた。
「その…響が観たアクション映画に……こういうシーンがあったの?」
「うんっ、『甦ったエジプト女王VS地獄の女サムライ』って映画だったんだけどね……」
「あ、タイトルはどうでもいいんだけど……」
「そう? ――― ちなみにね、エジプト女王は<古代エジプト蟷螂拳>のマスターで……」
「ごめん、内容とかもどうでもいいから」
「………………」
ご主人様にかまってもらえない子犬のような目になった響を無視して、
(こうしたほうがくっつけやすいかな?)
と、奏がカラダを横向きに倒し、右側臥位の姿勢で左脚を軽くもたげた。力を抜いた右太もも
の上に、響の左脚が乗せられる。響がカラダを倒しながら、開かれた両太ももの間にゆっくりと
腰を差し入れてくるのがわかった。
「んっ…ん……」
奏がうっとりと目を細めて、性器がくっつく位置をピッタリ合わせようと腰を動かした。
(……っていうか、響が観たのって女の人同士のセックスシーン? もしかしてエジプト女王と
女サムライ? どういう状況でセックスしたんだろう?)
一瞬気になったが、すぐにどうでもよくなる。
砂糖を溶かしたみたいに甘くなった声音で、奏が確認した。
「どう、ちゃんと……くっついてる?」
「うん、くっついてる。奏のが……熱くなってるのが分かる」
濡れた秘貝同士を深く食い込ませあうカタチで、二人の一番いやらしい所がキスしている。
奏がまぶたを下ろして、その感触をもっと深く感じようと集中する。 ――― と、そこで響が腰
を揺すってきた。まるで自分たちの処女の器官を愛し合わせるように。
(そっか。響はわたしが……欲しいんだ)
たぶん響は今、二人が唇で交わした激しいキスの事を思い出しているんだろう……と、奏は
想像した。キスで伝え合ったあの熱い「愛している」という想い。響にとって、気持ち良くなるとい
うのは、「愛し合っている」という証明。貪欲だから、腕の中に奏を抱いていても「もっと奏が欲し
い」などと思ってしまう。
――― しかし、それは奏も一緒だ。
(わたしも……もっともっと響が欲しいっ!)
奏も腰を使って、淫らに発情した濡れ肉をこすり合わせていく。ヌルヌルになった肉の感覚に
心がどんどん昂って、肉体(カラダ)も気持ちも抑え切れない。
正直、舌や指ほどにこまやかな攻めはできないけれど ――― しかし、二人の性器が磁石み
たいに惹かれ合って、お互いの愛液でぬかるんだ秘肉をなめらかに摩擦させると、子宮にまで
響くような官能的な痺れが発生する。
「何なの、これ…すごいっ……すごく好きっ!」
切なげに両目を閉じた奏の表情が、恍惚の色に染まって上気した。快感を伴う腰の動きで、
自分の秘所が分泌した蜜を、相手の蕩けた性器を使ってこね回した。少女たちが腰を振るた
び、粘っこくて猥褻な水音が、密着した股間から洩れてくる。
「フフッ、奏、ぬるぬるしてる……」
「そ…そんなの当たり前じゃない、濡れてるんだから」
「そうじゃなくて、奏の腰使い。なんか、ぬるぬる動いて…いやらしい」
「もうっ、響を気持ちよくしてあげようと頑張ってるんじゃないっ、…ンンッ」
もっといやらしく動いたほうが響も悦んでくれる ――― 奏が愛情を込めて腰を使い、響の秘
所へ丁寧に奉仕する。彼女の気持ちよくなっている声を聞き、快感に打ち震えるカラダの反応
のひとつひとつを確かめ……。
(響にいっぱい気持ちいい事してあげるから……ずっとこうして繋がっていたい)
目の前に響の左脚に軽く両腕を絡めて、14歳の少女が初めての性交に酔いしれた。
奏の気持ちが嬉しかった。だけど、主導権は譲ってあげない。
響が両腕を後ろについて、上半身を起こした。奏が響のために懸命に白い尻を揺すっている
姿が、愛おしくも少し滑稽だった。
ゾクゾクくる快感を、軽く下唇を噛んで押し殺してから、
「奏って、そんなにセックスが好きな子だったんだ」
と、意地の悪い口調で言ってやる。
即座に奏が否定しようと ――― その時になって今の自分の姿全てが、見おろしてくる響の
視線に晒されている事に気付き、恥ずかしそうに一瞬言葉を詰まらせた。
「……ち、違う、わたしはただ、響に気持ちよくなってもらいたいから……」
「本当? さっきから腰動かすたびに、奏のカラダ、びくっ…びくっ…てなってるけど?」
響の伸ばした右手が、奏の左手首をつかんで、彼女の上体を強引に引っぱり起こす。
そして、「ホラッ、見て」と自分たちの密着した股間に目をやるよう促した。
「特にね…ここ、だよ。奏が自分で動きながら、びくん!…って強く震えてるの。くっついてるか
ら隠せないよ、奏の状態……全部わかっちゃう」
「あっ、違う…」
濡れそぼりながら繋がった下半身を見つめて、奏がやや虚ろな声で否定する。でも、響がそ
れを許さない。くすっ…と小さく笑うと、奏の手首をつかんだまま、ベッドの上で尻を跳ねさせる
ように激しく腰を揺すり始めた。
「ああっ、やっ…やだっ、響っ……そんなに…しないでっ!」
乱暴とも言える腰使いによって下半身を翻弄される奏が、「アアァーーッ」とあられもない悦び
の声を叫んで裸身を反らせた。まだ発育中の小ぶりな乳房が上下に揺らされて、若々しい色
香を発散している。
「ホラホラッ、奏……セックス好き? 答えないと、まだまだ激しくいっちゃうよぉ?」
「好きっ、大好きだからっ……おねがいっ…おねがいっ…!」
怯えたみたいに答えた奏が、快感に犯される頭を何度も左右に振った。興奮と悦びに濡れた
双眸から、涙の粒が落ちる。これ以上激しくされたら、どうにかなってしまいそうだった。
しかし、響による荒々しい腰の攻めは止まらない。
「だめっ! 何が好きなのか、ちゃんと答えて!」
「あああっ、セ…セックスが好きっ、響とするセックスが好きなの! これから毎日響とセックス
して……一緒にいっぱい気持ちよくなりたいのぉぉっ!」
口が勝手にしゃべった……気がした。
部屋中に響き渡るほどの大きな声で淫らな言葉を強要されて ――― くやしかった。しかし、
そう思っている心も、快感の熱に蕩けた秘貝を愛蜜まみれにしながらクニクニと擦り合せる肉
欲的な悦びに、完全に屈服してしまう手前の状態。
(今、響にオモチャにされても……わたし、逆らえきれない……)
つかまれていた左手がいったん離され、手の平同士を合わせて握り合う繋ぎ方に直された。
自然と奏の眼差しが、響の瞳を見つめた。
切れ長の綺麗な両目に、サディスティックな悪戯心を忍ばせ ――― 。
キッ、とそれを睨み返した奏が、声の震えを押し殺して言った。
「わ…わかった、響の好きなだけ、イジメさせてあげる。 ――― さ・せ・て・あ・げ・る!」
「は〜い」
たっぷり余裕の……ある意味、人を舐めた態度で返事をする響。強気を繕う奏の表情を、す
ぐに泣き崩す自信があるのだ。
(さっき、気持ちいいトコ見つけた。奏のは……たぶん、この辺)
グッと自分の両太ももを大きく広げて、後ろ手についた左腕に体重を預け、ベッドから尻を浮
かせて腰を揺すった。秘貝の口が漏らす粘液をローションにして、奏の性器のある部分をピン
ポイントでヌルヌルヌル…と舐めまわすみたいに責める。
包皮の上からとはいえ、初めて弄(いら)われたクリトリスの甘美な感触。
正面から握り合う奏の手に、ビクッ!と力がこもった。
「ひっ、あ゛ああっ……響っ、やぁっ…あっ、変な事しないでっ……!」
「ここ、すごく気持ちいいでしょ。 ――― フフッ、降参する?」
「し…しないわよ、降参なんて…あ゛ぁぁっ、だめっ…だめっ……」
辱めを受けているような顔で泣く奏を見て、そんな彼女をもっといじめたくなって。
『チュッ…チュッ…チュッ…クチュクチュッ…』
粘つく、卑猥な音。
響が腰使いをよりこまかく調整して、クリトリスの部分を集中的に秘貝で舐めこする。敏感な
部分に微弱電気でも通されたみたいな顔で奏が喘ぎながら泣き悶えるが、「降参」という言葉
はまだ口にしない。
――― でもね、奏のいやらしいところの奥、キュウウウッてなってるでしょ。
もっと奏と混ざり合いたい、深く…もっと深くっ。
少女たちの手が離れた。
響が腰をとめて、ベッドの上に身体を起こした。奏の左脚を肩に担ぐみたいに大きく持ち上
げ、彼女の体勢を右側臥位に戻しながら、右太ももをまたいで腰を下ろす。
ぐいっ、と響の下半身がねじり込むように差し入れられた。
「今度はこの体勢で……してあげるっ」
トロトロになった性器の肉具合を愉しみつつ、再び密着した恥部同士で派手な濡れ音を奏で
る。完全に運動部の腰使い。力強くて、ガツガツしていて、無抵抗な少女をひたすら快感で攻
め続ける動き。
「ほらっ、ほらっ、早く降参って言えば!」
振り乱す尻の丸みを、汗の粒が伝い落ちる。
責められて悶えている奏の姿は、やっぱり……すごく可愛い。
「降参なんて……するわけないでしょ!」
瞳に怒りをたたえて、奏が語調を強める。
しかし、この犯すような腰使いさえ、響にとっては愛情の証し。あえて乱暴なのは、いじめられ
る悦びで奏の興奮をたかぶらせるため。それを心の奥で理解しているから、どうしても全身が
シアワセに満たされて ――― 秘所を熱く溶かす快感に屈してしまう。
「降参なんて…あぁんっ、降参なんて絶対してあげないんだからぁぁっ!」
嬉しそうに悲鳴を上げる奏の背に、『ゾクッ ――― ゾクッ ――― 』と被虐の陶酔感が走っ
た。いじめられている自分に酔っているのだ。
白くてたおやかな肢体が、ベッドの上で激しく揺れ動く。響のスリムに引き締まった裸身が腰
を使い、延々と彼女を攻め立てている。ベッドに愛液の飛沫を散らせて、ぐちゅぐちゅに濡れま
くった性器を舐め合わせるように動く。
本当はとっくに屈服しているのに、まだ負けてないと言い張る少女を響が愛しそうに見おろし
た。
「奏、ホラッ、降参すれば?」
「し…しないもん!」
「でも、赤ちゃんを産む所は……とっくに降参してるよ」
ぞくっ……。
秘所の奥に広がった官能的な疼きに、膣が『キュッ』と収縮した。響の言葉を、頭ではなくカラ
ダが肯定したのだ。
奏が心の奥で、知ってる…とつぶやいた。
響の腰使いがねちっこくなり、なぶられる秘所が淫靡な悦びに熔けそうになる。
びくんっ!と奏の下半身に、跳ねるような震えが走った。
軟らかにとろけた濡れ肉の摩擦が、奏の秘所を辱めて……肉欲の奴隷にしてしまう。響に屈
服させられたというヨロコビをついに受け入れて、奏が幸せそうに涙を流して叫んだ。
「降参…降参するっ! 響に降参するからっ! だからっ…だからぁっ!」
「ほら、正直に言ったご褒美に……荒っぽくイジメてあげるっ!」
響の腰使いが、強く奏を求めた。
奏は狂ったように泣き悶える。響の腰に責められる裸身 ――― 秘所だけでなく、手も脚も
身体も、すべてが性感帯になってしまったみたいに、ビクッ…ビクッ…ビクッ…と肌を這う官能
の痙攣が止まらない。
(奏が気持ちよくなってくれてる! 幸せになってくれてる!)
嬉しい。すっごく嬉しい。
最後は乱暴で、やみくもにガンガン腰を振るだけのどうしようもなく子供っぽい腰使いになっ
たけれど、二人の秘所の奥は、恋焦がれるようにたまらなく熱く疼いていた。
響も、奏も、今までにないくらい全身を強く震わせて一緒に泣きわめいた。
「あ゛あ゛ああっ、奏…奏っ、わたし…あ゛あ゛っああああああっ!!」
「響っ…ああっ、だめっ…わたしも……ああああっ…あああああっっ!!」
絶頂の感覚 ――― 。
すり合わせている蕩けた恥肉から、恍惚の電流が突き上がってきて、14歳の少女たちを同
時に貫いた。セックスに耽溺するカラダを、ひときわ大きな痙攣が何度も駆け抜ける。
法悦の表情で、奏は自分の身体を強く抱きしめた。甘美な火照りに、全身が熔けてしまいそ
うなくらい気持ちいい。
しばらくすると、響が覆い被さるように抱きついてきた。アスリート系の無駄なく引き締まった
肢体は、真夏の太陽の下を走ったみたいに熱くなっていて、汗が噴き出している。
奏がしっかりと抱き返す。
ほっそりした身体の ――― 柔らかな肌の下に隠した、しなやかな筋肉の感触。
幼なじみの少女のカラダは、とても抱き心地がよかった。
「響、わたしたちの赤ちゃん……早くほしいね」
「ちゃんと大人になってからだからね」と、響がぐったりした声で答える。
うん、早く大人になりたい。
奏が無垢な表情で、響の背中に指を走らせる。薔薇の花びらが一枚残っていて、それがな
かなか取れない ――― いつのまにかまどろんで、そんな夢を見ていた。
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