人魚姫の花珠(パール) 03
(よし、今から、さらにみなみさんのおっぱいを……)
はるかが呼吸を殺して、ゆっくりと乳房を掴む。微妙なチカラ加減で、わずかに丸みにくぼみ
が付く程度に。白いふくらみの内側から、やわらかな弾力が優しく指を押し返してくるのが分か
る。
思った以上に気持ちいい感触だった。特に意識せず、はるかの手がそれを繰り返す。
(あっっ…!)
みなみの裸身が羞恥に喘いだ。胸を揉まれるという、初めての感覚。
(へ…変な気分だわ。さっきからずっと、腰の奥がむずむずして……)
くすぐったくて気持ちがいいのは、乳房のはずなのに。
緊張したのか、いつのまにか声を抑えていたらしい。
視界を暗闇に奪われたはるかには、みなみの表情は見えない。
だからか、
(うーん、こういうのはあまり気持ちよくないのかな?)
と、思って、別のさわり方を試してみることにした。
(……ここはまだいじっていないけど、どんな感じかな?)
もし電気が点いていれば、雪白の肌の上に淡く溶けた桜色の乳輪が見えただろう。その真ん
中で可愛らしくツンとこわばっている突起も。
はるかの指が乳房の丸みを這いあがり、親指と人差し指でキュッとつまむ。その瞬間、みな
みの胸先が甘い快感に犯された。
――― ゾクッ。
「はるかっ、そこを……いじめてっ」
……最初、それが自分の口から出た言葉だとは解らなかった。少ししてから、みなみの全身
が激しい羞恥に焼かれた。世界でも有数の大財閥である海藤家の娘が、あさましい願いを口
にしたという事実。
(わ、わたし……なんてコトを……ッッ!!)
それでも、快楽へと堕ちるカラダは止められない。はるかの指が ――― 。
「あああっ、あっ…、だ、だめっ……そんなにっ……」
「じゃあ、いじめるのやめてもいいですかぁ?」
「や…やめては駄目よ、ああぁぁぁ……」
こりこりと充血して、すごく敏感になった乳首を好き放題に揉み転がされる感触。はるかの裸
身にすがりつきながら、何度もカラダを跳ね悶えさせた。
「あ゛っ、あぁっ…」
みなみの尻の下で、親友のベッドが微かに『ギッ…ギッ…』と音を鳴らしている。その軋みの
せいで、ここが東せいらと西峰あやかの部屋であるコトをどうしても意識してしまう。
背徳的な感情に胸をくすぐられて、みなみが、ぶるっ…と身震いする。
「ああっ、ノーブル学園の生徒会長が、こんなことを……」
「そうですね。もしこれがみんなにバレたら、みなみさんはどういう目で見られちゃうんでしょう
ね」
「や…、やめて、そんな恥ずかしい事を想像させないで」
「想像じゃすまないかもしれませんよ? みなみさんの声、ドアの外に洩れちゃってるかも」
「いやぁぁっ…」
「見えないけど……、今のみなみさん、すごく可愛いですよ」
反対側の乳房にもいやらしく撫でいらわれたあげく、乳房の先っぽを強くつままれ、キュウッ、
とひねり上げられた。
びくんッッ!
みなみの背筋が跳ねる。
「あっ…、アッ」
乱暴にされたのに、それがむしろゾクゾクとしてしまう。
「はああぁああっっ、どうして、わたしのカラダ……、こんな……」
切なく呼吸が乱れる。
痛みや苦しさになら耐えられても、こんな甘い快楽には耐えられない。切れ長な両目の端に
溜まった涙が、頬をこぼれ落ちてゆく。
その涙が見えたワケではないが、はるかが指使いをストップした。
「さっきのはちょっと痛かったですか? じゃあ、痛みが少しでも早く取れるように……」
密着していたはるかのカラダがもぞもぞと……。
すぐに彼女の顔が胸に近づこうとしている事に気付いた。
(ま、まさか……)
わかっていても動けない。 ――― いや、わかっているからこそ動かなかったのか。
乳房に支えるように添わされた手の感触。続いて、はるかの息を胸先に受ける。
「んっ…くすぐった…い……」
両目を閉じ、背筋をキュッと伸ばして待つ。ほっそりした全身に、ヨロコビへの期待と未知に
対する緊張が入り混じっている。
くちびるのやわらかな感触。胸の先っぽ ――― 乳輪を、はむっ、とくわえるみたいに。
「……うぅ」
はるかから両腕を離し、後ろ手にベッドに着いて上体の支えにする。…でないと、今すぐにで
もカラダが崩れ落ちてしまいそうだ。
指による快楽にいじめられて、ジンジンと切なくうずいている、あどけない乳頭。濡れた舌の
軟らかさで、ちろっ…と舐め上げられただけで、バレリーナを思わす細身のカラダが、ビクン
ッ!と強く跳ねた。
――― すごいっ、指よりもイヤラシイ…。
ちろちろっ…と細かく動く舌使いが、胸の先っぽを舐め転がしてくる。声を震わせて喘ぐみな
みの上半身が、微かに弓反る。
「ああ゛っ…ああああ……はるかっ、そのまま…おねがい……」
ゾクッ…。ゾクッ…。
「わたしがもっといやらしい気持ちになれるよう、乳首にきつくお仕置きをして」
海藤家の者として口にすることは許されない、卑猥な言葉。 ――― しかし、そんな自分の言
葉に、恍惚と酔いしれてしまう。しかも、これをはるかに聞かせているのだと思うと、えも言われ
ぬ淫靡なうずきがゾクゾクと腰の奥深くに湧きだして、たまらない。
許されない事をしていると思えば思うほどに ――― 。
「いいわっ、もっとして……、はるかの舌でもっといやらしく、ふあぁぁっ」
乳房の一番感じやすい部分を、舌先でくすぐりまわされる感覚。誰にも聞かれたくない恥ず
かしい喘ぎ声が、海藤みなみの上品なくちびるを割る。
そう、誰にも聞かれたくない恥ずかしい喘ぎ声だからこそ、それをはるかに聞かれていること
に、興奮を覚えてしまう。
――― あさましい感情だと思った。良家の才女として育てられたみなみが、恥じるように顔を
しかめる。だが、淫らな悦びにとろけてしまった顔色はどうにもならない。
(……服を脱いで肌を晒しているだけじゃない。わたし、はるかの前で心もハダカになっている
のね。許されないって分かっていても、欲しがるのをやめられない)
胸先をいじめるくすぐったさに対し、「ああああ゛っ…」と震える声をこぼして、細身のカラダを
もぞもぞとくねらせた。
(わたしのいやらしい声を聞いて、はるかは今どういう気分になっているのかしら?)
ぞくっ…。
その声は甘やかに、挑発するように。
「はるか、あなたにいじめられていると、い…いやらしい気分を抑え切れなくなって、ほら、わた
しったら自分から脚を大きく開いて、こんなみっともない格好を……」
二人の視界が暗闇で閉ざされているのをいいことに、左右の太ももを大胆に開いて、恥部を
露出させる。羞恥心のせいで、カラダの芯が熱く炙られているみたいだ。
でも、熱くなったのは、はるかも同様 ――― 。
ちゅぱっ…と音を鳴らしたくちびるが、さらに濡れた音を立てて白い柔肉にむしゃぶりつく。は
るかの口の下で乳房が軟らかに揺れ、舐め転がされる先っぽが感じ喘ぐ。大好きな相手の肌
の味に感情が溺れてゆく。
乳房から離れた口が、喘ぎながら言葉を吐き出す。
「わ、わたしだって、もういやらしい気分を抑え切れませんっ! みなみさんが泣いても、いじめ
るのをやめてあげません!」
みなみの細い両肩に手を置いて、ぐっ、とチカラを加える。とっさに彼女の上半身がこわばる
が、それを強引に押し倒してしまう。
「あっ」と、みなみが声を上げるが、すでにベッドの上に押さえつけられたあとだった。はるかの
カラダが覆い被さってきて、逃げ場がない。
……電気が消えているため、はるかの姿が黒い影程度にしか見えなくて、その状態で他人に
こんな風にのしかかられるのは少し怖かった。
しかし、はるかに悟られぬよう、あえて笑ってみせる。
「もおっ、いけない子ねっ! ふふっ」
また胸の先端に、くちづけが降ってきた。『ちゅっ…ちゅっ…』と甘い濡れ音を立てて乳房の
やわらかさに吸いつくはるかを、そっと抱きしめた。大好きな少女のカラダの感触 ――― みな
みの心から怖さが消えて、代わりに胸で興奮が高鳴る。
乳房の先っぽが『ちゅううっ』と強く吸いしゃぶられる。敏感な乳頭にきつめの刺激を受ける
と、痛み以上に倒錯的な悦びを覚えてしまう。うら若い裸身を淫らに悶えさせて、熱い声で喘い
だ。
「ああっ! はるかにお仕置きされて、わたし…わたしっ……あひぃぃっ!」
くちびるでも舌でもない、硬い歯の感触で乳首を優しくこすられる。甘美なくすぐったさが胸先
でうずいて、心臓が淫らに早鐘を打つ。
「い…いやっ、ん゛っ、駄目……うううっ、くすぐっ…、あぁっ! う、くっ…うぅぅん!」
濡れた声の響き。
自分自身でも分かるし、もちろん、はるかにだってバレバレだ。ノーブル学園の生徒会長であ
りながら、年下の少女に乳首を弄ばれて悦んでいる ――― 恥ずかしいけれど、身も心も快感
に蕩けてしまっていた。
14歳の少女が、そのほっそりとしたカラダを汗ばませて、初々しい色香を匂わせてゆく。
甘い声と熱い吐息。
乳首が、くすぐったくてたまらない。
胸の先端の突起を、唾液に濡れた歯が滑る。びくっ、とみなみの白い背中に震えが這い登
る。気持ちよすぎて、頭がおかしくなりそう。
(本当にもう駄目っ。カラダが熱くて、耐えられない)
はるかの裸身の下で、腰と左右の脚が動く。……逃げようとしているのではない。その逆だ。
なめらかな手触りの太もも ――― その内側にはるかの裸身を招き入れた。
意図は明白だった。
「はるか、お願い、手をこっちへ」
暗闇の中でそっと触れ合った少女たちの手。はるかの右手を引いて、みなみが自分のヘソ
の下辺りまで誘導する。はるかの手の平が感じたのは、熱っぽい肌の柔らかさ。
「……分かる? はるか。今、わたしのカラダは、あなたの赤ちゃんを産みたいって思ってる
の」
みなみの言葉に、ごくっ…と息を呑んだはるかが、ややかすれた声を洩らした。
「…で、…でも、わたしたち女の子同士で……」
「たとえ産めなくても、『産みたい』って思う気持ちは本物よ。……はるかはどうなの?」
はるかの手を離し、自分の手を彼女に掴ませた。
「あなたのおへその下は、今、どういう気持ちなの?」
みなみの口調は、少しイジワルな響きを含んでいた。返答をあいまいに濁すことを許すつもり
はない。はるかに、きっちりと答えさせる。
「わ、わたしも…」と、はるかがみなみの手を引いて、自分の下腹部まで導き、そして押し付け
る。みなみ同様、熱くなった柔肌へ。
「わ…わたしのカラダも、み…みなみさんの赤ちゃんを産みたいって言ってますっ」
声を震わせつつも、どこかうれしそうにはるかが答えた。
暗闇で視界をふさがれていても、みなみには分かる。はるかが口もとに、花の蕾がほころび
るような笑みを浮かべているのが。 ――― はるかへの愛しさがあふれてくる。
はるかの裸身が動く。開かれたみなみの両脚の間を進んで、カラダ同士を重ねにきた。肌と
肌が触れ合う感触に、みなみがくすぐったそうに身悶える。
ふふっ、と微笑に緩んだくちびるを、はるかのキスがなぞってきた。柔らかさを押し付けるの
ではなく、優しく左右にすり合わせるみたいに。こそばゆさに、ビクッと反射的にあごを引いた。
はるかがそれを追って、静かにくちびるを重ねてくる。あたたかい。愛しい。
「……二人で赤ちゃんをつくりましょう」
みなみのつぶやきに、黙ってうなずいたはるかが、裸体からチカラを抜く。少女のやわらかな
重みが、みなみのカラダにかかってきた。くちづけを続けながら、みなみの左腕がはるかの背
中を抱いた。
(はるかをもっと、私だけのものにしたい)
右手はしとやかにはるかの左手を取った。そのまま彼女自身の大切な部分に触れさせる。
敏感になっている股間を、こんな風にさわるなんて初めてなのだろう。濡れた処女の秘貝が、
妖しく痺れをうずかせて、思わず手を引っ込めそうになった。
「だめよ、はるか。自分で感じるの、赤ちゃんを産む大切な部分を……ほら、こうして指を」
はるかの左手の指の間から、ほっそりとした指が伸びて、はるかの軟らかに蕩けた秘貝を優
しくなぞった。「あっ…んぅぅ」と、はるかが短くうめく。……みなみの頬にこぼれる彼女の息が熱
い。去年まで小学生だった女の子に、この快感は刺激が強すぎるのかもしれない。
――― みなみに性的な知識はなくとも、だいたいは分かる。自分も、はるかと同じ場所を切
なくジンジンとうずかせているのだから。
「はるかも指を動かしなさい、……こうよ、分かる?」
「ああっ、だめぇ、そ…そこは……ン゛ン゛っ、だめっ、腰がムズムズしちゃうっ」
「ふふっ、自分でさわらないと、わたしがどんどん意地悪なさわり方をしてしまうわよ?」
はるかの耳たぶに沿わせたくちびるが、絹のように柔らかな声音でいたずらっぽく脅迫。半
分本気である。さっきから止まっていたはるかの指が、あわてて動き始めた。みなみの指の動
きを真似たぎこちない指使いで、乙女の秘所に快感を募らせる。
生まれて初めての自慰。
その指の動き全てが、重なった手の平 ――― あこがれの人の手に知られてしまうという恥
ずかしさ。
(ううううううっ…!!)
はるかが顔を真っ赤にして、心の中でうめく。正直、この部屋から逃げ出したいぐらいの辱め
だ。でも、本当にそんな事をすれば、せっかく一緒に気持ちよくなってくれているみなみが…
…。
(ちゃんと ――― ガマンしないと…)
半開きのくちびるから、はしたない喘ぎがこぼれる。処女の秘部をいやらしくまさぐる自分の
指。それをじっくりと『観察』している、みなみの手の平。
ああ…、わたし、明日からどんな顔して ――― みなみさんと ――― 。
心とは裏腹に、はるかの指先は快楽に溺れていた。トロトロの愛蜜にまみれた秘貝を、じらし
ながら弄んでいる。まだ拙い愛撫だが、より淫らな快感を求める意志が、はるかの指にはあっ
た。
――― 不意に、みなみの声が耳朶を這った。
「今、はるかはどんな表情(カオ)になっているのかしら?」
「……っっ!」
見えないと分かっていても、はるかはとっさに顔をそむけてしまう。その反応に、クスクスと笑
うみなみが言葉で追い討ちをかける。
「暗くて見えないから、電気をつけてもいい?」
「ぜ…絶対に駄目です!」
「あら、そんな風に駄目って言われたら、余計に見たくなってしまうじゃない。ふふっ、どうしよう
かしら? 電気をつけるか、それともつけないか」
甘やかな声に意地悪さをまとわせて、大切な後輩をあせらせてやる。みなみの言葉に動揺し
たはるかは、心臓をドキドキバクバクさせながら状況打開策を考える。……が、一秒ジャストで
思考がフリーズ。何も考えられなくなってしまう。
(んっ、少しいじめすぎたかしら?)
優しくはるかの背中を撫でたみなみが、「 ――― じゃあ、はるかの顔を見ない代わりに」と交
換条件を出した。「わたしに、はるかがもっと気持ちよくなれるよう、お手伝いをさせて」
全てを言い終える前に、腰の奥に、ゾクゾクッ…、と淫らな痺れが湧いた。
「指でするよりも口でするほうが気持ちいいって、はるかがさっき、わたしのおっぱいに教えてく
れたわよね。 ――― 今度はわたしが、はるかの大切な場所にそれを教えてあげる」
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