Friendful party 02
いや、それって、ただの水鉄砲だし ――― と、ひめが心の中でツッコむ。
(…っていうか、トワって、こんな風に笑える子だったんだ)
育ちのいい、高貴な姫君だとばかり思っていたから……。
自分を見つめるまなざしに、クスッ、と笑って心の中で答えるトワ。
(きららのおかげで少々おてんばになってしまいましたの)
ホープキングダムの王女が、共同戦線を提案する目配せ。ひめは即決。
「よーしっ!」
立ち上がったひめが、湯をかき分けてレジーナへと突進。……飛びかかるも、ひょいっと身
軽に避けられて、そのまま「ざっぱーん!」と派手に温泉にダイブする。
「ちょっとひめ、いきなり何するのよ!」
レジーナが怒りかけて、ハッ、と気付く。ひめは陽動。
水棲獣のごときなめらかな動きで迫ってきたトワが、レジーナを間合いに捉える。
「プリンセス・ホープ・ディライト・トワの名にかけて、やられっぱなしでは終われませんわ!」
湯の下に滑り込んだ繊手のスピードは迅(はや)い。レジーナがかろうじて反応するも、ギリギ
リで間に合わない。
トワの狙いは、レジーナの胸。しかし、握りしめた手の平が掴んだのは、温泉の湯のみ。
「くッ、掴める所がなさ過ぎて……」
「ウルサーーイッッ!!」
思わず頭にきてしまったレジーナの背後で、水没していたひめが復活。
チェックメイトだ。
後ろからレジーナに組み付いたひめへ、トワが素早くアイコンタクト。ゴーサインを受け取った
ひめが、抵抗しようとしたレジーナの裸身を撫でさすり、そのこそばゆさで彼女を無力化してし
まう。
「わぁ、レジーナの肌、真っ白でスベスベやわらか〜い」
「あっ…、コラ、ひめ、駄目ッ……やめなさいよっ!」
トワとひめが一瞬顔を見合わせ、同時にレジーナに微笑みかける。
「あらあらっ。ひめ、レジーナが気持ちいいって言ってますわよ」
「確かに聞きましたですぞ!」
「バカっ、違うわよっ、コレはそういう意味の『駄目』じゃなくて ――― 」
「で、どこを触られるのが気持ちよかったんですの?」
「ミラクルドラゴングレイブで突くわよ!?」
顔を真っ赤にして、じたばた暴れながら叫ぶレジーナ。それが可愛かったのか、ひめもトワも
表情をほころばせてしまう。
「ハイハイ、あとでハニーキャンディもらってきてあげるから、おとなしくしてようね」
「では、わたくしは美味しい紅茶を淹れて差し上げますわ」
ぎゅっ。
トワがレジーナに柔らかな肌を押し付ける。
レジーナに無理矢理くっつかれた時とは違い、自分から意識しての『カラダを他人の肌に重
ねる』という行動。そのせいか、トワの表情にうっすらと恥ずかしさがにじんでいる。
「こ…こんな感じでいいのかな……?」
と、ひめが背後から両腕を回りこませて、レジーナの胸をまさぐる。その指を優しく胸先へと
導くトワのほっそりとした手。
「ひめ、ここですわ。なるべく、そっとさわってさしあげて」
「うん…。レジーナ、くすぐったくてガマンできなかったら言ってね」
二人の少女のカラダに挟まれたレジーナは、「ううっ…」と顔をしかめつつも、借りてきた猫み
たいにおとなしくしている。
幼い胸のふくらみに乗せられた手の平の感触、おそるおそる動いている指先のくすぐったさ。
……嫌じゃない。
トワの瑞々しい乳房をいじめていた時にはもう既に、彼女の背中に押し付けた胸先は軽くジ
ンジンとしていた。そこにこうやって他人の指が這うのは……ドキドキする。
(やだ、ちょっと恥ずかしい)
まだ色付きの薄い乳輪を、そぉーっ…とこする指。左右に往復する指の動きが、たまに円を
描く動きに変化する。……こそばゆい。こらえようとしても、カラダは勝手に反応してしまう。特
に、小さくてなめらかな突起は敏感で、ひめの指先がかすめただけで甘やかな痺れが響く。
「……っ」
レジーナが喉の奥で、クッ…と声を押し殺した。
怒りで赤くなっていた顔が、今は別の感情で赤い。
「……レジーナ、先っぽをつまませてね」
耳もとに近づけられたひめの口がささやいてきた。
可憐なサイズの胸のふくらみを一度愛でるように撫でまわしてから、チカラを極力抜いた指先
で、あどけない乳頭を優しく捕らえる。触れているだけ ――― そう言い換えても間違いではな
い。
でも、たったそれだけなのに……。
「あっ、駄目っ」
熱く湿った吐息と共に、その言葉が自然に出た。
くすぐったさに耐えようとこわばらせたカラダを、トワの上半身に強く押し付ける。
(ああ、レジーナ…)
彼女の可愛らしい魅力に、心の片隅が蕩ける。
さんざん乳首を弄ばれたコトも忘れ、その保護欲をそそる少女期の裸身を、トワが柔らかな
肌で迎えた。濡れそぼった金髪を左手で撫で、彼女の頭を自分の肩へと抱き寄せる。
カラダの奥から、ぶるっ…という震えが湧き上がってきた。
「……ああっ、きららの次くらいにかわいいですわ」
ふたつの胸先 ――― 感じやすい部分をいじめられて喘いでいる少女の姿に、興奮を覚え
始めた。レジーナの肩や太ももへ何度もすべらせる右手の平。きめこまやかな肌の柔らかさ
で、自分の手の感触が溶けてしまいそう。
(んっ、トワの手……くすぐったい)
ふくらみかけの乳房を左右同時に責めてくるくすぐったさにどうしても意識が向いてしまうが、
優しくカラダを撫でられるのも悪くない。
ぶるるっ…と小さな震えが来た。
なんだか……ガマン出来ない。 ――― でも、何をガマン出来ないのかが、まだよく分からな
い。感じたことのない熱がカラダの奥で増していって、ムズムズと苦しくなる。
「レジーナ、くすぐったすぎない?」
「…んっ、だいじょうぶ、平気」
「じゃあ、こんなのも平気?」
――― より大胆に。
動きを変えてきた指使いに、レジーナが、うっ…と呻いて片目をつむった。
(あっ…うっ、ひめ、先っぽ擦るの……うまい……)
甘美な感覚に責められて、すっかり固くなった乳首をつまむ親指と人差し指 ――― 乳首を
上から押さえる親指は動かさず、その代わり、乳首の下を這う人差し指が根元から先っぽへと
抜けるように、こまやかな往復を繰り返す。ときおりワザと爪の硬い感触でスーッとなぞってくる
のが卑怯だった。そんなコトをされたら、背中がキュッと弓反ってしまう。
「はあぁぁっ…」
トワの肩に熱い喘ぎをこぼす。そんなレジーナの頭を彼女の手が優しく撫でてくれる。いつの
まにか、レジーナもトワのカラダに抱きついていた。
「ん…んっ、トワぁ、ひめがいっぱいイジワルするよぉ……あっ、やっ…」
レジーナが気持ち良さそうに声を上げて裸身を震わすと、トワもまた小さく「あぁっ…」と声をこ
ぼした。濡れた肌と肌を強く重ねあう。
(不思議な……感じですわ。レジーナのカラダが気持ちよさそうな反応をすると ――― わたく
しのカラダまで気持ちよくなって……)
――― ゾクッ……ゾクッ。
「ひめ、もっとレジーナをいじめてさしあげて」
「あっ、トワひど〜〜いっっ」
「んじゃあ、次はこんな感じで! どうっ? どうっ? レジーナ」
「やっ…ちょっと待って…あっ、待って、ひめっ、あっ…ああっ、そんな…あっ、激しっ……!」
「あっ…レジーナ、気持ち…いいのですね……んっ…ああっ」
「なんでっ…トワまで気持ちよくなってんのよ、ふぁっ…駄目っ、チカラ抜けちゃうっ……」
「フフッ……ハハハッ、よく分かんないけど二人とも降参しちゃえーーっ!」
「やだっ…ああっ、あっ! やっ…、ひめ、これ以上激しくしない…で……あああっ!」
「ああ駄目っ、レジーナ! そんなに気持ちよくなられたら、わたくしまで……っ!」
トワとレジーナがどちらからともなく手を取り合って、強く指を絡める。
そして、重ねた手の平同士をギュッと押し付けあった二人が、潤んだ双眸の端に涙の粒を盛
り上げた。
……………………。
………………。
…………。
レジーナを真ん中に、うら若き肢体を並べて肩まで湯船に浸かる三人の少女。
このうち、レジーナとトワは、ぐったりとしたカラダを寄せ合ってへたり込んでいた。うっすらと
乱れた吐息が、桜色のくちびるを妙に艶めかしく色付かせていなければ、温泉でのぼせてしま
ったようにしか見えないだろう。
逆にひめは、レジーナにもたれかかって、ひと息入れているといった感じか。平たい胸の前で
両腕を組んで鼻唄を歌っている。
……そのままの状態で、レジーナが口を開いた。
「トワもひめも……その、ありがとね。ちょっと元気でた」
「あら、素直ですわね。レジーナらしくない」
と言って、クスクス笑うトワが言葉を続ける。
「最初は性悪猫だとばかり思っていましたが、こうしてみると意外に……」
「意外に……何よ? トワワン」
性悪猫呼ばわりされたレジーナが軽い逆襲のつもりで、あえてトワが感情的な反応を示すニ
ックネームで呼んでみる。しかし、トワは言い返してこない。
あれ?と思うレジーナに、ひめが耳打ちする。
「……『トワワン』も、今じゃ大切な友から貰ったニックネームだから無下には出来ないんだよ」
「へえ」
顔を上げたレジーナがトワを見る。ひめの言葉が聞こえていたらしく、彼女の表情は恥じらう
ように朱に染まっていた。それを突かないレジーナではなかった。
「ねえねえ、トワワン、『大切な友』って誰のことかなぁ? ね〜え〜、誰のことぉ〜〜?」
「やっぱりあなたは、ただの性悪猫ですわ!」
フレンドリーに裸身にじゃれ付いてこようとするレジーナを、ヒジで牽制するトワ。そこにひめ
も交ぜてもらおうと笑って手を伸ばす。 ――― 瞬間、びくぅっ!とカラダをすくめるレジーナ。
「え、どうしたの? レジーナ」
「……ごめん、ひめの手って、ちょっとテクニシャンすぎてコワイっていうか……」
「テクニシャンっ!?」
技量を褒められたような気分になったひめが、増長してふんぞり返る。
――― テクニシャン、か。ま、そんなこと……あるけどぉぉぉ!!!
「それよりも……」
レジーナが、ふと思い出したように言った。
「ひめの相談、すっかり忘れてたけど……」
「そうでしたわね。とりあえずレジーナ、さりげなく胸を揉むの、やめてくださいません?」
口でそう言うが、特にレジーナの手を振り払おうともしないトワが、真剣にひめへのアドバイス
を考え始める。もちろん、レジーナもだ。ひめという『友だち』のために考えを巡らせる。
だが、そんな二人を見た瞬間、ひめは見つけてしまった。
自分が ――― 宝物だと思っていたモノ。
それが、ひめの答え。
「ごめんっ、二人とも。わたし、自分がなりたいもの分かっちゃった!」
自分のために真剣に悩んでくれたトワとレジーナの前で、両手を合わせ、深々と頭を下げ
る。
顔を見合わせたトワとレジーナが、同時に笑みをこぼした。
「それなら……よかったですわ」
「ひめのなりたいものって何? あ、もしかして女の子専門のマッサージ師?」
「え…? 違うよ!」
「じゃあ何なの? 知りた〜いっ。教えて教えて♪」
「え…えーっと……」
嬉しそうにグイグイ迫ってくるレジーナに、困惑の表情を見せるひめ。そして、レジーナの後ろ
で溜め息をつくトワ。レジーナの首に首輪とリードを付けて、きゅっと後ろから引っぱってやりた
い気分。
「レジーナ…、ひめがそれを最初に伝えたい相手は、大親友であるめぐみなのですよ」
トワの言葉に、ひめがウンウンとうなずいてみせる。
それを見たレジーナもまた、
「ああ、そっか。…うん、ひめの気持ち、なんとなく分かる」
と、うなずいてみせた。
――― けれど。
レジーナの瞳が、いたずらっぽくトワにささやきかける。
そのまなざしは、トワにとっても魅力的な共同戦線のお誘いだった。
(なるほど。そういうことでしたら……)
心の中で了承したトワが、何気無い風(ふう)を装ってレジーナの隣から、ひめの隣へと移
動。
自分の頬に片手を当てて、悩ましげに溜め息をついてみせる。
「あらあら、ひめの気持ちは分かっているというのに……。それでも急に訊き出したくて仕方が
なくなってしまいましたわ」
「……へ?」
まだ状況が呑みこめていないひめのカラダに、レジーナのほっそりした腕が絡む。
「でも、自分から話す気は全然無さそうだから、強引な手段で白状させるしかないかなぁ」
「そうですわね。ふふっ、拷問ですわ」
「はわわわわっっ!」
レジーナとトワの裸身に挟み込まれたひめが、顔を真っ赤にする。これから自分が何をされ
てしまうのかをようやく理解したようだ。
……無論、レジーナもトワも、本気で訊き出すつもりなど無い。ひめのカラダに色々するため
の単なる口実だ。
ひめの後ろに回ったトワが、ぐいっと自分の上半身を突き出して、胸のまろやかなふくらみを
少女の背中へと強く押し付ける。色香よりも健康美に満ちた、思春期特有の張りのある乳房の
弾力。それを肌で直接味わったひめの背中が可愛らしく弓反る。
「はわっ、おっぱい当たってる〜〜っ!」
「フフッ、ひめが白状したい気分になるまで、たくさん気持ちよくしてあげます」
13歳の少女の表情は、恥じらいつつも誘惑的。
ひめの両肩を優しく抱いて、上体をゆっくり揺すった。綺麗な丸みを崩しながら、ひめのスベ
スベした背中に奉仕する乳房の肉感。
「はうぅ…うっ、あ…、トワのおっぱい、やわらかくて気持ち…いいっ」
ぶるっ…ぶるるっ……。
ひめの背中を這う震えが、くっつけた肌にはっきりと伝わってきた。
(わたくしの胸が……ひめを気持ちよくしている……)
胸の奥で、喜びが無邪気にはしゃいでみせた。
「さあ、ひめ、あなたの甘い声をわたくしにもっと聞かせて。……これでは足りませんか? 激し
くカラダを動かしたほうが良いのですか?」
トワの裸身の動きに合わせて、湯がチャプチャプチャプと水音を跳ねさせる。
くびれた腰を振って、前後に何度も動く白い上半身。
瑞々しさの詰まった乳房の弾むような感触を、離してはグッと強く押し付け、離してはグッと強
く押し付け。トワの目に浮かぶのは献身の色。しかし、カラダの奥には再び甘い痺れが這って
きている。
(はぁっ……あっ…、またカラダが火照ってまいりましたわ)
……微かに覚える背徳感。こんな姿、きららに見られたら、きっと誤解されてしまう。
トワの努力の甲斐あって、ひめがフニャっ…と口もとを緩ませて喘ぎ出すが、同時に両目の
端に敗北の涙の粒が盛り上がってきた。
自分より年下の少女が、自分の胸には無い女の武器を使って攻めてくるという残酷な事実。
「あんっ、だめっ、背中…すごくきもちいいけどぉ……、なんかメチャクチャ悔しいーーっ!」
一方、大胆な攻勢で白雪戦線を背後から突いたトワに対して、レジーナも負けん気を燃や
す。
ひめの左手をうやうやしく両手で握って、自分の口もとまで持ち上げる。
「あっ…」
指先に震える息の感触が……。くすぐったそうに喘いだひめが、びくんっ、と左腕を震わせる
と、レジーナがその反応を愛しさで包み込むように笑ってみせた。青く澄んだ宝石の瞳が、ひ
めの心を捉える。
「だいじょうぶ、ひめにはあたしが素敵な夢を見させてあげる」
そして、やわらかなくちびるが中指の先っぽに触れて、ちゅっ、と甘いくちづけの音を鳴らし
た。
レジーナにとって、自分が望んだ相手以外には、たとえ目の前に世界中の富を積み上げてき
ても、さわらせてやらない場所 ――― それが、くちびる。
ちゅっ。
また、ひめの中指の先でキスの音が可愛く跳ねた。
(うっ…、指、くすぐったい……!)
ビクッ、と悶える指先。くちびるのやわらかな感触を中指の先に這わせたまま、レジーナが顔
を緩やかに左右に振る。ぞくりっ…と、ひめが背筋を震わせた。こそばゆいけれど、それ以上
に気持ちよくて、指の骨が、手の骨が、甘やかに蕩けてしまいそう。
「ねえ、ひめ、トワには内緒であたしにだけ話してくれたら、ファーストキスの味、教えてあげる」
レジーナがほんの少しだけ覗かせた舌で、ぺろっ…と中指の先っぽを舐め上げた。
ひめには、今の彼女の言葉が本気なのか嘘なのか、正直分からない。
レジーナは、どこまでも気まぐれで自由な姫君なのだから。
「あら…」
トワのおっとりした声音が、ひめの耳たぶの裏を這う。
「では、わたくしはひめのカラダに、指遊びの味を教えて差し上げますわ。レジーナには秘密
で、わたくしにだけこっそり話したくなるように」
ひめの両肩を抱いていた手が、すぅーっと静かに湯の中へすべり落ちた。数秒もせぬうち
に、ひめが甘い悲鳴をあげて、華奢な肢体を、びくりっ、と跳ねさせた。
さわりっ…さわりっ…と、すべらかに尻の丸みを這う手つき。
「ふぁっ…あっ…あっ、やだっ、そんな所くすぐっちゃ……」
「お尻はいけませんでしたの? では、わき腹のほうを……」
「ああああっ、やっそっちはもっとダメ!」
「……では、おへそを」
「ヒッ…駄目っ、あっ、ふうっ…んっ、やだっ、トワっ、ぷはははははっ……ダメダメダメッ」
ヘソの縁(ふち)をクルクルとなぞった指に続き、今度は両手の指全てがサワサワサワっ…と
滑るように動いて、ひめの柔らかな腹部を這いまわった。くすぐったそうに悲鳴を上げる少女の
肌の下で、腹筋がビクビク震えているのを感じながら、さらに意地悪く指を動かすトワ。
(愉しいですわ ――― とっても)
腰の奥がムズムズする。
幼さをまだ拭いきれない少女の肌へ、軽やかでサディスティックな指使いが走る。
「ひっ…ひひひっ……助けてっ、あーーっ! あーーっ!」
笑い悶えるひめが、そのほそっこいカラダをよじって逃げようとする。しかし、
「だーーーめっ!」
と、レジーナの両手が、ひめの左右の手を握りしめて、ぐいっと自分のほうへ引っぱる。
「あはははっ……やだっ、レジーナ、手ぇ離してっ……あははっ……くひぃぃーっ!」
たまに緩急をつけてくるが、基本的にトワの指は動きっぱなし。お腹をくすぐり責めてくる手か
ら逃れるために強引に大きくカラダをよじったら、わき腹を狙われてもっとひどい事になった。
「あん゛っっ、助けてレジーナ、あははははっ……もうっ、無理っ、トワっ、ああっ……ひぃっ!」
今にもこぼれそうな涙で潤んだひめの双眸。
レジーナが、ぞくりっ…妖しい興奮を覚えた。
「トワ、あたしがひめを押さえてるから、もっとしてあげて」
「やだっ…待ってっ、あっ、ひっ! あはははっ……くっ、くすぐったっ……ああああっっ!」
両手を掴むレジーナの手を振りほどこうともがいていたひめが、びっ…くんっ!!と激しい震
えにカラダを貫かれて、がくりっ…と前のめりになる。
「あははははっ! あっ、ははははっ、ああっ…あははははっ…ダメッ……ふっ、ああっ、やだ
っ」
――― たまらなかった。
びくっ、びくっ、と引くついているお腹に寄せては返す波のごとく、さわさわさわさわっっ…と全
ての指を動かす両手がヘソのあたりを目指して何度も這い寄ってくる。
「やだやだっ、あっ…あはっ…はははははっ、も…もう息苦し……あっ、はあっ、はあっ……」
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